人文科学 哲学・思想

古典インドの議論学

古典インドの議論学

須藤龍真
定価 6,930円(税率10%時の消費税相当額を含む)
中世インドの思想家たちによる自由闊達な議論はインド思想史の発展を促した。インドにおける議論学の歴史は古代ギリシャから続く西洋の議論学の歴史に匹敵する。連綿と続く議論の伝統を下支えしたのは、古くより議論学の体系を有するニヤーヤ学派や仏教徒に他ならない。本書は、インドの知的伝統のダイナミズムを議論学の側面から考察するものである。主資料として9〜10世紀にカシミールで活躍したニヤーヤ学派の学匠バッタジャヤンタによる哲学巨編『ニヤーヤマンジャリー(論理の花房)』を取り上げ、未だ翻訳研究すら存在しない「議...
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賦霊の自然哲学

賦霊の自然哲学

福元圭太
定価 9,680円(税率10%時の消費税相当額を含む)
物理学者フェヒナー、進化生物学者ヘッケル、そして発生生物学者ドリーシュ。本書はこれら実証主義的自然科学者としての出自を持つ3名が、「ネオ・ロマン主義的自然哲学者」へと変貌していく消息を追うものである。 自然科学は、ガリレオ・ガリレイに端を発する世界の数学的・数量的把握へと帰着する。フェヒナー、ヘッケル、ドリーシュはしかし、この数学的自然科学から出発しながら、世界の質を問う自然哲学へと移行する。フェヒナーは「植物の魂」の生活を語り、精神物理学から「物質に宿る魂」を導出、魂の存在とその不死を説く。ヘ...
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アリストテレスの知識論

アリストテレスの知識論

酒井健太朗
定価 4,950円(税率10%時の消費税相当額を含む)
古代ギリシアの哲学者アリストテレスの著作集には、「オルガノン(学問の道具)」と呼ばれる著作群が存在する。その1冊である『分析論後書』は、古来、アリストテレス哲学の方法論を提示する著作であるとみなされてきた。しかし、この書で展開される方法論については、『自然学』や『形而上学』を代表とする彼の他の著作において明示的に使用されていないという問題点がしばしば指摘される。この批判が正しいものであった場合、アリストテレス哲学における『分析論後書』の布置が見失われてしまうのではないか。本書は、『分析論後書』が...
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『葉隠』の研究

『葉隠』の研究

種村完司
定価 3,080円(税率10%時の消費税相当額を含む)
武士道の名著といわれる『葉隠』は、戦国武士の精神をもちつつ徳川太平の世を生きぬかざるをえなかった、側奉公侍の苦悩と悲哀を表現した歴史的文書であった。本書は、『葉隠』の著者山本常朝が、新しく再設定された人生目的のもとで、時代に即応した武士道と奉公人道をどのように構想し実践したかを、さまざまな側面から解き明かすものである。 第一章から第六章では、山本常朝・田代陣基の記述に即した著者自身による『葉隠』の思想的分析・解釈が示される。「死の覚悟」や「死狂い」の主旨と特異性、主君への滅私奉公を軸とする献身道...
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物にして言葉

物にして言葉

望月俊孝
定価 8,140円(税率10%時の消費税相当額を含む)
〈経験的実在論にして超越論的観念論、超越論的観念論にして経験的実在論〉。 カント理性批判の思索は、この世界反転光学の不断往還のうちに生起する。そして世界直観二局面(アスペクト)間の「にして」の反転が往相から還相へ折り返す刹那、あの中央読点の深層に広がる縹緲たる無の場所で、〈物にして言葉、言葉にして物〉という隠れた主題が新たに浮上する。ゆえに第一批判は、たんに認識論であるのみならず、つねに同時に存在論であり言語論である。そして三批判書は、われわれ人間が住まう「経験の可能性」の大地に「あるもの」と「...
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知覚・言語・存在

知覚・言語・存在

円谷裕二
定価 5,940円(税率10%時の消費税相当額を含む)
20世紀フランスの代表的哲学者メルロ=ポンティは、世界とは何か、自己やその生とは何か、あるいは世界と自己の原初的で根源的な関係はどのようになっているのかなど、古代ギリシア以来現在に至るまで侃々諤々の議論が絶えない哲学の根本諸問題に対して、透徹した洞察力と事象そのものに促された両義性という両立しがたい観点から他に類を見ない一貫した表現力によって接近している。本書は、存在、知覚、身体、言語、歴史、芸術、倫理などのテーマを手がかりに、彼の哲学との対話と対決の中から紡ぎ出されたものであり、テーマの多様性...
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ヤン・パトチカのコメニウス研究

ヤン・パトチカのコメニウス研究

相馬伸一 編訳,宮坂和男・矢田部順二 共訳
定価 4,840円(税率10%時の消費税相当額を含む)
パトチカは,フッサールやハイデガーに学んだチェコ20世紀を代表する哲学者として知られるが,激動のチェコ20世紀に三度大学を追われ,最後は官憲の取り調べのなかで死去した。彼は現象学や歴史哲学の研究で知られるが,彼の祖国が生んだ17世紀の教育思想家コメニウスの研究にも多くの業績を残した。コメニウスを近代教育の先駆者として位置づける啓蒙主義的な解釈も歴史的な断絶を強調する実証主義的な解釈も批判する彼の方法論は,思想史研究のひとつの範型といえる。同時に彼は,過去の思想が現在に語りかけてくることの意味を考...
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Eugenics in Japan (日本の優生学)

Eugenics in Japan (日本の優生学)

カレン・J・シャフナー 編著
定価 3,080円(税率10%時の消費税相当額を含む)
優生学は近代生物学の生成過程で誕生し,不幸にもナチス・ドイツに利用され,一つの極端な形で現実化する。我が国においても,明治維新以来,富 国強兵に役立つ欧米の近代科学や思想が導入され,独自の優生政策として結実した。ハンセン病患者隔離政策はその一例であり,1990年代に至るまで法的強 制力をもって実施されてきた。本書は,我が国における優生学思想の沿革と政策化の過程を欧米各国のそれと比較しながら解明するものである。 日本人読者にも分かりやすい平易な英文で叙述されているほか,重要項目(人名・文献名・法案...
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継承されるキリスト教教育

継承されるキリスト教教育

塩野和夫
定価 4,840円(税率10%時の消費税相当額を含む)
西南学院史における教育者群像の分析,波多野培根から村上寅次への教育精神の継承,そして現在の教育現場の描写を軸にしてキリスト教教育の歴史を繙く。西南学院百年の歴史を底流から照らし出した必携の書。 (さらに…)
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始めから考える

始めから考える

菊地惠善
定価 5,280円(税率10%時の消費税相当額を含む)
20世紀を代表する哲学者ハイデッガーは、終生「存在」を考えたと言われる。しかし何事も、有名であるからと言って、それがよく理解されているとは限らない。ハイデッガー哲学の主題である「存在」も、そういうものの一つである。一般人は「存在」など分かり切ったことだと思っているし、哲学研究者は、有名なハイデッガーが言っているのだから、「存在」はきっと重要な問題に違いないと信じている。いずれの場合も、「存在」がどういう問題なのかは、ハイデッガーの努力に反して、ハイデッガーの登場後も、容易に見逃されてしまうのであ...
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学術図書刊行助成

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