目次
まえがき
凡例
序章 明治初期の思想史研究における神田孝平の位置づけ
一 明治初期思想史研究における「学者ノ職分ヲ論ス」の影響
二 明治初期思想史研究における神田孝平の位置づけ
三 本書の目的と構成
第一章 神田孝平の経歴──出自と修学過程を中心に──
一 神田孝平の伝記的研究の問題点
二 交代寄合竹中家とその家臣たち
交代寄合竹中家/竹中家の家臣たち
三 神田家と神田孝平
神田家の人びと/幼少期から蕃書調所出仕までの神田孝平
四 幕臣から明治政府の官僚へ
五 洋学と「立身出世」
第二章 神田孝平における「人民」
一 明治初期における政府首脳、官僚、知識人の民衆への評価
二 『農商弁』における「民」についての認識とその政策論
三 江戸開城以降の経済・政治論における「人民」
経済論における「人民」/政治論における「人民」
四 明治初期から中期にかけての「人民」観
『学問ノスヽメ』における福澤諭吉の「愚民」観/「隠密なる政治上之変遷」に
おける徳富蘇峰の「平民」観
五 「愚民」観払拭のための官僚、思想家としての神田孝平の活動
第三章 『農商弁』における「商」の「利」──税制改革論を中心に──
一 日本経済思想史研究における『農商弁』の位置づけ
二 『農商弁』における日本の内政・国防問題に対する認識
士農の困窮に対する認識/国防問題に対する認識
三 『農商弁』における税制改革論
四 江戸時代の経済思想としての『農商弁』
五 『農商弁』における神田孝平の経済論の特色
第四章 幕末・明治初期の政治情勢と神田孝平の政治思想
一 議会制度導入者としての神田孝平に対する評価
二 武家政権下における神田孝平の政治体制論
『農商弁』における「仁政」の実現/開成所における「会議」と「会議法則案」
三 江戸開城決定後の神田孝平の政治思想
四 議事体裁取調方における神田孝平の貢献
五 公議所、集議院時代の神田孝平の政治思想
六 「明治六年政変」後の神田孝平の政治思想
七 一貫した議会早期開設論者として
第五章 明治初期における神田孝平の税制・財政改革案
一 地租改正に対する神田孝平の貢献に対する評価
二 「田税改革議」における神田孝平の税制改革案
「田税改革議」の成立事情/「田税改革議」における税制改革案
三 「税法私言」による「所得税法」の導入案
四 「民選議院」の開設と財政制度改革
五 税制改革案、財政改革案で目指したもの
第六章 神田孝平の兵庫県政──地方制度改革と「民会」開設を中心に──
一 兵庫県令・神田孝平による地方制度改革と「民会」開設についての評価
二 神田県令時代における兵庫県の地方制度改革
三 「民会」の開設
四 地方官会議における神田孝平の発言
五 神田孝平による地方制度改革と「民会」開設の特徴と展望
第七章 神田孝平「貨幣四録」の執筆・公表の目的
一 明治初期の自由・保護貿易論争
二 「四録ノ一」、「四録ノ二」における現状認識
三 「四録ノ三」における将来予測と「四録ノ四」における解決策
四 「貨幣四録」執筆・公表の目的
五 神田孝平と『明六雑誌』
第八章 木戸孝允と神田孝平における「官」と「民(みん)」──新聞とのかかわりと政治観とを中心に──
一 「官」から「民」への新たなコミュニケーション・ツールの登場
二 木戸孝允、神田孝平と新聞
木戸孝允と新聞/神田孝平と新聞との関係
三 木戸孝允の政治論
四 木戸孝允と神田孝平の政治論の共通点と相違点
五 木戸孝允の神田孝平への警戒心
六 メディアと「近代」的官僚制度
終章 神田孝平が描いた明治日本
一 神田孝平と明治日本
二 神田孝平研究の現代的意義
忘れられた人物神田孝平/現代に神田孝平を読む意義
初出一覧
あとがき
索引