近代における地域漁業の形成と展開

著者名
片岡千賀之
価格
定価 7,700円(税率10%時の消費税相当額を含む)
ISBN
978-4-7985-0028-7
仕様
A5判 上製 308頁 C3062
発行年
2010年10月
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内容紹介

地域社会を支えた主幹漁業の近代における発展過程を,漁獲物の加工や魚市場の近代化と併せて考察した。九州・沖縄の9つの地域漁業ごとに組織・経営形態,漁業リーダー像といった主体に視点を据えることによって,漁業のダイナミックな発展と南西諸島における独自の組織・経営形態を明らかにした。

目次

序章 本書の目的・方法と構成
    1. 目的と方法
    2. 本書の構成
 
第1章 古賀辰四郎の八重山水産開発
  第1節 沖縄への進出と採貝業
    1. 沖縄への進出
    2. 沖縄の採貝業
  第2節 尖閣列島の探検と八重山漁業の形成
    1. 尖閣列島の探検
    2. 八重山漁業の形成
  第3節 尖閣列島の開発
  第4節 古賀の事業の衰退
  第5節 結語
 
第2章 那覇の漁業発展と鮮魚販売
  第1節 那覇の漁業の特質と地理
    1. 那覇の漁業の特質
    2. 那覇の歴史地理
  第2節 明治中期~大正中期の漁業制度と漁業
    1. 漁業制度の変遷
    2. 那覇の漁業生産
  第3節 那覇の鮮魚販売と糸満漁業
    1. 那覇の小売り市場と鮮魚販売
    2. 糸満漁業の構造
  第4節 昭和初期以降の企業的漁業の発展
    1. 深海釣りとマグロ延縄漁業の発展
    2. 企業的漁業の発展とその条件
  第5節 那覇の鮮魚市場と垣花漁家の就業形態
    1. 那覇の鮮魚販売の展開
    2. 垣花漁家の就業形態
  第6節 戦時体制下の水産業
 
第3章 沖縄県のカツオ漁業の発展と水産団体  照屋林顕の事績を中心に  
  第1節 沖縄県のカツオ漁業と照屋林顕
    1. 沖縄県のカツオ漁業とカツオ節生産
    2. 照屋林顕の略歴
  第2節 動力船カツオ漁業の導入
  第3節 沖縄県水産組合の発展
    1. 沖縄県水産組合の創設と展開
    2. 県水産組合の事業
  第4節 沖縄県水産会への改編
    1. 沖縄県水産会への改編
    2. カツオ節の検査事業
  第5節 沖縄県漁業組合連合会の設立と活動
  第6節 昭和戦前期の県水産会とカツオ節流通
    1. カツオの不漁と不況対策
    2. カツオ節流通の戦時統制
  第7節 要約
 
第4章 奄美大島におけるカツオ漁業の展開過程
  第1節 奄美の社会とカツオ漁業
    1. 奄美の社会
    2. 奄美のカツオ漁業
  第2節 カツオ漁業の勃興とその特徴
    1. カツオ漁業の伝搬と普及
    2. 奄美カツオ漁業の特質
  第3節 漁船動力化の過程
  第4節 奄美カツオ漁業の爛熟
  第5節 昭和恐慌以後のカツオ漁業の衰退
 
第5章 宮崎県におけるカツオ・マグロ漁業の発展
  第1節 統計による概観
  第2節 無動力船による「沖合化」とマグロ漁業の勃興
    1. カツオ漁業の「沖合化」と技術,経営
    2. カツオ節製造とその経営
    3. マグロ延縄漁業の勃興
    4. 商人資本の支配と後退
  第3節 漁船の動力化と企業的経営群の形成
    1. 漁船の動力化
    2. カツオ漁業の再編
    3. マグロ延縄漁業の基地化
  第4節 第二次漁船動力化と二極分化
    1. カツオ・マグロ漁業の動向
    2. カツオ漁業の二極分化
    3. マグロ漁業の転機
    4. 大型漁船の出現
  第5節 漁業賃金の変遷
    1. 明治期
    2. 漁船動力化の初期=大正期
    3. 昭和戦前期
 
第6章 宮崎県におけるイワシ漁業の展開
  第1節 イワシ漁業の概要
  第2節 イワシ漁法の変遷
  第3節 イワシ漁業の経営
 
第7章 宮崎県を中心としたブリ定置網漁業の発達と漁場利用
  第1節 ブリ定置網漁業とその発展段階
    1. ブリ定置網漁業
    2. ブリ定置網漁業の発展段階
  第2節 宮崎県におけるブリ定置網漁業の展開
    1. 第I期:明治24年以前
    2. 第II期:明治25~42年
    3. 第III期:明治43年~大正7年
    4. 第IV期:大正8年以降
  第3節 ブリ定置網における漁場利用の変遷
  第4節 宮崎県におけるブリ定置網と漁場利用
    1. 第I期:ブリ沖廻し刺網による漁場利用
    2. 第II期:日高式大敷網による漁場利用
    3. 第III~IV期:明治漁業法体制下におけるブリ定置網の漁場利用
 
第8章 長崎県・野母崎のカツオ漁業とイワシ漁業の変遷
  第1節 明治前期  漁業の成熟  
    1. カツオ釣り漁業の「沖合化」
    2. イワシ漁業  縫切網への転換  
  第2節 明治後期  漁業の資本主義化  
    1. 明治後期の漁業と漁業経営
    2. カツオ漁業の限界
    3. イワシ漁業の展開と紛争
  第3節 大正期  イワシ漁業への特化  
    1. 各村の漁業・水産加工業の展開
    2. イワシ漁業の発達  揚繰網の導入  
  第4節 昭和戦前期  揚繰網の動力化  
    1. 漁船の動力化と電気集魚灯の普及
    2. 各村の漁業・水産加工業の展開
    3. 戦時統制と野母崎の漁業
 
第9章 長崎市における漁業の発達と魚市場
  第1節 本章の課題
  第2節 明治期の漁業と鮮魚流通
    1. 長崎の漁業と鮮魚流通環境の変化
    2. 明治期の魚市場
  第3節 汽船トロール漁業の勃興と魚市場の移転
    1. 汽船トロール漁業の勃興と魚市場
    2. 鮮魚の集散状況
    3. 魚類共同販売所の移転と取引き
  第4節 以西底曳網漁業の発達と大型産地市場の確立
    1. 主力漁業の交替  汽船トロールから以西底曳網へ  
    2. 商業資本の漁業投資と関連産業の発達
    3. 鮮魚の集散状況
    4. 魚類共同販売所の取扱いと運営
  第5節 昭和戦前期における動力船漁業の広がり
    1. 漁業の展開と集積
    2. 関連産業の自営化
    3. 鮮魚の集散状況
    4. 水産物卸売市場の動向と取引き
  第6節 戦時統制下の漁業と魚市場
    1. 漁業生産の崩壊
    2. 漁業の統制
    3. 鮮魚流通の統制
 
  あとがき

著者紹介

片岡千賀之(かたおか ちかし)
1977年,京都大学大学院農学研究科博士課程単位修得退学。
鹿児島大学水産学部講師・助教授を経て,
1992年より長崎大学水産学部教授。現在に至る。
専門分野は海洋社会科学。農学博士(京都大学)。

主要著作
『南洋の日本人漁業』(1991年,同文舘),
『日本における海洋民の総合研究―糸満系漁民を中心として―』上・下(中楯興編著,1987年・1989年,九州大学出版会),
『漁場経済研究の成果と展望』(漁業経済学会編,2005年,成山堂書店)他。

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