内容紹介
本書は,人間科学を構成する心理学,社会学,地理学,民俗学,人類学のエッセンスを,「はかる・みる」という具体的な作業をとおして平明に解説したものです。
心理学では,性格を測定する方法,母子の視線のとり方と親子関係における距離のとり方,子どもの問題行動への対応の仕方などをとり上げて,人間の心と行動を「はかる・みる」方法を紹介しています。
社会学では,量的データを収集する代表的方法として,調査票調査を紹介し,現代高校生の意識を浮き彫りにしています。また質的データを収集し分析する方法が,NPO,高齢化社会を題材にして説明されています。
地理学では,地図で地域をはかる方法が,博多というまちへの人々の住まい方,福岡県の選挙を地図で表現する,九州アイランドにおける製造業の分布という3つの例から示されています。
民俗学・人類学では,私たちが地域に生きることの意味を,博多山笠という祭りと「地域通貨」という切り口から問い直しています。
このように本書では,心理学,社会学,地理学,民俗学,人類学という学問の対象と方法が,典型的な事例の紹介をとおして見事に示されています。
心と社会のことを学んでみたいあなた,あるいは心理学,社会学,地理学,民俗学,人類学という学問に関心のあるあなた,人間科学が創り出すコラボレーションの世界を体感してみませんか。