内容紹介
戦後60年を経た沖縄の社会構造と生活世界の現状をとらえるために行われた「沖縄総合社会調査2006」を,社会学的・社会福祉学的・マスコミ学的な視点から分析。共同研究によって沖縄県民の住民意識調査を行い, 統計的な情報を共有し, それに基づいて多様な角度からの分析を行う。同時に,二次利用として公開可能なミクロデータを構築することを目指し, 沖縄に関心をもつ研究者に大きく寄与する。現在における沖縄独自の優位性とは何かを問う。
目次
はしがき
1章 沖縄総合社会調査2006の概要
1-1 沖縄総合社会調査2006の背景とねらい
1-2 沖縄総合社会調査2006の調査デザインと調査項目
1-3 調査対象
1-4 標本抽出
1-5 調査実施
1-6 回収状況
1-7 標本の基本特性
I 部 社会学からみた沖縄
2章 沖縄の家族意識 全国データとの比較を通して
2-1 課題と方法
2-2 結婚と子ども
2-3 直系家族規範
おわりに
3章 沖縄における開発・発展をめぐる県民の意識 沖縄総合社会調査2006を中心として
はじめに
3-1 沖縄の内発的発展
3-2 沖縄総合社会調査2006
3-3 2000年北谷・読谷調査との比較
小括
4章 沖縄における外国人に対する意識
4-1 課題と方法
4-2 外国人に対する接触経験と意識:全国と沖縄
4-3 沖縄県外出身者に対する意識
考察
5章 ショッピングモールと沖縄イメージ 郊外化と観光の浸透にともなう県民の生活実感
5-1 郊外化で薄められ,観光で強調されてきた沖縄らしさ:無徴性と有徴性
5-2 ショッピングモール
5-3 沖縄イメージ
5-4 むすびにかえて:沖縄のローカリティとイメージをめぐる複雑な現実
II 部 社会福祉学からみた沖縄
6章 沖縄都市における地域生活と社会参加
はじめに
6-1 沖縄の都市化と地域生活・社会参加
6-2 地域への愛着
6-3 地域の行事への参加
6-4 祭りへの参加の度合い
6-5 加入している団体等
6-6 地域での社会活動経験の有無
6-7 社会活動への不参加者の今後の意向
6-8 今後の生活のあり方
6-9 社会への貢献意識
おわりに
7章 沖縄県民の社会参加活動と地域帰属意識 沖縄県におけるソーシャル・キャピタルとSocial Determinants of Healthへの考察
はじめに
7-1 研究の背景と課題
7-2 研究の対象と枠組み
7-3 ソーシャル・キャピタル(社会関係資本)の一形態としての地域組織参加状況
7-4 地域(沖縄)への愛着に関わる要因について
7-5 考察
おわりに
8章 精神障がい者に対する沖縄県在住者の意識
はじめに
8-1 接触体験
8-2 精神障がい者に対するイメージ
8-3 精神障がい者の知識やイメージの入手先
8-4 精神障がい者の地域居住における抵抗感
おわりに
9章 子育て支援状況に対する意識よりみる沖縄県の今後の課題 地域で支えあえる体制作りを中心にして
9-1 課題と方法
9-2 子育てに必要な環境の充実度
9-3 全般的にみた子育てに必要な環境
9-4 子育ての実施主体
9-5 子育て支援対策への政府の支出
まとめ
10章 沖縄県における車社会からの脱却 公共交通機関の構築を目指して
はじめに
10-1 沖縄県の車社会の現状
10-2 車社会からの脱却に向けて
おわりに
III 部 マスコミ学からみた沖縄
11章 沖縄県民の政治傾向とマス・メディア接触
はじめに
11-1 憲法9条,米軍基地,自衛隊,日米安保
11-2 政治傾向
11-3 普天間基地移設問題
11-4 マス・メディア接触
11-5 政治傾向とマス・メディア接触
おわりに
12章 総括
沖縄総合社会調査2006 調査票
索引