内容紹介
本書は,明治期に描かれた名所図録図会をテキストに,今日まで存在している141の神社を丹念に調べてその神社空間の景観構造を把握したもので,名所づくりによって都市活性化を考えている地方自治体の担当者には,貴重な情報をあたえるものとなっている。
名所とされたほとんどの神社周辺には,自治体によって指定されている「保存樹」を中心に鎮守の森が今日まで残されており,神社を訪れる方々にとって視点場としてあるいは視対象として,活用されていることを指摘している。
また,神社という古い素材に最新のコンピュータの技術を駆使して神社周辺の地形を3次元CGで立体的に再現し,当時の名所空間のマクロ的空間と景観の型を浮き彫りにしており,都市計画専門家はもちろん,図会に少なからず関心を持つ一般の方々にとっても楽しめるだろう。