今と昔の長崎に遊ぶ

著者名
増﨑英明 編著/長崎大学地域文化研究会 著
価格
定価 2,640円(税率10%時の消費税相当額を含む)
ISBN
978-4-7985-0310-3
仕様
A5判 並製 330頁 C1021
発行年
2021年7月
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内容紹介

長崎の地に住んだ人びとがどのように長崎の文化を形作ってきたのか、長崎の歴史・文化・経済・言語・哲学など様々な分野の研究者が解説し、長崎の隠された魅力をさらに深く探求していく。

長崎は諸外国との窓口の役割を長らく果たしてきた。ポルトガル・オランダ・中国を始め、外国の文化が流れ込み、日本の文化と融合した都市、それが長崎である。つまり、グローバル化が叫ばれる現代に先駆けて、数百年も前からグローバル化が行われてきた。その長崎文化の魅力と本質を長崎という文化空間に即して解明すること、いうなればグローカルな視点からの検証を行うことが本書の目的である。

目次

 まえがき
 
第1章 巨樹の記憶  二人のルイス  
 
 はじめに
 第一節 ルイス・デ・アルメイダ
 第二節 ルイス・フロイス
 おわりに
 
第2章 ポルトガル人が聞いた室町末期の長崎ことば
 
 はじめに
 第一節 室町末期に長崎に来たポルトガル人宣教師と日本語
 第二節 ポルトガル人が見た中央語(京都語)と長崎方言
 第三節 ポルトガル人が見た長崎ことばと現代長崎方言
 第四節 ことばの伝播のしくみ
 第五節 現代長崎方言の状況
 おわりに
 
 コラム 日葡辞書はどこで印刷されたか?
 
第3章 近世貿易都市長崎の特質を考える  尾曲がり猫はどこからきたのか  
 
 はじめに 猫の町長崎
 第一節 長崎はどこか
 第二節 江戸時代の外交(対外関係)の見方と長崎
 第三節 国際貿易都市長崎の成立
 第四節 江戸時代の長崎の姿
 第五節 出島に暮らす人々
 第六節 長崎貿易
 第七節 唐人屋敷に暮らす人々
 おわりに 猫は歴史の生き証人
 
 コラム 出島と唐人屋敷
 
第4章 長崎の陶磁器にみるグローカル化
 
 はじめに
 第一節 肥前磁器の始まりと海外輸出
 第二節 一七世紀中頃の東アジア情勢と肥前磁器
 第三節 海外輸出への肥前磁器の対応
 第四節 長崎から世界に輸出された肥前磁器
 第五節 庶民の器「くらわんか」碗・皿と日用品化する磁器
 第六節 海外に渡ったコンプラ瓶
 おわりに  長崎の陶磁器とグローカル化
 
第5章 交響する長崎の中国文化  おどり、りょうり、まつり  
 
 はじめに
 第一節 龍踊り
 第二節 長崎ちゃんぽん
 第三節 新たな伝統の創造  長崎ランタンフェスティバル
 おわりに
 
第6章 長崎八景  漢詩から長崎版画へ  
 
 はじめに  長崎版画「長崎八景」
 第一節 漢詩「長崎八景」の作者たち
 第二節 漢詩「長崎八景」小題の選定過程
 第三節 漢詩「長崎八景」の作品世界
 第四節 漢詩「長崎八景」のその後
 おわりに  漢詩「長崎八景」と長崎版画「長崎八景」
 
第7章 長崎の鎮守諏訪神社
 
 はじめに
 第一節 異文化交流の舞台としての諏訪社
 第二節 外寇防御の神としての諏訪大明神
 おわりに
 
第8章 出島オランダ商館で書かれた最後の日本語文典の成立とその背景
 
 はじめに
 第一節 オランダ商館における日本語学習と日本語研究
 第二節 クルチウス編ホフマン増訂『日本文法試論』の面白み
 第三節 原稿の編纂と東インド総督への提出までの経緯
 第四節 ホフマンによる増訂と刊行
 第五節 名村八右衛門と勝海舟の関与
 第六節 カトサンドリア号の難破とその後
 おわりに
 
