目次
はじめに
第1章 序 論
1.1. 研究の背景
1.2. 先行研究(Itô and Mester 1995a, 1995b, 1999)
1.3. Itô and Mester(1995a, 1995b, 1999)の問題点,及び本書の目的
1.4. 本書の構成
1.5. コンサルタントと地域について
1.6. 記述の枠組み
第2章 先行研究(Itô and Mester 1995a, 1995b, 1999)
2.1. Itô and Mester(1995a, 1995b, 1999)の理論
2.1.1. 「核と周辺」構造
2.1.1.1. Itô and Mester(1995a, 1995b, 1999)とそれ以前の研究の相違点
2.1.1.2. 「核と周辺」構造がもつ特徴
2.1.1.3. Lee(2006)の「核と周辺」構造
2.1.2. 忠実性の原理
2.2. Itô and Mester(1995a, 1995b, 1999)の問題点
2.2.1. Rice(1997)と Ota(2004)の指摘する問題点
2.2.2. Itô and Mester(1995a, 1995b, 1999)の理論の妥当性を検証する観点
2.2.2.1. レキシコン内の全ての語彙の集合は包含関係にあり,同心円を形成しているのか?
立石(2002)などの指摘する問題
2.2.2.2. 忠実性の原理によって語彙間で音韻論的差異が生じているのか?
Inkelas and Zoll(2007)の指摘する問題点
2.2.2.3. 全ての規則が適用される語彙グループ(核)は必ず存在するのか?
Kubozono(1997)の主張から生じる「核と周辺」構造の問題点
第3章 トルコ語
3.1. トルコ語の言語学的特徴
3.1.1. 音素目録
3.1.2. 形態論的特徴
3.1.3. 借用語
3.2. 音節末子音の無声化
3.2.1. 現象と規則
3.2.2. 音節末子音の無声化が起きない語彙
3.3. 母音調和
3.3.1. 母音調和の概説
3.3.1.1. 語幹と接尾辞の間の母音調和
3.3.1.2. 語幹内の母音と語幹内に挿入される母音の間の母音調和
3.3.1.3. 多音節語幹内の母音調和
3.3.2. 素性階層を取り入れた先行研究の分析
3.3.3. 母音調和が起きない語彙
3.3.4. 「舌の前後の調和」の例外に対するClements and Sezer(1982)とLevi(2001)の分析
3.3.4.1. 子音のもつ[舌頂音性]の拡張
3.3.4.2. Clements and Sezer(1982)と Levi(2001)の問題点
3.3.5. Kabak(2007)のデフォルト規則と本書の仮定
3.3.6. 本書で提案する母音調和規則とKabak(2007)の問題点
3.3.6.1. Kabak(2007)の仮定と本書の仮定の相違点
その1 /lj/ と /rj/ に関して
3.3.6.1.1. Kabak(2007)の仮定
3.3.6.1.2. 本書の仮定
3.3.6.2. Kabak(2007)の仮定と本書の仮定の相違点
その2 語幹内の前舌母音の素性指定について
3.3.6.2.1. Kabak(2007)の仮定
3.3.6.2.2. Kabak(2007)の問題点と本書の仮定
3.3.6.2.3. 前舌母音の[舌頂音性]が指定されているとする仮定の問題点
3.4. トルコ語における語彙グループ
3.4.1. 音節末子音の無声化規則と,「舌の前後の調和」規則の両方,あるいはどちらかが適用される語彙
3.4.2. 音節末子音の無声化規則と,「舌の前後の調和」規則の両方が適用されない語彙
3.4.3. 獲得と産出について
第4章 現代ウイグル語
4.1. 現代ウイグル語の社会言語学的特徴と言語学的特徴
4.1.1. 言語使用状況と借用語
4.1.2. 形態論的特徴
4.1.3. 音韻論に関わる情報
4.1.3.1. 音素目録
4.1.3.1.1. /i/
4.1.3.1.2. /e/
4.1.3.1.3. 母音の長短
4.1.3.2. 母音調和
4.2. 弱化母音の「唇の調和」
4.2.1. 弱化母音の「唇の調和」に関わる現象
4.2.1.1. 「唇の調和」
4.2.1.2. 母音弱化
4.2.2. 弱化母音の「唇の調和」
4.2.3. 例外の存在
4.2.3.1. 弱化母音の「唇の調和」が起きない語彙
4.2.3.2. 弱化母音の「唇の調和」が起きないことへの説明
4.2.3.2.1. 説明1
4.2.3.2.2. 説明2
4.3. r挿入
4.3.1. 所有接尾辞
4.3.2. 現象,及び規則と語彙グループ
4.3.2.1. 現 象
4.3.2.2. 規則と語彙グループ
4.3.2.3. r削除案に対する反論
4.3.3. 挿入が起きる理由
4.3.4. /r/ が挿入要素として選ばれる理由
4.3.5. 有標母音で終わる語幹について
4.4. 現代ウイグル語のレキシコンの構造
4.4.1. 母音弱化規則と,[−円唇性]の削除規則
4.4.2. r/C 規則と2つの3人称所有接尾辞規則
4.4.3. 母音弱化規則と-i/C規則
4.4.4. レキシコンの構造の統合
4.4.4.1. レキシコンの構造と語彙グループ
4.4.4.2. 獲得と産出について
4.4.5. 語彙グループXに[−円唇性]の削除規則と母音弱化規則が適用されているかどうかについて
第5章 Itô and Mester(1995a, 1995b, 1999)の理論の妥当性の検証とレキシコンの構造がもつ普遍的特徴に関する仮説
5.1. 妥当性を検証する観点
5.1.1. トルコ語
5.1.2. 現代ウイグル語
5.1.3. 総合考察
5.2. レキシコンの構造について4言語間で共通する特徴
5.2.1. 仮説1:「最も多くの規則(制約)が適用される語彙グループ」が1つだけ存在する
5.2.2. 仮説2:必ず包含関係がある構造をもつ
5.2.3. まとめ
第6章 まとめと今後の課題
6.1. まとめ
6.2. 今後の課題
6.2.1. 各章で今後の課題としてきた問題,及び本書の全体にわたる今後の課題
6.2.2. 新たな理論づくり
6.3. 補 遺
6.3.1. トルコ語の「舌の前後の調和」
6.3.2. 現代ウイグル語のr挿入
参照文献
謝 辞
索 引