目次
序 章 純化の思想家
第一節 ルソーの統一像への試み
一 矛盾の思想家?
二 人間と市民を統一する試み
三 ルソーという人間への還帰
四 選択肢の提示
五 純化の力
六 三つの理念型(人間・市民・孤独な散歩者)
第二節 ルソー思想の原理と鍵概念
一 大原理
二 人間の本性は後戻りしない
三 動物から精神的存在へ
四 最初から始める
五 ルソー思想に通底する鍵概念(幸福・自由・秩序・神)
第三節 ルソー思想の展開
一 ヴァンセンヌの霊感
二 『学問芸術論』
三 『人間不平等起源論』
四 『新エロイーズ』
五 本書の課題と展開
第一章 人 間
第四節 人間か市民かの選択
一 万物の創造者の手で作られたばかりのときにはすべてが良い
二 人間と市民の区別
三 家庭教育か公教育か
四 人間愛か祖国愛か
五 人間を一つにせよ
六 人間への依存から事物への依存へ
第五節 自然の秩序
一 秩序のうちに位置をもつ
二 消極教育
三 第二の誕生とモラルな秩序
四 自己保存の自然法
五 良心の法としての自然法
六 福音書の教えとしての自然法
七 憐れみの情から生まれる自然法
八 モラルな秩序にある自然人
第六節 『エミール』のなかの『社会契約論』
一 physique – moral – civil
二 人間から市民へ?
三 『社会契約論』 からの抜粋の意味
四 国家の構成員と市民の義務
五 祖国をもたない者も少なくとも国をもっている
六 『エミールとソフィー』
第二章 市 民
第七節 反自然法論としての『社会契約論』
一 自然法
二 自然法の無力
三 人間の自然本性・構造を変える
四 廃止されえない基本法は存在しない
五 完全な人為としての社会契約
六 社会契約と自然法
七 全面的な譲渡による自然状態から国家状態への移行
八 完成された人為
第八節 国家の秩序
一 人間をあるがままの姿で捉える
二 人的国家
三 社会契約
四 自分自身と契約している
五 一般意志としての主権
六 主権の限界
七 立法権と執行権
八 政府の構造と政治体の死の必然性
九 意志主義
第九節 自然の道と脱自然の道
一 一緒になって一つの完全な全体をなす
二 第四の法と公教育・祖国愛
三 国家宗教と一般社会・特殊社会
四 法に従うこととしての自由
五 人間と市民の共存可能性
六 自分のため・他人のため
七 幸福な瞬間と第二の誕生
八 政治学と倫理学
九 ピュシスとノモス
第三章 孤独な散歩者
第十節 私を語る
一 思想を語ることから私を語ることへ
二 善良な者として
三 第三の理念型としての孤独な散歩者
四 自然人
五 神に向かって語る
第十一節 神の秩序
一 神義論としてのルソー思想
二 神義論としての『社会契約論』
三 神義論としての『エミール』
四 神は義しい
五 すべては結局秩序を取り戻す
第十二節 孤独な散歩者の幸福
一 公共の幸福から孤独者の幸福へ
二 自分の魂と語り合う喜び
三 永遠性としての現在
四 生へと生まれる
五 自然との同一化
六 私の消失
終 章 人間・市民・孤独な散歩者
一 社会化以前の人間
二 幸 福
三 自 由
四 秩 序
五 神
六 純化の思想家ルソー
あとがき
人名索引
事項索引