目次
口絵
はじめに
〈石材から見た海域アジア交流〉
第1章 海域アジアの碇石航路誌
碇石とは/さまざまな碇石/鷹島海底遺跡と碇石/碇石の使用方法/碇石の分布/碇石の年代/
碇石にみる交易圏/なぜ碇石か?/碇石研究の課題/西へと続く東アジア交易圏/東西のアンカー
〈木材から見た海域アジア交流〉
第2章 「板渡の墨蹟」と日宋貿易
1240年代/径山の火災/板渡の墨蹟/海域アジア交流を語る史料/墨蹟伝来の背景/円爾の前半生/
円爾と無準の連絡/博多綱首謝国明/木材と日宋貿易/円爾の板渡/木材の行方/330/860/
木材をめぐる攻防/三万貫の銅銭/三万貫は誰から誰に支払われるのか/なぜ三万貫を支払うのか/
円爾・綱首と木材の関係/一連の尺牘から見えてくるもの
〈陶磁器から見た海域アジア交流1〉
第3章 海域アジアの貿易陶磁とコンテナ陶磁
遺跡出土の陶磁器、貿易陶磁/初期貿易陶磁/コンテナ陶磁/日本における初期貿易陶磁/
博多──貿易陶磁の吸引口──/奥州平泉/鎌倉/南九州〜琉球の流通路/アユタヤ朝と海上交易/
交易都市スパンブリとコンテナ生産/交易都市アユタヤとコンテナ陶磁生産/商品としてのタイ陶磁/
アユタヤ領域内でのタイ陶磁流通/東南アジア島嶼部でのタイ陶磁流通/15世紀、東アジアのタイ陶磁流通/
16世紀、東アジアのタイ陶磁流通/海上交易史におけるコンテナ陶磁研究の可能性
〈陶磁器から見た海域アジア交流2〉
第4章 アジアの海を渡った龍泉青磁
新安沈船の発見/新安沈船の龍泉窯青磁/「砧青磁」をめぐって/龍泉窯青磁とは/
青磁の発生:龍泉窯が生まれる以前/龍泉窯の誕生と発展/汝窯と耀州窯の天青釉青磁:「砧青磁」の源流/
南宋官窯と龍泉窯/海外に運ばれた龍泉窯青磁/元代前期の海外輸出/新安沈船の時代/龍泉窯のその後
〈貴金属から見た海域アジア交流〉
第5章 銀と銅銭のアジア海道
日本銀の登場以前/遊牧世界における銀/銀とモンゴル帝国/オルトクとは?/
連環する海上ルートと陸上ルート/官豪勢要/官・民・軍の共存構造/ペルシャ湾のオルトク商人/
キーシュ商人がつなぐアジアとイスラーム/インド洋での邂逅/中国銀は世界を廻ったのか?/
元朝の銀事情/絹、陶磁器、茶、そして銀/インド洋を渡る馬と銀/銅銭をめぐる問題/沈没船と銅銭/
中国銅銭は国際通貨か?/銀と銅銭から見たアジアとユーラシア
第6章 〈対談〉モノから見た海域アジア交流と日本
1 アジアの「硫黄」海道と技術革新 対談相手:山内晋次(大阪大学)
2 「ヤコウガイ」海道のゆくえ 対談相手:高梨 修(奄美市立奄美博物館)、田中史生(関東学院大学)
3 中世「博多」の中国商人をめぐって 対談相手:田上勇一郎(福岡市埋蔵文化財センター)
4 考古学から見た「琉球」史の転換点 対談相手:片桐千亜紀(沖縄県立埋蔵文化財センター)
5 「平泉」の都市性とモノの流通 対談相手:佐藤嘉広(岩手県教育委員会)
6 結節点としての中世港「十三湊」 対談相手:工藤 忍(青森県埋蔵文化財調査センター)
7 沈没船が語る「南海交易」 対談相手:高 栄盛(南京大学)
参考文献
図版提供元一覧
あとがき
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