内容紹介
バロックからロココに向かう激動の18世紀ヨーロッパ。絵筆一本で各地の王侯貴族の宮廷画家として活躍した放浪の画家,ベルナルド・ベロット。バロックの街並みを写真のように描く名手。本書は,このような風景画家ベロットを日本で初めて紹介した著作であり,特にベロットが親しみを込めて描いたドレスデン,その郊外のピルナ,ケーニヒシュタインの町の絵画を景観デザインの面から読み解いた著作である。
「絵になる景観」を追究する著者は,最も景観を重視した都市計画を実現したといわれるバロック期に描かれた彼の絵に着目して,このバロック期の絵画が決して古くなく,景観を考えていく上での原点であることを力説している。
本書は,景観に関心を持っている人,建築行政や景観行政など景観まちづくりを進める地方公共団体,あるいは都市計画コンサルタントにとって必須のテキストになるだけでなく,初期の風景絵画の見方もわかり易く記載されているため,広く広く市民の方々,美術愛好家の方々の関心を呼ぶに違いない。