道化師ツァラトゥストラの黙示録

著者名
細川亮一
価格
定価 6,200 円 (税別)
ISBN
978-4-7985-0021-8
仕様
A5判 上製 292頁 C3010
発行年
2010年6月
その他
第1回 九州大学出版会・学術図書刊行助成 対象作
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内容紹介

本書はニーチェ『ツァラトゥストラ』を「形象が織りなす一つの物語」として捉え,「道化師ツァラトゥストラの黙示録」という新しいツァラトゥストラ像を提示する。「新たな永遠性の道化師」と「ディオニュソスと同一視されたイエス(『ヨハネの黙示録』のイエス)」は,狂気でさえ消し去ることのできないほどニーチェの実存を支配していた。この実存の深みから「道化師ツァラトゥストラの黙示録」は構想された。本書を特徴づけるのは,「ニーチェの遺稿・草稿・書簡も踏まえたテキストの正確な解読」,「大胆なテーゼの提示による哲学的かつ文学的アプローチ」,そして「ナウマンからヤスパース,ハイデガー,ドゥルーズに至る解釈との対決」である。

目次

序章 道化師ツァラトゥストラの黙示録
 
    一 形象が織りなす一つの物語
    二 永遠回帰の思想の襲来
    三 ツァラトゥストラの物語
    四 ツァラトゥストラという名の由来と意味
    五 悲劇を超えて笑う高み
    六 Incipit parodia
 
第一章 道化師ツァラトゥストラ
 
  第一節 綱渡り師を跳び越える道化師
    一 ツァラトゥストラの敵対者としての道化師?
    二 道化師=超人としてのツァラトゥストラ
    三 人間は深淵にかけられた一本の綱である
    四 道化と死体の中間
    五 道化師 ─ 墓掘人 ─ 隠者
    六 新しい真理
    七 運命と笑い
  第二節 三つの変容
    一 最も重いものを求める駱駝
    二 駱駝から獅子へ      誠実さからの道徳の自己克服
    三 最も孤独な砂漠
    四 獅子が戦う竜と重さの霊
    五 ツァラトゥストラの変容(駱駝から獅子へ、獅子から子供へ)
    六 子供の世界
    七 子供と超人
  第三節 ツァラトゥストラの動物たち
    一 導き手としての鷲と蛇
    二 勇気は最高の殺害者である
    三 鷲の勇気
    四 黒い重い蛇
    五 成熟の徴としての獅子と鳩
    六 ツァラトゥストラの二つの課題
    七 我欲す
 
第二章 永遠回帰
 
  第四節 深淵から光の深淵へ
    一 山頂と深淵が一つになる
    二 小人との対決
    三 牧人をかむ黒い重い蛇
    四 牧人の笑い
    五 光の深淵
  第五節 永遠回帰の世界
    一 動物たちは何も知らない?
    二 悲劇としての『ツァラトゥストラ』?
    三 すべての物はそれ自身舞踏する
    四 動物たちの優位
    五 歌え、もはや語るな
    六 神のまわりですべてが世界となる
  第六節 永遠性
    一 二つの実存可能性
    二 永遠性は瞬間のうちにある
    三 永遠回帰と力への意志
    四 すべての快は永遠性を欲する
    五 永続性と永遠性
    六 深い真夜中が語る
    七 露がおりる
    八 真夜中は正午である
 
第三章 黙示録
 
  第七節 大いなる正午
    一 ツァラトゥストラの没落は始まった
    二 ツァラトゥストラの没落は終わる
    三 大いなる正午を祝う
    四 大いなる正午と大いなる日
    五 三部構成と四部構成
  第八節 三部構成としての『ツァラトゥストラ』
    一 第三部と『ヨハネの黙示録』
    二 第二の舞踏の歌
    三 七つの封印
    四 七つの封印を開ける者としての獅子
  第九節 四部構成としての『ツァラトゥストラ』
    一 第四部と『ヨハネの黙示録』
    二 酔歌
    三 イエス=ディオニュソスとしてのツァラトゥストラの黙示録
    四 鳩の群れを伴った笑う獅子
    五 暗い山から来る朝の太陽のように
 
    あとがき
 
    人名索引
 
    『ツァラトゥストラ』章名索引

著者紹介

細川亮一(ほそかわ りょういち)
1947年東京都に生まれる。1970年東京大学文学部卒業。1975年東京大学博士課程修了。
1984~1986年フンボルト奨学生としてドイツ留学。1995~1996年アメリカ合衆国留学。文学博士(東京大学)。
現在,九州大学大学院人文科学研究院教授。
著書:『意味・真理・場所』(創文社,1992年),『ハイデガー哲学の射程』(創文社,2000年),
『ハイデガー入門』(ちくま新書,2001年),『形而上学者ウィトゲンシュタイン』(筑摩書房,2002年),
『ヘーゲル現象学の理念』(創文社,2002年),『アインシュタイン物理学と形而上学』(創文社,2004年),
純化の思想家ルソー』(九州大学出版会,2007年)
訳書:『真理の本質について』(ハイデッガー全集 第34 巻,創文社,1995年)
編書:『幸福の薬を飲みますか』(ナカニシヤ出版,1996年)

学術図書刊行助成

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