信念の呪縛
- 定価 9,680円(税率10%時の消費税相当額を含む)
ケニア海岸部の諸社会においては、他人に神秘的なしかたで危害をもたらす「妖術」は、単なるファンタジーの対象ではなく、人々が日常生活において常に警戒し対処すべき中心問題の一つであった。それは今日なお周期的に発生する地域を挙げての「魔女狩り(抗妖術運動)」や、隣人や家族内での殺人などの深刻な社会現象をも引き起こしている。本書は、妖術信仰を伝統的/近代的という視点から解放し、条件がそろえば任意の社会にインストール可能な一種のプログラムのようなものとして捉え、それを構成する信念セットと実践系が具体的な人々...
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始めから考える
- 定価 5,280円(税率10%時の消費税相当額を含む)
20世紀を代表する哲学者ハイデッガーは、終生「存在」を考えたと言われる。しかし何事も、有名であるからと言って、それがよく理解されているとは限らない。ハイデッガー哲学の主題である「存在」も、そういうものの一つである。一般人は「存在」など分かり切ったことだと思っているし、哲学研究者は、有名なハイデッガーが言っているのだから、「存在」はきっと重要な問題に違いないと信じている。いずれの場合も、「存在」がどういう問題なのかは、ハイデッガーの努力に反して、ハイデッガーの登場後も、容易に見逃されてしまうのであ...
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