原子核構造論におけるボソン写像法

著者名
高田健次郎
価格
定価 3,960円(税率10%時の消費税相当額を含む)
ISBN
978-4-7985-0024-9
仕様
A5判 上製 140頁 C3042
発行年
2010年7月
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内容紹介

本書は原子核構造を解明する上で最も強力な方法の1つとして知られているボソン写像法,特にダイソン型写像法について,その基礎から応用までを平易に解説したものであり,原子核構造論の研究者のみならず,この分野の理論的研究を志す大学院生にも極めて有用な知識を与えるものである。生涯を原子核構造論の研究と物理学研究に捧げた著者永年の研究の集大成。

目次


 
第1章 原子核構造論とは
  1.1 原子核の構成要素とその基本的性質
  1.2 原子核構造の重要な2つの側面
  1.3 原子核構造論の重要な1つの課題
    1.3.1 統一模型(集団模型)
    1.3.2 原子核における相転移と遷移領域核
 
第2章 殻模型と集団模型
  2.1 jj 結合殻模型
    2.1.1 調和振動子波動関数
    2.1.2 スピン軌道スプリッティング
    2.1.3 1体ポテンシャルとエネルギー準位の具体例
    2.1.4 対相関
  2.2 配位混合
    2.2.1 第2量子化
    2.2.2 有効相互作用の全角運動量展開
    2.2.3 対相関力
    2.2.4 配位混合計算の実際
  2.3 集団運動
    2.3.1 球形液滴の表面振動,フォノン
    2.3.2 4重極変形核の集団運動
    2.3.3 Bohr-Mottelsonの集団模型
      (a) 弱結合模型
      (b) 強結合模型
  2.4 集団運動の微視的理論
    2.4.1 Hartree-Fock法と殻模型
    2.4.2 時間依存Hartree-Fock法と集団運動
    2.4.3 乱雑位相近似(RPA),フォノン
    2.4.4 RPA方程式の性質
    2.4.5 Tamm-Dancoff 近似,new-Tamm-Dancoff 近似
 
第3章 ボソン写像法の一般論
  3.1 SU(2)模型とそのボソン写像
    3.1.1 2準位SU(2)殻模型
      (a) SU(2)模型のHolstein-Primakoff 型ボソン写像
      (b) SU(2)模型のDyson型ボソン写像
      (c) SU(2)模型のボソン写像法における非物理的状態
  3.2 ボソン写像法の一般論
    3.2.1 全殻模型空間とイデアル・ボソン空間
    3.2.2 物理的部分空間への射影演算子
    3.2.3 Holstein-Primakoff 型ボソン写像
    3.2.4 Dyson型ボソン写像
    3.2.5 HP型とD型ボソン写像法の優劣
    3.2.6 ボソン空間におけるSchrödinger方程式
 
第4章 多フォノン部分空間とDyson型ボソン写像法
  4.1 集団的部分空間のボソン写像法
    4.1.1 フェルミオン対演算子と対応するボソン演算子
    4.1.2 集団的部分空間(CFS とCBS)
      (a) CBS: 集団的ボソン部分空間
      (b) CFS: 集団的フェルミオン部分空間
    4.1.3 CFSからCBSへのボソン写像法
    4.1.4 閉じた代数近似
    4.1.5 Dyson(D)型ボソン演算子
 
第5章 軽い核の殻模型計算とDyson型ボソン写像法の実際
  5.1 定式化
    5.1.1 ハミルトニアンとTamm-Dancoff フォノン演算子
    5.1.2 集団的ハミルトニアンと非集団的ハミルトニアン
    5.1.3 集団的ボソン切断近似
  5.2 Dyson型ボソン写像法の殻模型計算への応用
    5.2.1 空間切断の方法としてのDyson型ボソン写像法
      (a) 集団的ボソンの選択
      (b) 固有値問題の解法
      (c) sd殻核の実際(22Ne,24Mg)
      (d) 非集団的フォノン自由度とのカップリング効果
    5.2.2 現象論的方法としてのDyson型ボソン写像法
      (a) 集団的ボソンの選択,空間の次元数
 
第6章 準粒子表示でのDyson型ボソン写像法の実際
  6.1 準粒子表示でのDBMの定式化
    6.1.1 準粒子とBogoliubov変換
    6.1.2 準粒子表示におけるDysonボソン・ハミルトニアン
  6.2 準粒子表示Dyson型ボソン写像法の現実的原子核への適用
    6.2.1 準粒子表示DBMのプログラムについて
    6.2.2 固有値問題の解法について
    6.2.3 偽の要素の除去
    6.2.4 一例としての現実的原子核Pdの結果
 
索引
 
あとがきにかえて

著者紹介

高田健次郎(たかだ けんじろう)
1958年,京都大学理学部物理学科卒業。1963年,同大学院理学研究科修了,理学博士。
大阪市立大学原子力調査研究室を経て,
1967年,九州大学理学部助教授,1989年,同教授,1999年,同名誉教授。
2009年,逝去。
著書に『わかりやすい量子力学入門  原子の世界の謎を解く』(丸善),『原子核構造論』(朝倉書店,共著)ほか。

学術図書刊行助成

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