内容紹介
『妖精の女王』は、詩人エドマンド・スペンサーによってエリザベス1世に捧げられた長編叙事詩である。アーサー王伝説を題材とした騎士道物語で、「妖精国」の女王グロリアーナの命を受けた遍歴の騎士たちが、徳を体現しながら、ときにアーサー王子の助けを得て、貴婦人や魔女、魔術師、竜や怪獣などをめぐり数々の冒険を繰り広げる。
赤十字騎士(のちの聖ジョージ)はユーナ姫とともに竜退治に出かけ、若武者ガイアンは試練を乗り越えて至福の園に乗り込み、美貌の女騎士ブリトマートはマーリンの魔法の鏡に見た騎士を求めて旅に出る。
上巻には「ローリーへの手紙」、第1巻「赤十字騎士の神聖物語」、第2巻「ガイアン卿の節制物語」、第3巻「ブリトマートの貞節物語」を収録。(下)には第4~7巻に加え、解説と年譜、登場人物索引も収録。
シェイクスピアと同時代の最高峰の英詩を、原文が持つ韻律の響きまで忠実に反映させ、格調高い七五調で翻訳した、『妖精の女王』翻訳の決定版。第54回日本翻訳文化賞受賞作が装いも新たに復刊。