「空間」のエリザベス朝演劇 劇作家たちの初期近代

著者名
川井万里子
価格
定価 5,720円(税率10%時の消費税相当額を含む)
ISBN
978-4-7985-0090-4
仕様
A5判 上製 466頁 C3098
発行年
2013年6月
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内容紹介

中世後期から近代初期へと移り変わる転換期の社会の諸相をダイナミックに描いたエリザベス朝演劇。本書では「空間」と人との関係に注目して,エリザベス朝演劇の代表的諸作品  『フェヴァシャムのアーデン』『優しさで殺された女』『錬金術師』『靴屋の祭日』『リア王』『シンベリン』『復讐者の悲劇』『ビュッシイ・ダンボア』『白悪魔』『チェンジリング』など  における私室,地域社会,都市,国家,宇宙,そして人間の内的空間まで,初期近代の激動期を生きるひとびとの空間認識の深まりを読み解く。

目次

 はじめに
 
    第1部 土地・屋敷への執着
 
第1章 ジャンルとしての家庭悲劇
 
第2章 『フェヴァシャムのアーデン』  修道院領地とアーデン
 
第3章 広間(ホール)の衰退  『優しさで殺された女』における田舎屋敷(カントリーハウス)
 
    第2部 劇場的都市ロンドン
 
第4章 ベン・ジョンソンとロンドン
 
第5章 ロンドンのオランダ人(1)  トマス・デッカー『靴屋の祭日』
 
第6章 ロンドンのオランダ人(2)  ジョン・マーストン『オランダ人娼婦』
 
    第3部 王国の運命  シェイクスピア
 
第7章 『リア王』の時代背景
 
第8章 『シンベリン』  「場所(プレイス)」の力学(ダイナミックス)
 
    第4部 マニエリスム演劇の空間構成
 
第9章 マニエリスムとしての『復讐者の悲劇』
 
第10章 緑陰から地下世界へ  ジョージ・チャップマン『ビュッシイ・ダンボア』
 
第11章 『白悪魔』における遠近法的技巧(パースペクティヴ・アート)
 
第12章 ビアトリスの城  トマス・ミドルトン『チェンジリング』
 
 おわりに
 主要参考文献
 索引

著者紹介

川井万里子(かわい まりこ)
1938年生まれ。東京女子大学卒業,東京都立大学大学院修士課程修了,東京経済大学名誉教授。
共著:『英米文学の女性』(南雲堂,1979),『エリザベス朝演劇』(英宝社,1991)。
単訳:ジョージ・チャップマン『みんな愚か者』(成美堂,1993),
    作者不詳『フェヴァシャムのアーデン』(成美堂,2004)。
共訳:サー・フィリップ・シドニー『アーケイディア』(九州大学出版会,1999),
    カール・J・ヘルトゲン『英国におけるエンブレムの伝統  ルネサンスの視覚文化の一面』(慶応義塾大学出版会,2005),
    キャサリン・ダンカン=ジョーンズ『廷臣詩人サー・フィリップ・シドニー』(九州大学出版会,2010)。

学術図書刊行助成

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