社会科学 法律・政治

帝国法制秩序と樺太先住民

帝国法制秩序と樺太先住民

加藤絢子
定価 4,180円(税率10%時の消費税相当額を含む)
19世紀半ば以降、日本とロシアはサハリン島に進出し、以後同島は両国の国境地域となった。近世末の日露雑居期から第二次大戦までに起きた度重なる国境変動は、アイヌ、ウイルタ、ニヴフ、エヴェンキなど現地先住民の生活に大きな影響を与えた。 日本の主な支配地域であったサハリン南部(「樺太」)の先住民は、その少数性などから日本の植民地政策上さほど重要視されておらず、台湾や朝鮮のような植民地統治に対する激しい抵抗もみられなかった。また、第二次大戦後、台湾や朝鮮の民族籍を持つ者は平和条約発効とともに日本国籍を喪失...
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非占有動産担保の競合

非占有動産担保の競合

清水裕一郎
定価 3,960円(税率10%時の消費税相当額を含む)
現在の取引社会では、動産先取特権、譲渡担保、所有権留保といった非占有動産担保が多用されているが、これらの非占有動産担保が同一の動産上に複数競合した場合には、各担保権者の優劣を決定することが求められる。本書は、非占有動産担保の競合のうち、これまでに最高裁が判示している3つの競合類型(複数の譲渡担保の競合、譲渡担保と動産先取特権の競合、所有権留保と譲渡担保の競合)における法律関係につき、ドイツ法との比較法的考察を通して解明することを試みるものである。著者が平成28年度に提出した博士学位請求論文に加筆...
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和解論

和解論

遠藤 歩
定価 6,600円(税率10%時の消費税相当額を含む)
「日本民法典の父」と呼ばれる梅謙次郎(1860-1910)が、若き日にフランス・リヨン大学に提出した博士論文は、和解論であった。梅の和解論がかの地で高い評価を受けたことは夙に知られているが、その内容については必ずしも十分な研究が行われてこなかった。そのため、梅の博士論文と明治民法の和解に関する規定の連続性が正確には理解されず、その結果、現代日本の和解論には、数多の誤解、欠落、混乱が生ずるようになった。そこで本書は、まず梅が和解論で扱ったテーマ、すなわち和解の定義、性質、能力、権限、目的物、効力、...
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近世民事責任法の研究

近世民事責任法の研究

金田平一郎 著/和仁かや 監修
定価 6,820円(税率10%時の消費税相当額を含む)
日本近世法制史学の礎を築いた故金田平一郎氏(九州帝国大学法文学部/法学部教授)の学位論文が、七十年の時を経て遂に上梓される。徳川幕府法上における民事責任の体系的研究の試みとして、当時の法制度が債権の担保に如何なる姿勢を示していたかを様々な角度から考察し、前近代日本における債権法制度、ひいては民事責任の全体像を緻密かつ明晰に描出する。幕府法のみならず著者が通暁していた大坂法、そして九州地域との比較も視野に入れた集大成的な研究成果でありながら、未公刊かつ学界関係者の間でも長らく存在自体知られて来なか...
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近代中華民国法制の構築

近代中華民国法制の構築

西 英昭
定価 7,480円(税率10%時の消費税相当額を含む)
一大空白地帯となっていた近代中国法史に確固たる研究基盤を構築すべく、清末から中華民国期にかけて展開した法典編纂・習慣調査・法学につき、文献学的・人物学的方法を縦横に駆使して中国・日本・西洋におけるそれぞれの展開過程を整理する。第一部では法典編纂を担った諸機関の経緯が整理され、並行して展開した習慣調査、特に中国史研究の基本資料である『民商事習慣調査報告録』の成立過程が克明に描写される。また民国期の諸立法の欧米諸語への翻訳とその流布の様相が紹介され、次いで中華民国民法に至る立法過程における中国人たち...
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日中民事訴訟法比較研究

日中民事訴訟法比較研究

吉村徳重・上田竹志 編
定価 9,900円(税率10%時の消費税相当額を含む)
本書は、中国民事訴訟法を、その歴史から現代の状況までを対象に、中国民訴法の専門家と日本民訴法の研究者が解説・分析する研究書である。特に本書は、2012年に改正された中国民事訴訟法を対象に、関連する法令や司法解釈も含め、立法の経緯から制度・運用・理論までを包括的に紹介する日本初の書籍である。研究者はもとより、増加する中国企業との渉外事件に直面する企業や法実務家等にとっても、チャイナリスクを回避するための必携の書となろう。なお、巻末には、2015年に公布された「最高人民法院の民事訴訟法適用に関する解...
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荷為替信用状・スタンドバイ信用状各論

荷為替信用状・スタンドバイ信用状各論

橋本喜一
定価 4,950円(税率10%時の消費税相当額を含む)
国際取引上の債務者の支払いを第三者たる発行銀行の支払約束によって代置することを主目的とする荷為替信用状と、取引が正常に展開しない場合や予想された特定の危険が現実化した場合の保障手段として、発行銀行が危険の負担者の請求あり次第直ちに支払うとの約束であるスタンドバイ信用状(銀行保証状、スタンドバイ・クレジット)の法的構造について、ドイツ法を中心とする比較法的研究と、実際の法的紛争に関する法解釈論的研究を平行して行う、わが国で初めての総合的研究書。 欧米においては判例や学説を引用し、参照文献の該当ペー...
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国際取引法

国際取引法

阿部道明
定価 3,080円(税率10%時の消費税相当額を含む)
本書では,通常「国際取引法」でとりあげられる論点のうち,実際の取引活動にかかわる国際契約,国際売買,国際投資にしぼって詳しく掘り下げる。まず,国際取引を契約の点からとらえてそのポイントを解説し,契約類型ごとに実例(契約文例)を示している。加えて,国際取引の二大類型である売買と投資に関して,詳細な理論的かつ実務的な考察を行う。法学部の学生のみならず,国際取引に携わる実務家にも必携の一冊となっている。 (さらに…)
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株主間契約と定款自治の法理

株主間契約と定款自治の法理

田邉真敏
定価 6,820円(税率10%時の消費税相当額を含む)
著者が企業法務部門でベンチャー企業への出資実務経験から得た問題意識を背景として,株主は会社法の規定からどの程度まで離れて合意を形成することができるかという,株主間契約の効力と定款自治の限界を探る博士学位論文。アメリカ,フランス,イギリスにおける判例・学説の動向及びその底流に流れる発想を比較分析した上で,わが国における会社法制定までの議論の到達点を明らかにするとともに,会社法下での理論再構築を試みる。 (さらに…)
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20世紀ロシア史と日露関係の展望

20世紀ロシア史と日露関係の展望

松井康浩 編
定価 3,740円(税率10%時の消費税相当額を含む)
本書は,21世紀になり改めて注目を集めるロシアを様々な観点から20世紀の歴史の中で捉えなおすとともに,世界的なロシア史研究の潮流を提示し,あわせて膠着が続く日露関係からの脱却の展望を探るものである。「超大国」ロシア理解のための議論の最前線。 (さらに…)
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学術図書刊行助成

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