人文科学

ドイツ=東アジア関係史 1890-1945

ドイツ=東アジア関係史 1890-1945

熊野直樹・田嶋信雄・工藤 章 編
定価 6,820円(税率10%時の消費税相当額を含む)
1940年に日本と軍事同盟の関係を築く以前に、ドイツはそもそも中国との間に広範な通商関係を持っていた。とりわけ第一次世界大戦後に中国における植民地を失うことになったドイツにとっては、武器の販路や天然資源の供給元として中国は依然として重要な存在であった。また中国にとっても進出の野心を強めつつある隣国の日本に対してドイツとの関係強化を図ることは必然の流れであった。本書は、帝政ドイツ・ヴァイマル共和国・ナチスドイツ、清朝・中華民国・「満洲国」、そして日本(大日本帝国)と、国家の形態や国家間の関係はさま...
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近代日本洋画史再考

近代日本洋画史再考

高山百合
定価 4,950円(税率10%時の消費税相当額を含む)
明治40年の文部省美術展覧会開設以降に確立され、その後の美術史や美術運動史のなかで、功罪含めてつねに大きな影響力を持ち続けた主流としての「官展アカデミズム」は、戦後日本の美術批評において、個性を欠いた類型的な作品群としてしばしば否定的に捉えられ、長らく等閑視されてきた。そのような評価の偏りを踏まえ、本書では、岡田三郎助、中澤弘光、中村研一という「官展アカデミズム」の直系ともいうべき三人の作家による代表的な官展出品作(岡田三郎助《水浴の前》(大正5年、第10回文展)、中澤弘光《かきつばた》(大正7...
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野生の文法(グラマー)

野生の文法(グラマー)

高橋 勤
定価 4,620円(税率10%時の消費税相当額を含む)
「野生のなかにこそ世界を保存する力がある」ソローの野生論「ウォーキング」のもっとも知られた一節である。ソローの野生論は、野生という概念を中心として文化の活力と健全性、そして人間の全き成長について論じたものであった。従来、自然詩人、シンプルライフの実践家とみなされたソローを「野生」という鍵概念に注目して読み直し、さらに環境活動家ジョン・ミューア、現代詩人ゲーリー・スナイダーに与えた影響を考察する。「わたくしが関心を抱くのは、思想(グラマー)としての「野生」の問題であり、その系譜学である。別の言い方...
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水の女[新装版]

水の女[新装版]

小黒康正
定価 2,750円(税率10%時の消費税相当額を含む)
ヨーロッパ文学における「水の女」の系譜は、大小さまざまな流れから成り立つ。但し、その本流は、古代ギリシア神話を水源とし、キリスト教のもとで形を変えながら、中世やルネサンス期の民間伝承や民衆本を経て、近代ドイツのメールヒェンにて川幅を広げ、更にデンマークへと至り、世界文学という海原に流れ出る。こうした流れの中でドイツ文学の役割は大きい。セイレンの後裔たちは、明るい海原ではなく、奥深い森の湖沼に現れるようになると、文学において頻出する「他者」となり、同時に内面化された「他者」となる。つまり、「水の女...
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今と昔の長崎に遊ぶ

今と昔の長崎に遊ぶ

増﨑英明 編著/長崎大学地域文化研究会 著
定価 2,640円(税率10%時の消費税相当額を含む)
長崎の地に住んだ人びとがどのように長崎の文化を形作ってきたのか、長崎の歴史・文化・経済・言語・哲学など様々な分野の研究者が解説し、長崎の隠された魅力をさらに深く探求していく。長崎は諸外国との窓口の役割を長らく果たしてきた。ポルトガル・オランダ・中国を始め、外国の文化が流れ込み、日本の文化と融合した都市、それが長崎である。つまり、グローバル化が叫ばれる現代に先駆けて、数百年も前からグローバル化が行われてきた。その長崎文化の魅力と本質を長崎という文化空間に即して解明すること、いうなればグローカルな視...
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中国語の「主題」とその統語的基盤

