人文科学

古代ローマ人の危機管理

古代ローマ人の危機管理

堀 賀貴 編
定価 1,800円(税別)
「人類の歴史の中でもっとも平和な時代はいつか?」という問いに答えるのはとても難しい。時代だけでなく、場所も限定して考えなければならないが、前1世紀から後3世紀にかけて栄華を誇り、パクス・ロマーナと呼ばれる平和を実現した古代ローマ帝国は、その有力な候補と言えよう。本書では、その古代ローマ帝国の「平和な時代」を、「戦争のない時代」ではなく、「危機管理に成功した時代」であったと捉える。古代ローマの歴史家、ウェッレイウス・パテルクルスは、アウグストゥス帝が帝国の隅々までもたらした平和によって、人々は追い...
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中国語の「主題」とその統語的基盤

中国語の「主題」とその統語的基盤

陳 陸琴
定価 5,400円(税別)
本書は、「主題」にまつわる語用論的側面と、その解釈の基盤となる統語論的側面を峻別し、統語論においてPredication関係という統語関係を仮定することにより、中国語の「主題」をめぐる様々な現象の説明を試みるものである。 中国語は、しばしば主題優性言語(topic-prominent language)であると言われる。これは、文頭に「主題」が出てくることが多いからであり、中国語の統語論の研究においても、「主題」という概念が言及されることは少なくないが、実は、この「主題」の定義ははっきりと決まっ...
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開戦前夜の日中学術交流

開戦前夜の日中学術交流

稲森雅子
定価 5,400円(税別)
1920-30年、中国文学の若手研究者(中国学第二世代)が続々と北京へ留学した。当時、北京は忘れられた「古都」となっていたが、なお北京大学や清華大学など数多くの大学があり、学術研究の面では依然として中心地であった。その北京で、日本と中国の中国学研究者たちは、さかんに交流していた。しかし、このいわゆる「日中戦争前夜」の数年間の学術交流の実態は、これまで意識的あるいは無意識のうちに見過ごされてきた。本書は、近年偶然に発見された当時の資料等をもとに、北京において繰り広げられていた学術交流の具体的なあり...
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在明の別 残月抄

在明の別 残月抄

辛島正雄
定価 6,000円(税別)
『在明の別』は平安最末期に成った王朝物語の傑作であるが、長らく散逸したものと見なされ、現存することが分かったのは戦後になってからである。藤原摂関家存亡の危機を救うため、春日の神の加護のもと人間界に降誕したヒロインが、たった一人で嫡男と姫君、男女二人分の役割を果たす奇跡の物語は、性の偽装をモチーフとする『とりかへばや』の流れを汲みつつも、さらに複雑精妙な物語世界を描き出す。しかし従来は、解釈困難な箇所の続出する「天下の孤本」を、十分な校訂が施されないまま読むほかなかった。本書では、そのように難解を...
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アーケイディア[新装版]

アーケイディア[新装版]

サー・フィリップ・シドニー/
礒部初枝・小塩トシ子・川井万里子・土岐知子・根岸愛子 共訳
定価 9,400円(税別)
『ニュー・アーケイディア』(初版1590年)は、シドニーが女王への愛国的忠誠心からアランソン公との結婚に反対して女王の逆鱗にふれて宮廷から追放され、妹宅に蟄居中、不遇の憂さ晴らしに書き始められた遊びであったが、皮肉にも彼の代表作にして英国ルネッサンス・パストラルロマンスの最高峰として結実したのは幸福な歴史的逆説の一例であった。権力闘争に明け暮れる宮廷の醜い現実を熟知した廷臣詩人シドニーだからこそ、現実にはあり得ない夢の牧歌的理想郷(アーケイディア)を想定し、想像力の翼を思い切り羽ばたかせて飛翔す...
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世界遺産 キリシタンの里

世界遺産 キリシタンの里

本馬貞夫
定価 1,800円(税別)
本書は「長崎県長崎学アドバイザー」である著者が長崎・天草の潜伏キリシタンの里を訪ね、史料をもとにその魅力と知られざる歴史を分かりやすく解説する、世界文化遺産「長崎と天草の潜伏キリシタン関連遺産」初の網羅的入門書です。縦軸としてキリスト教伝来から繁栄、禁教・弾圧、潜伏、復活の歴史を述べるとともに、横軸として長崎、浦上、平戸、外海(そとめ)、五島列島など現地をたずね、著者が直接学んだことを中心に展開しています。それぞれの地域の研究者から受けた教えはもちろん、住民の皆さんとの交流も大変貴重なもので、そ...
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賦霊の自然哲学

賦霊の自然哲学

福元圭太
定価 8,800円(税別)
物理学者フェヒナー、進化生物学者ヘッケル、そして発生生物学者ドリーシュ。本書はこれら実証主義的自然科学者としての出自を持つ3名が、「ネオ・ロマン主義的自然哲学者」へと変貌していく消息を追うものである。自然科学は、ガリレオ・ガリレイに端を発する世界の数学的・数量的把握へと帰着する。フェヒナー、ヘッケル、ドリーシュはしかし、この数学的自然科学から出発しながら、世界の質を問う自然哲学へと移行する。フェヒナーは「植物の魂」の生活を語り、精神物理学から「物質に宿る魂」を導出、魂の存在とその不死を説く。ヘッ...
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Phase and Ellipsis

Phase and Ellipsis

髙木留美
定価 6,800円(税別)
本書は、生成文法理論の極小主義プログラムに基づき、省略現象が統語的に認可される統一的なメカニズムを提唱するものである。提案するメカニズムでは、Chomsky (2007, 2008) の素性継承理論に従ってE素性 (Merchant (2001)) が選択的に継承されることにより、(i)フェイズ主要部の補部が省略されるタイプと、(ii)フェイズ全体が省略されるタイプ(非フェイズ主要部の補部の省略)の両タイプの説明の可能性を探る。これをもとに、「なぜ主要部の補部のみが省略可能なのか」という事実につ...
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帝国陸海軍の戦後史

帝国陸海軍の戦後史

山縣大樹
定価 4,000円(税別)
近代日本のなかで主要な政治勢力の一翼を担った帝国陸海軍は、太平洋戦争の敗戦とともに「解体」を余儀なくされ、政治・社会の表舞台から姿を消した。しかし、このことは旧軍の政治的・社会的な一掃を意味せず、対日占領を挟む戦後史のなかで、一部の組織や制度は「再編」されて存続した。こうした過程を〈帝国陸海軍の戦後史〉としてとらえた場合、旧軍エリート(概ね終戦時に佐官級以上であった職業軍人)の政治的な言動は、どのように位置付けることができるのであろうか。本書では、かかる問いに対して、三つの視点   ? GHQの...
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スペイン市民戦争とアジア

スペイン市民戦争とアジア

石川捷治・中村尚樹
定価 1800円(税別)

1936年に勃発したスペイン市民戦争は、1930年代の歴史的分岐点になったというだけでなく、世界の今を解くカギを秘めた出来事であった。市民が人間の尊厳と自由を守るために立ち上がる大義がそこには存在した。

「反ファシズム」の旗印のもと、アジア各国を含む世界55ヶ国から集まった多種多様な義勇兵の存在を通じて、スペイン市民戦争における闘いの今日的意義を検証する。

*本書は「九大アジア叢書」第6巻として2006年に刊行したものを、このたび創刊するKUP選書に再録し、新装版として刊行するものです。

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