第9章 長崎における海軍伝習  新知識・新技術導入の窓口として  
 
 はじめに
 第一節 海軍創設と海軍伝習の構想
 第二節 長崎における海軍伝習の準備
 第三節 海軍伝習
 おわりに
 
第10章 幕末期における長崎グラバー商会と志士たち  長州藩・薩摩藩のイギリス留学  
 
 はじめに
 第一節 長州藩留学生
 第二節 薩摩藩留学生
 おわりに
 
 コラム 薩摩藩蔵屋敷跡(長崎市銅座町)
 
第11章 倉場富三郎が遺した日本西部及南部魚類図譜(通称:グラバー図譜)
 
 はじめに
 第一節 日本西部及南部魚類図譜(通称:グラバー図譜)とは
 第二節 図譜を描いた画家たち
 第三節 倉場富三郎(トーマス・A・グラバー)の生い立ちと真の功績
 第四節 グラバー図譜の真の価値とは?
 おわりに
 
第12章 長崎に誕生した西洋式病院  長崎小島養生所  
 
 はじめに
 第一節 日本初の西洋式病院の設計者
 第二節 長崎養生所以前
 第三節 長崎養生所の構想
 第四節 一九世紀の西洋の病院建築について
 第五節 長崎養生所のその後の日本での影響
 おわりに
 
第13章 長崎医科大生たちの一九四五年
 
 はじめに
 第一節 長崎医科大学
 第二節 大学病院
 第三節 穴弘法
 第四節 原爆医学資料展示室
 おわりに
 
第14章 長崎の世界遺産   「潜伏キリシタン関連遺産」の問題点と今後の課題  
 
 はじめに
 第一節 「潜伏キリシタン」とは何か
 第二節 世界遺産登録運動のはじまり
 第三節 暫定リスト掲載後の構成資産の変化
 第四節 ICOMOS中間報告と再推薦   「長崎の教会群」から「潜伏キリシタン関連遺産」へ
 第五節 「潜伏キリシタン関連遺産」の問題点
 おわりに  今後の課題
 
第15章 軍事都市としての長崎
 
 はじめに
 第一節 要塞と重砲兵大隊
 第二節 広報拠点としての重要性
 第三節 軍需産業と市街地形成
 おわりに
 
 コラム 護国神社
 
第16章 長崎の岬を3Dで表現してみる
 
 はじめに
 第一節 長崎の岬の原型を求めて
 第二節 GISデータによる長崎の岬の創作
 おわりに
 
第17章 軍艦島の今と未来
 
 はじめに
 第一節 軍艦島の変遷
 第二節 海の脅威との戦い
 第三節 急速に加速する老朽化
 第四節 軍艦島3Dプロジェクト
 第五節 どう守っていくのか?
 おわりに
 
 あとがき

著者紹介

<編著者>
増﨑英明(ますざき ひであき)
1977年、長崎大学医学部卒。長崎大学医学部講師、同助教授を経て、
2006年より長崎大学医学部産婦人科教授。2018年、長崎大学名誉教授。
2014年より長崎大学理事・病院長、学長特別補佐、附属図書館長を歴任。
2021年4月より佐世保市総合医療センター理事長・院長。
 
<執筆者> 執筆順
前田桂子(まえだ けいこ)
長崎大学教育学部教授
 
木村直樹(きむら なおき)
長崎大学多文化社会学部教授
 
野上建紀(のがみ たけのり)
長崎大学多文化社会学部教授
 
王 維(ワン ウェイ)
長崎大学多文化社会学部教授
 
中島貴奈(なかじま たかな)
長崎大学教育学部准教授
 
吉良史明(きら ふみあき)
長崎大学教育学部准教授
 
Toet Rudy(トート・ルディ)
長崎大学多文化社会学部助教
 
南森茂太(みなみもり しげた)
長崎大学経済学部准教授
 
田口由香(たぐち ゆか)
長崎大学教育学部准教授
 
山口敦子(やまぐち あつこ)
長崎大学水産学部教授
 
安武敦子(やすたけ あつこ)
長崎大学工学部教授
 
赤澤祐子(あかざわ ゆうこ)
長崎大学原爆後障害医療研究所准教授
 
才津祐美子(さいつ ゆみこ)
長崎大学多文化社会学部教授
 
大平晃久(おおひら てるひさ)
長崎大学教育学部准教授
 
全 炳徳(チョン ビョンドク)
長崎大学情報データ科学部教授
 
出水 享(でみず あきら)
長崎大学工学部技術専門職員

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