アートプロジェクトの可能性 芸術創造と公共政策の共創

著者名
谷口文保
価格
定価 7,480円(税率10%時の消費税相当額を含む)
ISBN
978-4-7985-0269-4
仕様
A5判 上製 314頁 C3070
発行年
2019年10月
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内容紹介

全国津々浦々で展開するアートと地域のコラボレーション。今やコミュニティ再生や町おこしの切り札となったアートプロジェクトだが、この潮流はどこから来て、どこへ向かうのだろうか?

本書は、アートプロジェクトの成立と変遷を現代芸術・文化政策・市民社会の観点から跡づけ、さらに表現活動を通して人々をつなぐ仕組みと方法を、教育・まちづくり・福祉に関する事例をもとに実証的に解き明かそうとするものである。そして、芸術創造と公共政策の重なり合う場に生まれる活動の意義を俯瞰的に論考する。

芸術家として、大学教員としてアートプロジェクトを多数実践してきた著者が、その経験をもとに調査研究を展開。実証的論考を通して、アートプロジェクトの可能性と課題を明らかにする。

目次

序 論
 
 第1節 アートプロジェクト研究の現状と課題
  1.アートプロジェクトの成立と変遷に関する研究
  2.アートプロジェクトの意義に関する研究
  3.アートプロジェクトの活用に関する研究
  4.アートプロジェクトの課題に関する研究
  5.アートプロジェクトの国際性に関する研究
 第2節 本研究の目的
 第3節 本研究の構成および用語の定義
  1.本研究の構成
  2.用語の定義
 
第1章 アートプロジェクトの歴史
 
 第1節 アートプロジェクト発生の背景
  1.現代芸術の実験に関する要因
  2.文化政策の発展に関する要因
  3.市民社会の形成に関する要因
 第2節 アートプロジェクトの変遷と普及
  1.アートプロジェクトの変遷
  2.アートプロジェクトの変遷に関する考察
 第3節 アートプロジェクトの成立と展開
  1.黎明期
  2.実験期
  3.発展期
 まとめ
 
第2章 地域資源を生かす
 
 第1節 調査地域の選定
 第2節 兵庫県のアートプロジェクト
  1.調査概要
  2.調査結果の考察
 第3節 主要な事例の分類
  1.主要な事例の抽出
  2.主要な事例の分類
 第4節 代表事例の選定
 まとめ
 
第3章 学校教育を開く
 
 第1節 学校教育と美術の相互作用
  1.日本の美術教育
  2.美術教育の特性と意義
  3.美術教育の課題とアートプロジェクト
 第2節 教育と地域社会をつなぐアートプロジェクト
  1.学校プログラム 事例1「エイジアス」、事例2「イズミワク・プロジェクト」
  2.地域プログラム 実例3「町ぢゅう美術館」
  3.学校・地域プログラム 事例4「ホタルキノコ」、

     事例5「加古川市立山手中学校アートプロジェクト」
 第3節 方法と仕組みと課題
  1.方 法
  2.仕組み
  3.課 題
 まとめ
 
第4章 コミュニティ形成を支える
 
 第1節 まちづくりと現代芸術の連携
 第2節 コミュニティ形成を支えるアートプロジェクト
  1.事例1「注文の多い楽農店」
  2.事例2「舞多聞ネイチャーアート」
 第3節 仕組みと方法と課題
  1.仕組み
  2.方 法
  3.課 題
 まとめ
 
第5章 障害者福祉をつなぐ
 
 第1節 障害者福祉と芸術創造
 第2節 福祉と創造のコラボレーションによるアートプロジェクト
  1.対話型プログラム
  2.連鎖型プログラム
 第3節 連鎖型プログラムの可能性
  1.事例1「みっくすさいだー」
  2.事例2「えびすアートプロジェクト」
 第4節 方法と課題
  1.方 法
  2.課 題
 まとめ
 
第6章 アートプロジェクトの構造
 
 第1節 アートプロジェクトの仕組み
  1.住民参加、共同制作、領域横断
  2.表現と交流の循環
  3.共創表現、共生作用、地域再編
  4.共創芸術、共生社会、持続可能な社会
 第2節 アートプロジェクトの方法
  1.企画方法
  2.企画方法のまとめ
  3.運営技術
 第3節 アートプロジェクトの課題
  1.アートプロジェクトの副作用
  2.共同制作における著作権
  3.地域固有の文化の創出
  4.共創のバランス
  5.リーダーの養成
  6.記録と公開
 まとめ
 
第7章 アートプロジェクトの意義
 
 第1節 芸術創造に関する価値
  1.近代芸術とアートプロジェクトの違い
  2.3つの条件の考察
  3.アートプロジェクトと近代化以前の芸術
  4.アートプロジェクトの芸術的特長
  5.共創芸術の誕生
  6.共創芸術の特長
  7.近代芸術の相対化
  8.芸術創造的価値に関するまとめ
 第2節 公共政策に関する価値
  1.アートプロジェクトの公共政策的特長
  2.公共政策におけるアートプロジェクトの効果
  3.持続可能な共生社会と近代化の関係
  4.持続可能な社会
  5.共生社会
  6.近代化と公共政策
  7.公共政策としての芸術と近代化
  8.公共政策的価値に関するまとめ
 第3節 アートプロジェクトの可能性と課題
  1.アートプロジェクトの可能性
  2.アートプロジェクトの課題
 まとめ
 
結 論
 
  1.本書の要約
  2.研究の成果
  3.今後の課題
 
 註
 参考文献
 あとがき

著者紹介

谷口文保(たにぐち ふみやす)
 
1994年、筑波大学芸術専門学群構成主専攻総合造形コース卒業。
2008年、神戸芸術工科大学大学院芸術工学研究科総合デザイン専攻修士課程修了。
2013年、九州大学大学院芸術工学府芸術工学専攻博士後期課程修了。
 
神戸芸術工科大学大学院芸術工学研究科、芸術工学部アート・クラフト学科准教授。
九州大学芸術工学部非常勤講師。博士(芸術工学、九州大学)。芸術家。
専門分野は、造形美術、アートワークショップ、アートプロジェクト。

書評

図書新聞 第3433号(2020年2月1日付)書評 評者:吉田隆之氏(大阪市立大学准教授)
 
アートコレクターズ 128号(2019年11月号、生活の友社) 紹介記事
 
月刊美術 530号(2019年11月号、株式会社サン・アート) 紹介記事
 
学術図書刊行助成

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