朝鮮植民地教育政策史の再検討

シリーズ名
九州大学韓国研究センター叢書 1
著者名
稲葉継雄
価格
定価 5,280円(税率10%時の消費税相当額を含む)
ISBN
978-4-7985-0027-0
仕様
A5判 上製 232頁 C3337
発行年
2010年10月
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内容紹介

植民地朝鮮の教育史(1910~45年)は,従来ほとんどが歴代総督の在任期間,あるいは「朝鮮教育令」の改定を時期区分の指標として叙述されてきた。しかし,総督のみならず政務総監・学務局長・学務課長など教育政策の立案・施行に実際に携わった人々の言動に着目すると,やや違った展開となる。本書が目指したのは,実務担当者の「顔の見える」教育政策史である。

目次

 緒言
 
第1章 朝鮮総督府初期の教育政策  統監府時代との連続と不連続  
 はじめに
 第1節 統治機構の再編
 第2節 教育の基本方針
 第3節 学校制度
  1.普通学校
  2.高等普通学校
  3.専門学校
  4.私立学校
  5.書堂
 第4節 教科書・教育内容
  1.修身
  2.国語・朝鮮語・外国語
  3.実業各科
  4.体操
 おわりに
 
第2章 水野錬太郎と朝鮮教育
 はじめに
 第1節 水野政務総監の誕生
 第2節 水野の総督府高官人事
 第3節 水野の教育政策
 第4節 臨時教育調査委員会の人脈
 おわりに
 
第3章 李軫鎬研究  朝鮮総督府初の朝鮮人学務局長の軌跡  
 はじめに
 第1節 李軫鎬の前半生
  1.日本亡命からの帰国まで
  2.道観察使~長官~知事時代
 第2節 学務局長としての李軫鎬
  1.朝鮮人学務局長の誕生
  2.学務局長としての業績
 おわりに
 
第4章 山梨総督時代の朝鮮教育
 はじめに
 第1節 教育政策関連の主要メンバー
  1.総督山梨半造
  2.政務総監池上四郎
  3.学務局長李軫鎬
  4.学務課長福士末之助
 第2節 教育政策の形成と展開
  1.普通学校の普及(いわゆる「一面一校計画」)
  2.教育内容・教科書の改編
  3.国民学校の新設
  4.師範教育の改革
  5.その他
 おわりに
 
第5章 宇垣総督時代の朝鮮教育
 はじめに
 第1節 朝鮮統治の概要
  1.宇垣総督の統治方針
  2.総督府の主要スタッフ
 第2節 主要教育政策の展開
  1.教育の「実際化」
  2.簡易学校の創設
  3.第2次朝鮮人初等教育普及拡充計画
  4.神社参拝の強要
  5.その他の「皇民化」 政策
  6.朝鮮語教育の状況
 おわりに
 
第6章 塩原時三郎研究  植民地朝鮮における皇民化教育の推進者  
 はじめに
 第1節 塩原学務局長の誕生
 第2節 塩原学務局長の活動
  1.「皇国臣民ノ誓詞」と皇国臣民体操
  2.陸軍特別志願兵制度
  3.第3次朝鮮教育令
  4.国民精神総動員運動
  5.教学研修所
 おわりに
 
第7章 朝鮮総督府学務局長・学務課長の人事
 はじめに
 第1節 歴代学務局長・学務課長の略歴
  1.学務局長
   (1) 関屋貞三郎
   (2) 柴田善三郎
   (3) 長野 幹
   (4) 李 軫鎬
   (5) 松浦鎮次郎
   (6) 武部欽一
   (7) 牛島省三
   (8) 林 茂樹
   (9) 渡辺豊日子
   (10) 富永文一
   (11) 塩原時三郎
   (12) 真崎長年
   (13) 大野謙一
   (14) 厳 昌燮(武永憲樹)
  2.学務課長
   (1) 隈本繁吉
   (2) 弓削幸太郎
   (3) 松村松盛
   (4) 半井 清
   (5) 萩原彦三
   (6) 平井三男
   (7) 福士末之助
   (8) 神尾弌春
   (9) 大野謙一
   (10) 高尾甚造
   (11) 八木信雄
   (12) 倉島 至
   (13) 本多武夫
 第2節 学務局長・学務課長人事の特色
  1. 学務局長
  2. 学務課長
 おわりに

著者紹介

稲葉継雄(いなば つぎお)
1970年,九州大学教育学部卒業。
1973年,同大学大学院教育学研究科修士課程修了。
1974年,韓国・高麗大学校大学院教育学博士課程中退。
筑波大学文芸・言語学系講師?助教授,九州大学教育学部助教授?教授を経て,
現在,九州大学大学院人間環境学研究院教授。博士(教育学)。

学術図書刊行助成

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