ヴェストファーレン条約と神聖ローマ帝国

著者名

伊藤宏二

価格

定価 4,180円（税率10％時の消費税相当額を含む）

ISBN

978-4-87378-891-3

仕様

A5判　上製　216頁　C3022

発行年

2005年12月

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内容紹介
目次

内容紹介

我国では，「神聖ローマ帝国の死亡証明書」として知名度は高くとも，その実態はほとんど知られてこなかったヴェストファーレン条約。しかし，近世ドイツ国制史研究の進展と条約締結350周年を契機として，両者の関係は現在大きく見直されつつある。本書はそうした最新の研究動向を踏まえながら，条約当事者たるスウェーデンと皇帝との関係に焦点を定め，条約の成立過程からその後の展開を明らかにすることで，条約と帝国の関係及びその歴史的意義をヨーロッパ近世の政治文化の中に位置付ける試みである。

序　章　ドイツ国制史研究とヴェストファーレン条約像の変遷
　　従来のヴェストファーレン条約像／ヴェストファーレン条約研究
　　における新動向／近世ドイツ帝国国制とスウェーデン
第１章　ヴェストファーレン講和会議における帝国と
　　　　スウェーデン
　　スウェーデンの三十年戦争参戦をめぐる諸論争／ヴェストファー
　　レン講和会議とスウェーデン／附論として――条約の調印と講和
　　文書の保管について――　　
第２章　ヴェストファーレン条約に基づくスウェーデンの地位
　　スウェーデンの講和条件から見たIPOの全体的構成／IPO第10条16
　　箇条の分析／フランスに対する領土割譲と比較して
第３章　帝国等族としてのスウェーデン
　　講和会議における不上訴特権獲得交渉／ヴィスマール最高上訴審
　　裁判所の設置／インヴェスティトゥールの実現と帝国戦争