楽しむ初等数学

著者名
松田康雄
価格
定価 2,200円(税率10%時の消費税相当額を含む)
ISBN
978-4-7985-0337-0
仕様
A5判 並製 192頁 C3041
発行年
2022年8月
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内容紹介

「初等数学」とは「高校数学+α」の内容で楽しむ数学である。この理念のもとに筆者の初等数学研究は始まり、高校数学の教材研究や大学入試問題の研究など、興味の赴くままに様々な研究テーマに長年にわたり取り組んできた。本書はその研究の集大成であるが、「初等数学」に対する興味が高まり、研究のテーマや手がかりになるようなヒントが多数提供されるように編まれている。初等・中等教育における授業づくりや、大学入学の試験問題作成の題材としても大いに役立つものと思われる。

第1部 数論
倍数の見分け方や、普通の電卓で累乗根を計算する方法など、特別な場合から始めて、すべての場合に拡張する。

第2部 図形
二等辺三角形ならではの内心の位置や等脚台形と平均など、身近な図形の中に潜む数理が示される。

第3部 2次曲線
楕円や双曲線に対してその離心率を見る方法や、2次曲線の曲率円を見る方法など、二次曲線に含まれる性質の視覚化を試みる。

第4部 サイクロイド曲線
サイクロイド曲線は各々個性的であるが、その構造を調べ個性の由来に迫る。

第5部 数学の応用に関すること
致死遺伝子の存在理由や、確率の問題、パズルの数理など、数学を応用して解決を図る問題を扱う。

目次

 はじめに
 
   第1部 数に関すること
 
1.倍数の判定法
  倍数の判定法/いくつかの例/3, 9, 11の倍数の判定法
2.電卓でN乗根を
  2の3乗根の計算/2の3乗根が計算できることの証明/N乗根の計算
3.循環小数の計算
  循環小数の計算/計算の工夫
4.1/Nの分割和
  1/Nの周期/1/Nの分割和/分割和の例/分母の素因数が素数べきの場合の分割和
5.無限小数の計算
  無限小数を分数で表す/色々な無限小数を分数で表す/特別な数の並びの計算
6.こんな所にペル方程式
  ペル方程式/辺の長さも面積も整数の三角形/デカルトの円定理/ラマヌジャンの問題/
  ペル方程式とフィボナッチ数列
 
   第2部 図形に関すること
 
7.紙の3つ折り
  紙の3等分/B5判の紙の3等分/葉書を使ったB5, A4の3等分
8.二等辺三角形の心
  内心がオイラー線上にある三角形/二等辺三角形に関する問題
9.台形の話題2つ
  台形の重心/等脚台形の中の平均
10.逆数和を見ると
  成長する四角形/三角形の中の長方形と平行四辺形/三角形の中の図形に関する問題
11.双心多角形の中の円
  定理1の証明/双心多角形の中の円/空間への拡張
12.放物線と正七角形
  チェビシェフの多項式/正七角形/正六角形 (1) /正六角形 (2) /正五角形と正八角形
13.節約型の直柱
  節約型の直柱/節約型の箱
14.マラルディの角度
  マラルディの角度/菱形十二面体
 
   第3部 2次曲線に関すること
 
15.離心率を見る
16.2次曲線と屈折
17.2次曲線の曲率円
  2次曲線の曲率円の半径/頂点における曲率円/頂点以外の点における曲率円/放物線
  の曲率円/直角双曲線の曲率円/2次曲線と曲率円の交点
18.2次曲線の中の円
  2次曲線の方程式/2次曲線の中の円/放物線の中の円/楕円と双曲線の中の円/楕円
  の中の円/双曲線の中の円
19.2次曲線の間円
  2次曲線の中の円と間円/放物線の中の円と間円/楕円の中の円と間円/双曲線の中の
  円と間円
 
   第4部 サイクロイド曲線に関すること
 
20.サイクロイド曲線の研究
  サイクロイド曲線の仕組み/直線の包絡線としてのサイクロイド曲線/カージオイド/
  デルトイド/ネフロイド/アステロイド/カージオイドの反転図形/内サイクロイドと
  しての外サイクロイド/サイクロイド曲線の伸開線
 
   第5部 数学の応用に関すること
 
21.最短時間で進む
  問題の解答/光の屈折の法則との関係
22.血液型の割合は
23.致死遺伝子の話題
  致死遺伝子がない場合/致死遺伝子がある場合
24.確率っぽい話題
  何個選べばいいか/再審査の確率/記念品をもらうための期待値/ガムのお味は
25.思い出のパズル
  時計の針の問題/空缶交換の問題/転がせ1円玉
26.ちょっと気になること
  1/10n を小数で/平方しても平方/2の3乗根を暗算で/対数指数の交換定理/2%の
  複利/展開図ののりしろ/円周率の近似値/1/3, 2/3, 1
 
 おわりに
 索引

著者紹介

松田康雄(まつだ やすお)
1979年、九州大学理学部数学科卒業。
1982年、同大学院理学研究科博士後期課程を退学し、高等学校教諭の道へ。
1997年、九州大学大学院数理学研究科博士後期課程修了、博士(数理学)。
2013年、久留米工業高等専門学校教授。
2020年、長崎大学教育学部特任教授。

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