人口減少・高齢化と生活環境[新装版]山間地域とソーシャル・キャピタルの事例に学ぶ

著者名
堤 研二
価格
定価 3,800 円 (税別)
ISBN
978-4-7985-0166-6
仕様
A5判 並製 316頁 C3036
発行年
2015年9月
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内容紹介

日本各地の山間地域の実地調査により過疎地域の状況と地域の生活機能が衰退していく過程を分析するとともに,ニュータウンの衰退に見られるように大都市近郊でも確実に進行している人口減少・高齢化の問題を検討する。そしてこれら諸問題の解決の糸口としての「社会関係資本(ソーシャル・キャピタル)」の可能性を考察する。地方創生論のさきがけ,新装版で登場。

目次

はしがき
 
新装版に際して
 
第1章 序論:山間地域研究の軌跡と本書の視座
 
  第1節 過疎の概要と過疎研究の問題点
  第2節 山間地域研究・山村研究の軌跡
  第3節 本書の視座と構成
 
   第I部 過疎問題の概要と人口流出の実態
 
第2章 地域問題としての過疎とその実態
 
  第1節 社会変動・近代化と過疎問題
  第2節 農村人口の変動
  第3節 過疎の定義
  第4節 過疎地域における地域機能の衰退・損失:regional deprivation
  第5節 過疎法による「過疎」の要件と過疎指定地域
  第6節 過疎の地域的特性と類型
  第7節 日本における過疎・過密問題と人口移動
  第8節 2000年国勢調査速報値データによる過疎の実態
  第9節 おわりに:人口変動と過疎
 
第3章 過疎山村・大分県上津江村からの人口移動の分析
 
  第1節 はじめに
  第2節 人口移動研究上の視点と本章の課題
  第3節 上津江村からの転出者の特性と移動の空間的パターン
  第4節 転出者の特性と移動の意志決定
  第5節 過疎集落の変貌:上津江村K集落の場合
  第6節 おわりに
 
   第II部 山間過疎地域における生活環境の実態とITによる地域生活機能の支援
 
第4章 島根県過疎集落における地域生活機能
 
  第1節 過疎地域における生活機能に関する分析視点
  第2節 島根県の過疎地域
  第3節 調査の目的と方法
  第4節 回答者の属性と職業
  第5節 生活機能・生活環境の評価と生活圏
  第6節 過疎集落における生活機能研究の課題
 
第5章 地域生活機能とITによる支援
 
  第1節 はじめに
  第2節 ITと地域生活
  第3節 地域へのITネットワーク技術の応用(大規模事例)
  第4節 地域調査結果
  第5節 結 論
 
   第III部 ソーシャル・キャピタルとコミュニティの生活環境・地域生活機能
 
第6章 ソーシャル・キャピタルと農山村地域の生活環境
 
  第1節 ソーシャル・キャピタルとは何か
  第2節 ソーシャル・キャピタル研究の問題点
  第3節 ソーシャル・キャピタルと農村社会研究
  第4節 ソーシャル・キャピタル研究におけるミクロ−マクロ問題
  第5節 人口減少地域の集落における生活維持活動とソーシャル・キャピタル
 
第7章 ダム建設による水没集落の再編成
       島根県雲南市木次町槻之屋集落の事例  
 
  第1節 はじめに
  第2節 エージェントと社会的紐帯
  第3節 尾原ダムの概要と地元の動き
  第4節 槻之屋集落における取り組みの概要
  第5節 槻之屋集落における取り組みの意義と社会的紐帯,ソーシャル・キャピタル
 
 
第8章 同郷団体による都市農村交流コミュニティの形成
       近畿地方在住者によるNPO法人「ふるさと力」の活動と徳島県三好地方の事例  
 
  第1節 はじめに
  第2節 NPO法人「ふるさと力」の成立経緯と住宅地建設活動の概要
  第3節 「ふるさと力」と「三好タウン愉流里」の活動・機能の意義
  第4節 おわりに
 
第9章 千里ニュータウンにおける市民活動とソーシャル・キャピタル
 
  第1節 はじめに:本章のねらい
  第2節 千里ニュータウンの歴史と概要
  第3節 高齢化と住居・建造環境の老朽化
  第4節 その他の機能およびアメニティの衰退
  第5節 千里ニュータウンの中のコンフリクト
  第6節 千里ニュータウンの中のソーシャル・キャピタルと市民の力
  第7節 タウン・リニューアルおよび都市の社会的スプロール
  第8節 結語:再実験都市としての千里ニュータウン
 
