鉱物資源論

著者名
志賀美英
価格
定価 4,950円(税率10%時の消費税相当額を含む)
ISBN
978-4-87378-774-9
仕様
B5判 上製 310頁 C3057
発行年
2003年3月
ご注文
  • 紀伊國屋
  • amazon
  • 楽天ブックス
  • セブンネットショッピング

内容紹介

本書は,人類が鉱物資源を持続的に確保していくために解決しなければならない「枯渇」,「環境」,「利害対立」の3つの資源問題について,それぞれ社会的,歴史的背景や原因などを究明し,問題解決のために世界が取り組むべき目標を具体的に提示している。「枯渇」と「環境」は技術開発と技術移転によって,「利害対立」は相互依存の認識をベースとした発展途上国開発や貿易制度の改善などによって解決でき,それらを主導的に担っていくのは先進国であると述べている。また本書は日本の鉱物資源政策にも触れ,その大部分を輸入に依存する日本にとって特に重要な政策は技術開発,自由貿易,国際協力の3つであると指摘している。

 

目次

第1章 鉱物資源と鉱物資源問題
  鉱物資源とは/鉱物資源の生成と生成時代/鉱物資源問題
第2章 未開発鉱物資源
  深海底鉱物資源/南極の鉱物資源
第3章 鉱物資源探査,鉱山開発および採鉱
  探査/鉱山開発/採鉱
第4章 選鉱
  選鉱とは/前処理  破砕工程および磨鉱工程  /選鉱
第5章 製錬および精製
  製錬・精製とは/鉄の製錬と精製/銅の製錬と精製/金・銀の製錬と精製
第6章 鉱物資源開発と環境問題
  地球環境問題に関する国際世論の高まり/「開発」と「環境」/鉱物資源
  開発と環境汚染/日本の「鉱害」/日本の教訓を生かす
第7章 南極の鉱物資源開発問題  「開発」と「環境」をめぐって  
  南極の歴史の区分/第1期:探検時代/第2-1期:領土・軍事問題と南極条
  約締結/第2-2期:鉱物資源開発問題と南極鉱物資源活動規制条約締結/
  第2-3期:環境問題と南極条約環境保護議定書締結/なぜ南極の鉱物資源
  が開発されようとしたのか
第8章 鉱物資源の需給構造
  金属別需給構造/国別需給構造
第9章 資源ナショナリズム
  発展途上国における一次産品の経済的位置付け/発展途上国における鉱物
  資源開発の歴史的経緯/資源ナショナリズムの展開/鉱山の国有化/資源
  カルテル
第10章 南北問題  対立から相互依存へ  
  南北問題と国連貿易開発会議(UNCTAD)/新国際経済秩序(NIEO)の樹立
  に関する宣言/UNCTAD一次産品総合計画(IPC)/非鉄金属関連の国際商品
  研究会
第11章 依然として続く先進国による発展途上国の鉱物資源支配
       何が発展途上国の経済開発を阻んできたか  
  世界の鉱物資源の開発体制/「南北分業」体制と貿易制度/発展途上国は
  当初の目的を達成できたか/新ラウンドに臨んで/日本の鉱物資源産業の
  方向
第12章 深海底鉱物資源開発問題  国連海洋法条約と南北対立  
  国連海洋法会議の経緯/深海底鉱物資源の帰属/深海底鉱物資源の開発制
  度/世界の取り組み/条約をめぐる南北対立/国際海底機構の最近の活動
  状況/深海底鉱物資源開発問題の根底にあるもの/深海底鉱物資源の探査
  ・開発について思うこと
第13章 日本周辺海域の海洋鉱物資源に対する主権的権利
       海洋鉱物資源開発のもう一つの問題  
  沿岸国の管轄権の及ぶ範囲/日本のEEZおよび大陸棚/日本が抱える近隣諸
  国との境界問題/日本近海の海洋鉱物資源の帰属
第14章 日本の鉱物資源政策
  日本の非鉄金属産業/日本の鉱物資源政策の背景・概要と実施体制/国内
  資源の探査・開発/海外資源探査/深海底鉱物資源探査/探査技術開発/
  「鉱害」防止/備蓄/国際協力(ODA技術協力事業)
第15章 人類はいかにして鉱物資源を確保していくか
       3大鉱物資源問題と5分野8目標  
  鉱物資源の恒久的確保のための理想的目標/鉱物資源問題対策の5分野8目
  標/低品位鉱から有用金属を回収する技術の開発/土や普通の岩石から有
  用金属を回収する技術の開発/金属スクラップの再資源化技術の開発/広
  報および教育活動の展開/発展途上国開発/先進国の産業構造調整/鉱物
  資源問題における先進国の役割/日本の鉱物資源政策の方向

学術図書刊行助成

お勧めBOOKS

若者言葉の研究

若者言葉の研究

生きている言語は常に変化し続けています。現代日本語も「生きている言語」であり、「…

詳細へ

犯罪の証明なき有罪判決

犯罪の証明なき有罪判決

冤罪はなぜ起こるのか。刑事訴訟法は明文で、「犯罪の証明があった」ときにのみ、有罪…

詳細へ

賦霊の自然哲学

賦霊の自然哲学

物理学者フェヒナー、進化生物学者ヘッケル、そして発生生物学者ドリーシュ。本書はこ…

詳細へ

帝国陸海軍の戦後史

帝国陸海軍の戦後史

近代日本のなかで主要な政治勢力の一翼を担った帝国陸海軍は、太平洋戦争の敗戦ととも…

詳細へ

構造振動学の基礎

構造振動学の基礎

本書の目的は,建物・橋梁・車両・船舶・航空機・ロケットなど軽量構造物の振動現象を…

詳細へ

九州大学出版会

〒819-0385
福岡県福岡市西区元岡744
九州大学パブリック4号館302号室
電話:092-836-8256
FAX:092-836-8236
E-mail : info@kup.or.jp

このページの上部へ