経済成長のミステリー

著者名
エルハナン・ヘルプマン/大住圭介・池下研一郎・野田英雄・伊ヶ崎大理 訳
価格
定価 2,800 円 (税別)
ISBN
978-4-87378-989-7
仕様
A5判 並製 180頁 C3033
発行年
2009年6月
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内容紹介

アダム・スミスの時代から経済学の重要な関心事である経済成長の問題について,最新の研究成果を踏まえ,さまざまな側面から論じる。経済成長に関する理論研究および実証研究の成果を,数式を用いることなく平易な文章と首尾一貫した論理構成で提示して,経済学についての専門的知識を持たない読者でも,経済成長理論に関する最新の研究動向を知ることができる。

目次

序 文
第1章 バックグラウンド
第2章 蓄積
    資本蓄積/収束性/1人当たり所得の違い
第3章 生産性
    成長会計/因果関係/生産性の違い/所得の違いの要因
第4章 イノベーション
    第1波/第2波/R&D水準/規模の効果/汎用的技術
第5章 国際的相互依存
    交易条件/技術の拡散/研究開発/貿易量に関する実証分析/
    貿易政策に関する実証分析/研究開発に関する実証分析
第6章 不平等
    経済成長に対する不平等の効果/不平等の源泉/貧困
第7章 制度と政治
    歴史的展開/法の起源/植民地の起源/地理 対 制度/政治経済
用語解説/参考文献/訳者あとがき/索引

著者紹介

エルハナン・ヘルプマン(Elhanan Helpman)
ハーバード大学教授。経済成長論および国際経済学等の分野において世界的に著名な経済学者。

大住圭介(おおすみ けいすけ)
1970年 九州大学経済学部卒業。
1975年 九州大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。
1987年 経済学博士(九州大学)。
現  在,九州大学大学院経済学研究院教授。

池下研一郎(いけした けんいちろう)
2002年 九州大学大学院経済学府博士課程単位取得退学。
同  年 博士(経済学)。九州大学大学院経済学研究院助手。
      金沢大学経済学部講師,准教授を経て,
2008年より金沢大学人間社会研究域経済学経営学系准教授。

野田英雄(のだ ひでお)
2002年 九州大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。
2004年 博士(経済学)。 旭川大学経済学部専任講師。
      山形大学人文学部助教授を経て,
2007年より山形大学人文学部准教授。

伊ヶ崎大理(いかさき だいすけ)
2001年 九州大学大学院経済学研究科博士課程修了。博士(経済学)。
同  年 九州大学大学院経済学研究院助手。
2002年 熊本学園大学経済学部専任講師。
      熊本学園大学助教授,准教授を経て,
2009年より日本女子大学家政学部准教授。

書評

 読売新聞 2009年9月6日(日) 読書欄「本よみうり堂」より
 
生活を向上させるには
  経済成長は,アダム・スミス以来経済学者が絶えず研究対象としてきた。経済はどんな要因で成長するか。本書は,経済成長に関する近年の研究成果をわかりやすくまとめており,世界経済のダイナミックな動きの源泉を深く考えさせてくれる。
  高齢化した日本では,経済成長など追求しなくてよい,との声が聞こえる。しかし,経済成長を止めてしまえばどうなるか。他方で,中国などの新興国では高度成長が目覚ましい。新興国が成長し日本が成長しなければ,やがて新興国は日本と同じ所得水準になる。つまり,経済力を相対的にみれば,日本は今なら優位にたつが,成長しなければやがて対等になってしまう。今は,高所得国として経済大国の力に任せて原油や食糧などを大量に輸入できているが,新興国と同程度の所得水準になれば,それは通用しなくなるのだ。それでも,日本は経済成長を追求しなくてよいだろうか。
  今般の衆議院選挙の結果,民主党中心の政権が実現しそうだが,経済成長戦略をまだ強く打ち出していない。1990年代以降,経済が低迷しているだけに,経済成長をどう図るか,真剣に検討すべき時である。
  世界各国の経済成長をつぶさに観察した本書が示唆するように,長期的に見たとき,経済成長には,技術進歩や体験による学習などを通じた生産性の向上が欠かせない。それには,優れた教育が求められるのは当然として,経済成長を促す政治のスタンスや,法制度も作用していることが,明らかにされている。目下の日本では,貧困層への政策に関心が集まりがちだが,経済成長が貧困層の所得を増やす事実も示されている。経済成長を追求することと格差を是正することは,必ずしも矛盾するわけではないのだ。
  長期にわたる経済成長の事例を研究した新しい成果が,本書には盛り込まれており,人々の生活をよくするための経済成長はいかなるものかを教えてくれる。

評・土居丈朗(経済学者・慶應義塾大学経済学部教授)

その他

 訳者解説文
本書の訳者あとがきの最後で触れられている『解説文』はこちらをご覧下さい。

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