第10章 結論:山間地域とソーシャル・キャピタルの事例から学ぶこと
 
  第1節 本書の論点の整理
  第2節 今後の課題と展望
 
参考文献類
 
あとがき
 
索引


      図表類目次
 
〈図〉
図2-1 市部・郡部別人口の推移
図2-2 高齢者人口比率の推移(1975〜2005年分)(2005年分は予測値)
図2-3 過疎地域の分布(2000年4月指定分)
図2-4 農家人口率(1960年)
図2-5 農家人口率(2000年)
図2-6 農家人口減少率(1960〜2000年)
図2-7 農業就業者比率の推移(1950〜1995年)
図2-8 過疎地域の地方別人口増減率の推移(1960〜2000年,5年毎)
図2-9 産炭地域62市町村の人口変化(1950〜2000年,5年毎)
図2-10 過疎地域人口の地方別構成比率(2000年)
図2-11 都道府県別過疎地域人口の比率(2000年)
図2-12 過疎地域の人口増減率(1960〜2000年,5年毎)
図2-13 地方別人口増減率--全体と過疎地域(1995〜2000年)
図2-14 過疎地域世帯の都道府県別増減率(1995〜2000年)
図3-1 大分県日田郡上津江村の位置
図3-2 上津江村の人口と世帯数の変化(1955〜1980年)
図3-3 2資料に見る上津江村からの転出者数の推移
図3-4 年齢別・性別に見た転出者数,転出形態および転出回数(1960〜1984年)
図3-5 世帯内属性別に見た転出状況(1960〜1984年)
図3-6 年齢別・性別に見た移動距離の制約
図3-7 転出者の行き先別分布(1960〜1984年)
図3-8 上津江村からの移動者の転出パターン(モデル図)
図3-9 K集落における農家戸数の変遷
図3-10 K集落における農家人口の変遷
図3-11 K集落における経営耕地面積の変遷
図4-1 RuppertとSchafferらによる社会地理学的空間システムの捉え方
図4-2 生活構造の構成要素
図4-3 島根県の過疎地域の分布(1992年現在)
図4-4 島根県における過疎現象の進行
図4-5 調査対象集落の位置
図4-6 回答者の居住地(居住集落)
図4-7 回答者の年齢(10歳区切り)
図4-8 回答者の性別
図4-9 現町村での居住経験
図4-10 居住経験(これまで最も長く住んだ場所)
図4-11 回答者の主たる職業
図4-12 回答者の副次的な職業
図4-13 主たる家計支持者の職業
図4-14 回答者の世帯での農業経営
図4-15 営農の程度
図4-16 後継者の有無(農業・自営業)
図4-17 自然環境の恵みはよいか
図4-18 環境の安全性はよいか
図4-19 医療施設の整備状況はよいか
図4-20 買い物の便はよいか
図4-21 住まいの快適さはよいか
図4-22 職場の快適さはよいか
図4-23 教育環境はよいか
図4-24 趣味・運動の場の整備状況はよいか
図4-25 地域全体のまとまりはよいか
図4-26 相互扶助の状況はよいか
図4-27 交通の便はよいか
図4-28 住宅の種別
図4-29 重要性について第1位に挙げられた生活機能・生活環境項目
図4-30 重要性について第2位に挙げられた生活機能・生活環境項目
図4-31 重要性について第3位に挙げられた生活機能・生活環境項目
図4-32 住民から見た各々の生活機能・生活環境項目の重要度(加重得点による)
図4-33 回答者の生活機能・生活環境についての全般的評価
図4-34 贈答品の買い物(購買):行き先
図4-35 大型電化製品の買い物(購買):行き先
図4-36 贈答品の買い物(購買):移動手段
図4-37 大型電化製品の買い物(購買):移動手段
図4-38 かかりつけの病院:行き先
図4-39 大病・大ケガの時にかかる病院:行き先
図4-40 かかりつけの病院:移動手段
図4-41 大病・大ケガの時にかかる病院:移動手段
図4-42 主な家計支持者の通勤:行き先
図4-43 主な家計支持者の通勤:移動手段
図4-44 高校生以上の者(1名)の通学:行き先
図4-45 高校生以上の者(1名)の通学:移動手段
図5-1 調査対象地域などの位置図(日本分)
図5-2 言及地域の位置図(スウェーデン分)
図5-3 ふくおかギガビットハイウェイ(FGH)構想の目標(概念図)
図5-4 緊急通報システム(福岡県大牟田市)
図6-1 活動を始めた理由
図6-2 主な活動内容
図6-3 活動内容(複数項目選択)
図6-4 活動を開始した年
図6-5 活動対象の範囲
図6-6 活動の支援機関
図7-1 槻之屋集落の位置概略
図7-2 槻之屋集落の年齢別人口(2001年)
図7-3 槻之屋における集落総戸数と非農家戸数の推移
図7-4 槻之屋における農家戸数の推移
図7-5 槻之屋における農家人口の推移
図7-6 槻之屋の農家人口における高齢者比率の推移
図8-1 関係地域の位置
図9-1 千里ニュータウンの位置(1)
図9-2 千里ニュータウンの位置(2)
図9-3 SNTの12ゾーン
図9-4 SNTおよび大阪府の年齢別人口比率(2001年)
図9-5 SNTの人口の変化
図10-1 集落における生活機能維持・活性化の重要構成要素
図10-2 ソーシャル・キャピタルの諸形態
図10-3 スケールとソーシャル・キャピタルの連結
 
