エネルギーの視点からみた放射線(こわ)くて、(こわ)いけど、(こわ)くない

著者名
田辺哲朗
価格
定価 2,700 円 (税別)
ISBN
978-4-7985-0221-2
仕様
B5判 並製 178頁 C3040
発行年
2018年1月
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内容紹介

放射線に関しては、これまでにも様々な本が出版され、インターネットでも多くの情報を得ることが出来ます。しかし、これらは放射線が生物に与える、目に見える影響が主なテーマになっていて、目に見えにくい効果についてはあまり取り上げられていません。

そこで本書では、放射線とはエネルギーを運ぶものであるという視点から、放射線がどのようにして様々な物質(無機物、有機物、生物)にエネルギーを与えるか、また、放射線の持つエネルギーの大きさによってエネルギーをやり取りする仕組みがどのように異なるのか、という点に焦点を当て、広い観点から放射線を理解できるような記述を心掛けています。

本書を読むことにより、放射線は強<こわ>くて(かたい・つよい量子線)、恐<こわ>い(客観的にみて悪影響を及ぼし得る存在)けど、怖<こわ>くない(むやみやたらと恐れたり、否定する必要はない)ものだと理解できるようになるでしょう。

目次

 まえがき
 
第1章 放射線はエネルギーを運んでいる
 
 1-1 放射線はこわい?
 1-2 この本には何が書かれているか
  1-2-1 放射線とはエネルギーを運んでいるものである
  1-2-2 あらゆる物理・化学現象はエネルギーのやりとりで起こっている
  1-2-3 被曝とはエネルギーが与えられることである
  1-2-4 同じエネルギーを運んでいる放射線であっても、その種類によっては
      物体に与えるエネルギーは大きく変わること
  1-2-5 放射線を議論する際の物理量(単位)と放射線計測
  1-2-6 放射線エネルギーの大小または高低と放射線の強度について
 1-3 物質からのエネルギーの放出(黒体放射から放射線の放出へ)
 1-4 宇宙と自然放射線
 1-5 物理・化学現象とエネルギーのやりとり
 1-6 放射性物質と人工放射線
 1-7 まとめ
 
第2章 放射線(エネルギー量子線)とは
 
 2-1 放射線とはエネルギー量子線である
 2-2 エネルギー量子線源とその強度
  2-2-1 エネルギー量子線源
  2-2-2 エネルギー量子線源としての放射性同位元素の特性
  2-2-3 線源の形状、点線源、体積線源、面線源、空間線源
  2-2-4 空間線量率
 2-3 物質に入射したエネルギー量子線からのエネルギー付与
 2-4 被曝(人体や生物へのエネルギー付与)
  2-4-1 体外被曝
  2-4-2 体内被曝
  2-4-3 線量率(エネルギー量子線の与えるエネルギー(Gy とSv))
  2-4-4 ベクレル(Bq)からGyまたはSvへの換算
 2-5 遮蔽および除染
 2-6 生物・人体への影響
 
第3章 エネルギー量子線源(放射線源)について
 
 3-1 放射性同位元素
  3-1-1 安定同位元素と放射性同位元素
  3-1-2 放射性同位元素からのエネルギー(量子線)の放出
  3-1-3 自然に存在する放射性同位元素
  3-1-4 自然のエネルギー量子線による人体の被曝
  3-1-5 ヨウ素131とセシウム137からのエネルギー放出と被曝
 3-2 太陽からの放射
 3-3 原子炉
 3-4 福島原発
 3-5 人工エネルギー量子線源
  3-5-1 加速器
  3-5-2 X線発生装置
  3-5-3 レーザー
 
第4章 エネルギー量子線の物質(無機物、有機物、生物)への影響
 
 4-1 被曝の影響評価について
  4-1-1 なぜ安心安全な被曝線量を明言できないのか
  4-1-2 被曝の確定的影響と確率的影響
  4-1-3 低線量被曝の影響評価と被曝低減
 4-2 エネルギー量子線照射の物質への影響
  4-2-1 無機物へのエネルギー量子線照射の影響
  4-2-2 有機物へのエネルギー量子線照射の影響
  4-2-3 生物へのエネルギー量子線照射の影響
        分子のレベルの影響から、細胞・組織・そして個体への影響  
 4-3 放射線耐性あるいは損傷の回復
 4-4 入射線量と影響を受ける体積
 
第5章 被曝低減または汚染と除染
 
 5-1 エネルギー量子線源の分布と線源の除去
 5-2 体内被曝と体外被曝
 5-3 体内被曝の低減
 5-4 回復能力
  5-4-1 被曝により損傷が発生する(影響を受ける)場所とその大きさ(拡がり)
  5-4-2 被曝により生物体内に発生した損傷の回復
 5-5 短期被曝と長期被曝
 
第6章 エネルギー量子線の検出測定
 
 6-1 エネルギー量子線の種類、エネルギーおよびその強度計測
  6-1-1 エネルギー量子線の強度測定
  6-1-2 放射線強度測定(計数率)の誤差について
  6-1-3 エネルギーの測定可能な計測器
  6-1-4 カロリーメトリー(熱量計)
  6-1-5 エネルギー量子線源の強度
 6-2 被曝線量計測
 6-3 エネルギー量子線源分布の可視化
 6-4 被曝の線量当量による影響評価と測定の精度
  6-4-1 被曝による影響をSv(被曝線量)単位で比較することについて
  6-4-2 被曝線量あるいはエネルギー量子数の測定精度と測定可能桁数について
 
第7章 エネルギー量子線の利用
 
 7-1 滅菌/殺菌
 7-2 医 療
 7-3 エネルギー源としての利用
 7-4 14C年代測定
 7-5 放射性同位元素のトレーサーとしての利用
 
第8章 エネルギーと地球の歴史
 
 8-1 地球環境の変化
 8-2 生命の発生と進化
 
第9章 おわりに  エネルギー利用と放射線  
 
 9-1 エネルギーの源
 9-2 ただで使えるエネルギーはない
 9-3 化石燃料ももとはといえば太陽エネルギー
 9-4 エネルギー利用に伴うリスク
 
付録 放射線についてのQ&A
 
 参考文献
 索 引

著者紹介

田辺哲朗(たなべ てつお)
 
1947 年 三重県に生まれる
1970 年 大阪大学工学部原子力工学科卒業
1973 年 大阪大学大学院原子力工学専攻(中途退学)
1973~1995 年 大阪大学(助手~助教授)
1995~2004 年 名古屋大学教授 
2004~2012 年 九州大学教授
2012~2017 年 九州大学特任教授
2017 年 大阪市立大学特任教授、現在に至る
工学博士(1977 年)
名古屋大学名誉教授、九州大学名誉教授

書評

日本放射線影響学会 投稿論文(2018年3月1日掲載)
  評者:廣内篤久 (環境科学技術研究所生物影響研究部)、横田裕一郎 (量子科学技術研究開発機構高崎量子応用研究所)
 

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