内容紹介
「初等数学」とは「高校数学+α」の内容で楽しむ数学である。この理念のもとに筆者の初等数学研究は始まり、高校数学の教材研究や大学入試問題の研究など、興味の赴くままに様々な研究テーマに長年にわたり取り組んできた。本書はその研究の集大成であるが、「初等数学」に対する興味が高まり、研究のテーマや手がかりになるようなヒントが多数提供されるように編まれている。初等・中等教育における授業づくりや、大学入学の試験問題作成の題材としても大いに役立つものと思われる。
第1部 数論
倍数の見分け方や、普通の電卓で累乗根を計算する方法など、特別な場合から始めて、すべての場合に拡張する。
第2部 図形
二等辺三角形ならではの内心の位置や等脚台形と平均など、身近な図形の中に潜む数理が示される。
第3部 2次曲線
楕円や双曲線に対してその離心率を見る方法や、2次曲線の曲率円を見る方法など、二次曲線に含まれる性質の視覚化を試みる。
第4部 サイクロイド曲線
サイクロイド曲線は各々個性的であるが、その構造を調べ個性の由来に迫る。
第5部 数学の応用に関すること
致死遺伝子の存在理由や、確率の問題、パズルの数理など、数学を応用して解決を図る問題を扱う。