森林資源管理の社会化

著者名
堺 正紘 編著
価格
定価 5,720円(税率10%時の消費税相当額を含む)
ISBN
978-4-87378-770-1
仕様
A5判 上製 372頁 C3061
発行年
2003年2月
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内容紹介

 林家等の森林経営マインドが後退し,間伐遅れや皆伐跡地の再造林放棄などが増加している。森林・林業・山村をめぐる厳しい状況の中で,造林補助金等によって造林意欲を喚起し,森林を整備するという伝統的な森林資源政策が窮地に陥っているのである。
 本書は,このような森林資源管理を「社会化」の視点から再検討している。すなわち,全国に拡大しつつある再造林放棄の実態と背景を調査,分析し,さらに新たな森林資源管理のあり方を,森林資源所有の社会化,整備費用負担の社会化,合意形成の社会化という3つの視点から多角的に考察している。循環型社会の構築にとって成熟した人工林資源の利・活用の拡大,活性化と伐採跡地における更新の確保は,焦眉の課題である。そのためには基本的な生産基盤である立木保有の安定化が不可欠であり,「長期伐採権」の制度化を提案している。

目次

  第1編 再造林放棄の実態
第1章 再造林放棄と森林資源管理問題
第2章 木材価格の動向分析
第3章 再造林放棄地の立地条件と植生の回復状況
第4章 森林組合アンケートにみる人工林施業放棄の実態
第5章 再造林放棄問題の諸相
  第2編 森林資源所有の社会化
第6章 森林所有の構造変化と地域特性
第7章 市場と森林
第8章 素材生産業
第9章 自伐林家の展開局面と森林所有
第10章 製材加工の産地システム
  第3編 森林資源整備費用負担の社会化
第11章 森林整備費用負担の諸形態
第12章 日本の人工林と造林補助金
第13章 地方財政措置と地方自治体の森林資源政策
第14章 山村対策とデカップリング制度の導入
第15章 森林バイオマス利用
  第4編 森林資源に関する合意形成の社会化
第16章 求められる森林・林業のすがたと合意形成
第17章 持続可能な育林技術
第18章 産直運動
第19章 地域文化と環境財としての森林管理
第20章 辺境社会におけるコミュニティと合意形成
  第5編 森林資源管理の社会化と林業経営主体
終 章 「社会化」の受け皿としての
      長期伐採権制度の構造と法的性格

学術図書刊行助成

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