目次
はしがき
第一部 欧米優生政策の成立
第一章 アメリカにおける「優生政策」の歴史的脈絡
はじめに
一 大変動の時代の「アメリカ人の退化」とこれに対する反転攻勢
二 「優秀な」アメリカ人の創出
三 第一次世界大戦から「反動」の一九二〇年代へ
おわりに
第二章 アメリカ合衆国の優生学と人種主義
はじめに
一 アメリカの「レイス」思考
二 アメリカ優生学と白人「レイス」
三 優生学と有色人差別
結びにかえて
第三章 人間改良のための優生学的断種 アメリカ優生学、日独との連携
はじめに
一 カリフォルニア州の断種とHBF(一九二六〜一九四二年)
二 HBFのドイツとの連携
三 HBFと日本との連携
おわりに
第四章 人間の再生 フランスにおける優生学の歴史
はじめに
一 遺伝/変質/人種
二 社会ダーウィニズムと社会ラマルキズム
三 社会衛生学
四 フランス優生学協会
五 労働のための優生学
おわりに
第二部 日本優生学の由来
第五章 日米優生学の接点 植物学者山内繁雄を中心にして
はじめに
一 植物学者としての研鑽時代と科学的実績
二 優生学者/教育者としての山内(一九一三〜一九二七年)
三 考察
第六章 日米優生学の連携の一例 ロズウェル・ヒル・ジョンソン
はじめに
一 ロズウェル・ヒル・ジョンソン
二 日本における優生学
三 優生政策の実施
四 ジョンソンの優生学における方向転換
おわりに
第七章 ナチス優生政策と日本への影響 遺伝病子孫予防法から国民優生法へ
はじめに
一 ドイツにおける優生学の展開とナチス断種法の成立
二 日本における断種法=国民優生法の成立
むすび
第三部 日本とアジアにおける優生政策の展開
第八章 永井潜再考 優生学啓蒙活動の真相を探る
はじめに 優生学を考える今日的意義
一 永井潜研究
二 永井潜の思想と実践
三 永井潜の影響力
むすびにかえて
朝日・讀賣等新聞掲載記事に見る永井潜
第九章 日本の占領地政策下における優生学
はじめに
一 国民のアイデンティティと戦時下動員
二 人種集団と民族集団の構築 日本優生学者たちと人口政策
三 民族国家の建設 中国の優生学的解決策と人口政策
おわりに 二人の優生学者の戦後の回顧
付録 人口政策綱領初稿
第十章 ハンセン病をめぐる断種について
はじめに
一 ハンセン病の歴史 古代から隔離政策まで
二 ハンセン病者の絶対終生隔離と断種
三 療養所・療養地区における断種の検証
四 優生思想と国民優生法・優生保護法
五 断種の合法化 戦後優生保護法
六 国民優生法の討議に見る「特殊な病気」論
七 「異人」としてのハンセン病者
おわりに
優生学年表