脂質膜の物理

著者名
末崎幸生
価格
定価 4,620円(税率10%時の消費税相当額を含む)
ISBN
978-4-87378-927-9
仕様
A5判 上製 170頁 C3043
発行年
2007年1月
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内容紹介

脂質膜の物理化学的研究に興味を持って学びたい読者のために,膜系に限らず力学的,化学的,電気的および統計熱力学的な基本的事項について実験と理論の両面から紹介した。脂質平面2分子膜の安定性の統計力学的解析,脂質膜と麻酔剤の相互作用,液膜の曲げ弾性エネルギーの基本的問題の解析,チューブ状ベシクルの形状転移,カップ状ベシクルの形状解析などの話題を通じて,基礎理論と実際の応用例を示した。

目次

第1章 膜の諸形態と表面張力測定法
 1.1 溶液中の両親媒性分子膜
 1.2 溶液界面における膜構造
 1.3 物体と膜との接触
 1.4 表面張力とは?
 1.5 表面張力の測定法
第2章 吸着単分子膜と黒膜の安定性
 2.1 吸着単分子膜の統計力学
 2.2 黒膜の界面張力
第3章 溶液中の膜構造の統計力学
 3.1 ミセル形成の熱力学
 3.2 ベシクルの安定性
 3.3 マイクロエマルジョン
 3.4 膜の相転移
 3.5 膜への添加物効果(麻酔薬と膜の相互作用)
第4章 膜の電気的特性
 4.1 膜の電気抵抗
 4.2 膜の電気容量
 4.3 膜の静止電位
 4.4 電解質溶液論
 4.5 ポアッソン―ボルツマン方程式の統計力学的基礎
 4.6 2次元ナノクラスター形成の静電気理論
第5章 膜の力学的性質
 5.1 しゃぼん膜の力の釣り合い
 5.2 膜の面積弾性
 5.3 膜の曲げ弾性
 5.4 ヘルフリック変分問題
 5.5 パーリング不安定性
第6章 膜系の理論モデルと数値計算
 6.1 ギンズブルグ―ランダウ方程式
 6.2 ラチスモデル
 6.3 ラチスモデルとギンズブルグ―ランダウ方程式の関係
 6.4 数値計算
第7章 新しい話題
 7.1 球状脂質ベシクルのコーヒーカップへの形態変化
 7.2 脂質と胆汁酸混合系の会合体
 7.3 STM,AFM
 7.4 レーザトラップ
 7.5 ブロック―コポリマー
 7.6 脂質膜系の粘弾性
 7.7 メンブランマシン
 7.8 脂質膜のラフト構造

学術図書刊行助成

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