中国語の「主題」とその統語的基盤

陳 陸琴
定価 5,940円(税率10%時の消費税相当額を含む)
本書は、「主題」にまつわる語用論的側面と、その解釈の基盤となる統語論的側面を峻別し、統語論においてPredication関係という統語関係を仮定することにより、中国語の「主題」をめぐる様々な現象の説明を試みるものである。 中国語は、しばしば主題優性言語(topic-prominent language)であると言われる。これは、文頭に「主題」が出てくることが多いからであり、中国語の統語論の研究においても、「主題」という概念が言及されることは少なくないが、実は、この「主題」の定義ははっきりと決まっ...
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開戦前夜の日中学術交流

開戦前夜の日中学術交流

稲森雅子
定価 5,940円(税率10%時の消費税相当額を含む)
1920-30年、中国文学の若手研究者(中国学第二世代)が続々と北京へ留学した。当時、北京は忘れられた「古都」となっていたが、なお北京大学や清華大学など数多くの大学があり、学術研究の面では依然として中心地であった。その北京で、日本と中国の中国学研究者たちは、さかんに交流していた。しかし、このいわゆる「日中戦争前夜」の数年間の学術交流の実態は、これまで意識的あるいは無意識のうちに見過ごされてきた。本書は、近年偶然に発見された当時の資料等をもとに、北京において繰り広げられていた学術交流の具体的なあり...
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在明の別 残月抄

在明の別 残月抄

辛島正雄
定価 6,600円(税率10%時の消費税相当額を含む)
『在明の別』は平安最末期に成った王朝物語の傑作であるが、長らく散逸したものと見なされ、現存することが分かったのは戦後になってからである。藤原摂関家存亡の危機を救うため、春日の神の加護のもと人間界に降誕したヒロインが、たった一人で嫡男と姫君、男女二人分の役割を果たす奇跡の物語は、性の偽装をモチーフとする『とりかへばや』の流れを汲みつつも、さらに複雑精妙な物語世界を描き出す。しかし従来は、解釈困難な箇所の続出する「天下の孤本」を、十分な校訂が施されないまま読むほかなかった。本書では、そのように難解を...
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アーケイディア[新装版]

アーケイディア[新装版]

サー・フィリップ・シドニー/
礒部初枝・小塩トシ子・川井万里子・土岐知子・根岸愛子 共訳
定価 10,340円(税率10%時の消費税相当額を含む)
『ニュー・アーケイディア』(初版1590年)は、シドニーが女王への愛国的忠誠心からアランソン公との結婚に反対して女王の逆鱗にふれて宮廷から追放され、妹宅に蟄居中、不遇の憂さ晴らしに書き始められた遊びであったが、皮肉にも彼の代表作にして英国ルネッサンス・パストラルロマンスの最高峰として結実したのは幸福な歴史的逆説の一例であった。権力闘争に明け暮れる宮廷の醜い現実を熟知した廷臣詩人シドニーだからこそ、現実にはあり得ない夢の牧歌的理想郷(アーケイディア)を想定し、想像力の翼を思い切り羽ばたかせて飛翔す...
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賦霊の自然哲学

賦霊の自然哲学

福元圭太
定価 9,680円(税率10%時の消費税相当額を含む)
物理学者フェヒナー、進化生物学者ヘッケル、そして発生生物学者ドリーシュ。本書はこれら実証主義的自然科学者としての出自を持つ3名が、「ネオ・ロマン主義的自然哲学者」へと変貌していく消息を追うものである。 自然科学は、ガリレオ・ガリレイに端を発する世界の数学的・数量的把握へと帰着する。フェヒナー、ヘッケル、ドリーシュはしかし、この数学的自然科学から出発しながら、世界の質を問う自然哲学へと移行する。フェヒナーは「植物の魂」の生活を語り、精神物理学から「物質に宿る魂」を導出、魂の存在とその不死を説く。ヘ...
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