〈表〉
表2-1 過疎地域の占める比率(2000年時点)
表2-2 延長過疎法による過疎地域の占める比率
表2-3 過疎人口比率20%以上の県(2000年)
表2-4 過疎地域の都道府県別人口増減率(減少上位・下位各5都道府県,1995〜2000年)
表2-5 過疎地域の市町村別人口増減率(減少上位10市町村,1995〜2000年)
表2-6 過疎地域の都道府県別男女比(下位5都道府県,2000年)
表3-1 本籍地別に見た転出形態と平均転出回数(1960〜1984年)
表3-2 移動距離別転出者数(1960〜1984年)
表3-3 調査対象者の男女別年齢と挙家離村者
表3-4 調査対象者の年齢別・性別移動理由
表3-5 調査対象者の行き先都道府県別移動理由
表3-6 調査対象者の転出前後の職業(業種)
表3-7 調査対象者の男女別学歴構成
表3-8 調査対象者中の複数回転出者の移動理由に見る転出のパターン
第3-9 調査対象者の転出に際して最も強く作用したチェーン(つて)またはチャネル
表3-10 K集落の通婚圏(婚入元)
表3-11 K集落における業種別就労日数の構成比
表3-12 在住地別村外居住山林所有林家数(1967年)
表3-13 K集落の世帯別土地所有(1981年現在)
表4-1 島根県内過疎地域38町村の地域指定区分表
表4-2 調査対象集落に関するデータ
表4-3 調査結果の回収に関するデータ
表4-4 年齢別(3ランク)・性別の回答者数
表6-1 農村家族の機能
表6-2 農村の社会集団
表6-3 村落社会構造の二類型
表6-4 都道府県別活動事例数
表6-5 キーとなる用語の説明と活動内容の分類
表7-1 槻之屋における総戸数・農家戸数・農家人口の増減率
表8-1 「ふるさと力」の事業内容
表8-2 交付金充当部分による「三好タウン愉流里」の整備事業内容
表8-3 「三好タウン愉流里」の分譲住宅地の概要
表9-1 犯罪発生率(1999年)
表10-1 ソーシャル・キャピタルの重要な要素
 
〈写真〉
写真5-1 房総半島の菜の花畑
写真5-2 隠岐の地形の一風景
写真5-3 島根県隠岐支庁(隠岐郡隠岐の島町西郷)
写真5-4 移民記録調査センター(トシュビュー)
写真5-5 マッティラの集落
写真5-6 マッティラのコテージ
写真7-1 槻之屋神楽
写真7-2 「伝習館」の外観
写真7-3 「槻之屋ふれあい館」の外観
写真7-4 「槻之屋ふれあい館」内部の囲炉裏部屋
写真8-1 「三好タウン愉流里」の外観
写真8-2 「三好タウン愉流里」の開設記念式典
写真8-3 「三好タウン愉流里」の「積み木工法」による木造住宅の建設
写真8-4 徳島県産のスギ材
写真8-5 「積み木」ブロックの製作
写真8-6 重機による伐採現場
写真9-1 SNTの中心,千里中央地区(1)
写真9-2 SNTの中心,千里中央地区(2)
写真9-3 SNTのバリア・フリー化の進まない環境と高齢者
写真9-4 近隣センター(新千里東町)
写真9-5 SNTにおけるマンションの建設現場
写真9-6 SNTにおけるマンション建設反対運動の横断幕
写真9-7 SNTの中核部分の再開発工事現場
写真9-8 上新田地区内のスプロール状況

著者紹介

堤 研二(つつみ けんじ)
 
1960年3月,福岡県大牟田市生まれ。
1986年3月,九州大学大学院文学研究科修士課程修了。博士(文学)。
国立佐世保工業高等専門学校・島根大学法文学部勤務を経て,現在,
大阪大学大学院文学研究科人文地理学講座および共生文明論講座教授(兼務)。
専門は社会経済地理学。主たる調査フィールドは,山村,炭鉱閉山地域,
ニュータウンなど。地域社会変動の理論的研究にも関心を寄せている。

学術図書刊行助成

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