総記・一般
子育ても、キャリア育ても
- 定価 2,200円(税率10%時の消費税相当額を含む)
少子高齢化がすすむ現代、子育てに孤立感をおぼえる母親の割合が7割に上ると報告されている。少子化に歯止めをかけるために「産めよ育てよ」と言われ、経済停滞を打破するために「女性の輝く社会を作るべく、女性も働きましょう」と言われ、現代日本の女性は多くを期待されている。出産育児とキャリア形成は両立できるのか、両立するためにはどのような準備が必要なのか。子育ての負担は個人のみが負うべきものなのか、社会も負担を分かち合うとすれば、どのような社会になっていかないといけないのか。本書は、2019年度より大阪大学...

地域のレジリエンスを高める環境科学
- 定価 2,200円(税率10%時の消費税相当額を含む)
私たちは、地球環境に負荷をかけ続けた結果として、気候変動等の環境変化による問題に直面しています。これらの問題は、昨今の異常気象や自然災害にみられる通り、突如として、私たちの生活や社会に深刻な影響をもたらします。先の状況に対応するためには、「逆境に強くある」社会をつくることが求められているといえます。 今、世界では、「逆境に強くある」社会に必要な資質として、レジリエンス(Resilience)が注目されています。レジリエンスとは、「弾力性(強靱さ)」「復元(回復)力」「適応性」等と定義される概念で...

モノから見た海域アジア史
- 定価 1,980円(税率10%時の消費税相当額を含む)
古来より国と国、地域と地域を分け隔て、結びつけた「海域」は人・モノ・文化の交流の舞台となってきた。その海域からアジア史を見ると、従来の枠組みからは見えなかった歴史が見えてくる。本書は中世の海域アジアを行き交った様々なモノ、石材・木材・陶磁器・貴金属を通じて考古学・日本史・東洋史を専門とする各研究者が日本とアジア、ユーラシアの交流の諸相を解説したものである。写真・図版多数収録。 (さらに…)

ドイツ映画史の基礎概念
- 定価 3,520円(税率10%時の消費税相当額を含む)
戦後のドイツ人は自身の〈ホーム〉を失ったディアスポラの民であり、人々は精神的故郷を求めてさまよい、さすらった。果たして現代のドイツ映画は〈ドイツ人のディアスポラ〉という戦後のビッグ・モチーフに対していかに応答したのだろうか? 21世紀以降のドイツ映画賞受賞作のうち、「移民」「ナチ」「東西ドイツ」を扱った諸作品を異文化理解の立場から紹介・解説する本書は、現代ドイツ映画史への格好の手引書であるといえよう。あらすじ、主題、メディア論的な意味を分析考察し、2000年代から2010年代にかけて生じた作品傾...

楽しむ初等数学
- 定価 2,200円(税率10%時の消費税相当額を含む)
「初等数学」とは「高校数学+α」の内容で楽しむ数学である。この理念のもとに筆者の初等数学研究は始まり、高校数学の教材研究や大学入試問題の研究など、興味の赴くままに様々な研究テーマに長年にわたり取り組んできた。本書はその研究の集大成であるが、「初等数学」に対する興味が高まり、研究のテーマや手がかりになるようなヒントが多数提供されるように編まれている。初等・中等教育における授業づくりや、大学入学の試験問題作成の題材としても大いに役立つものと思われる。第1部 数論 倍数の見分け方や、普通の電卓で累乗根...

若者言葉の研究
- 定価 3,300円(税率10%時の消費税相当額を含む)
生きている言語は常に変化し続けています。現代日本語も「生きている言語」であり、「変化」を続けていると考えられます。では、この「変化」とは何でしょうか。これまで現代日本語の若者言葉に見られる現象は「乱れている」と言われてきました。文化庁の「国語に関する世論調査(平成19年)」でも、「今の国語は乱れていると思うか」という問いに対し、「乱れていると思う」という回答は79.5%に上りました。 しかし、本当に若者言葉は「乱れ」ているのでしょうか。もしそうだとしたら、どのように「乱れ」ているのでしょうか。言...

犯罪の証明なき有罪判決
- 定価 3,520円(税率10%時の消費税相当額を含む)
冤罪はなぜ起こるのか。 刑事訴訟法は明文で、「犯罪の証明があった」ときにのみ、有罪判決において「刑の言渡し」ができ(刑訴法333条)、「犯罪の証明がないときは、判決で無罪の言渡しをしなければならない」(刑訴法336条)と規定する。しかし日本の刑事裁判実務では、裁判官の「自由心証主義」が過度に重視され、現行法上の有罪判決の前提である「犯罪の証明」が軽視されてきた。その結果、「裁判官の自由な判断」により誤った有罪判決を生み出す「暗黒裁判」が後を絶たない。 本書では、70数年に及ぶ現行憲法・刑事訴訟法...

夕闇の時代
- 定価 7,920円(税率10%時の消費税相当額を含む)
第一次大戦をヨーロッパ文明の衰亡の過程として受け止めた大部分のイギリス人は、戦争を勝利で終えたにも関わらず、不安と恐怖と黙示録的幻想をもちつづけ、危機の言説を形成した。終戦は新しい時代のはじまりというよりも、むしろもっと恐ろしい災禍へ向かう通過点として捉えられたのだった。災禍を未然に防ごうと、大規模な反戦運動が展開され、歴史学、経済学、心理学、生物学、遺伝学などの一連の科学者は戦争の原因を究明しようとした。トインビー、ホブソン、ケインズ、ウェブ夫妻、フロイト、ハクスリー兄弟、ウェルズら著名な知識...

古代ローマ人の都市管理
- 定価 1,980円(税率10%時の消費税相当額を含む)
古代ローマ人にとっては、都市そのものが国家であり、都市は彼らにとって投資の対象でもあった。彼らは都市を建設しただけでなく、資産として管理したのである。後1世紀のローマは人口100万人を擁する帝国の首都であり、人類史上かつてないほどの過密都市であった。一方、現在のナポリ湾に面するポンペイは、人口1万人余りの豊かで美しい地方都市であったが、後79年にウェスウィウス火山の噴火によって消滅する。このとき、首都ローマで巨大な円形闘技場、すなわちコロッセウムの建設が進む一方で、この地方都市は後62年の大地震...

古代ローマ人の危機管理
- 定価 1,980円(税率10%時の消費税相当額を含む)
「人類の歴史の中でもっとも平和な時代はいつか?」という問いに答えるのはとても難しい。時代だけでなく、場所も限定して考えなければならないが、前1世紀から後3世紀にかけて栄華を誇り、パクス・ロマーナと呼ばれる平和を実現した古代ローマ帝国は、その有力な候補と言えよう。本書では、その古代ローマ帝国の「平和な時代」を、「戦争のない時代」ではなく、「危機管理に成功した時代」であったと捉える。古代ローマの歴史家、ウェッレイウス・パテルクルスは、アウグストゥス帝が帝国の隅々までもたらした平和によって、人々は追い...
