目次
                     はじめに
 
序章 「野草(Ye-cao)」と「雑草」
 
 一 日本語と中国語
 二 魯迅における「野草(Ye-cao)」
 三 「野草(Ye-cao)」の翻訳を通して
 
  第I部 『野草』論
 
第1章 徐玉諾と魯迅
 
 一 二人の関係について
 二 散文詩人としての徐玉諾
 三 人と「亡霊(鬼)」の狭間で
 四 『野草』における徐玉諾
 五 出会いそして別れ
 
第2章 「犬の反駁」「論を立てる」の位置
 
 序
 一 従来の評価
 二 「犬の反駁」をめぐって
 三 晨曦「新亡霊協会」
 四 「犬の反駁」の素材
 五 「論を立てる(立論)」をめぐって
 
第3章 北京『晨報副刊』
 
 序
 一 「ツルゲーネフ散文詩五〇篇」訳載
 二 魯迅と『晨報副刊』
 三 与謝野晶子「雑草」掲載
 
  第II部 「影の告別」論
 
第4章 タゴール、徐志摩の影響
 
 一 「インドを除く」  タゴール排斥の意味  
 二 ”詩人” 徐志摩と魯迅
 三 西洋との出会い
 
第5章 周作人の影
 
 序
 一 『野草』とエスペラント
 二 『野草』とボードレール
 三 佐藤春夫「形影問答」
 四 詩人としての周作人
 
第6章 「行く」か「留まる」か
 
 一 「住」の翻訳から
 二 「往」か「住」か
 三 「不愿住」の解釈について
 四 ”異端” の説
 
  第III部 『野草』と日本文学
 
第7章 与謝野晶子
 
 一 周作人訳「貞操論」
 二 共有する「草」への情感
 三 魯迅の愛した”植物”
 四 魯迅と与謝野晶子
 
第8章 佐藤春夫
 
 一 従来の認識
 二 「影の告別」と「形影問答」
 三 佐藤春夫「私の窓」と掲載誌『中央文学』
 四 ”詩人” 佐藤の終焉
 
第9章 芥川龍之介
 
 一 二人の出会い
 二 魯迅『野草』と芥川『わが散文詩』  「秋夜」と「秋夜」「椎の木」  
 三 魯迅『野草』と芥川『春服』  「旅人(過客)」と「往生絵巻」  
 四 魯迅の芥川評価をめぐって
 五 二人の「詩人」
 
  第IV部 「詩人」魯迅
 
第10章 「詩」への想い
 
 一 魯迅の「想い」
 二 芥川の「想い」
 三 二人の遺した「詩」
 四 詩人の別れ
 
第11章 「雑文家」への道
 
 序
 一 「詩人魯迅」の形成
 二 ”詩” 集としての『野草』
 三 魯迅の文学
 
第12章 「野草」の成立
 
 一 魯迅と「『吶喊』の評論」
 二 成仿吾「詩之防御戦」
 三 『創造週報』をめぐって
 四 『野草』の命名について
 
新訳 散文詩集『雑草』
 
 題辞/秋夜/影の告別/乞食ぼくの失恋  古いにしえになぞらえた新しい戯れ歌/
 復讐/復讐(その二)/希望/雪/凧/美しい物語/旅人/死火/犬の反駁/
 失われたよき地獄/墓碑銘/崩れた線のふるえ/論を立てる/死後/このような戦士/
 利口ものとバカと召使い/秋枯れの葉/淡い血痕のなかで  幾人かの死者と生者と
 いまだ生まれざる者とを記念して/目覚め/
 
 魯迅『野草』関連年譜
 魯迅『野草』関連文献目録
 初出一覧
 あとがき
 人名索引