構造振動学の基礎

著者名
幸節雄二
価格
定価 4,840円(税率10%時の消費税相当額を含む)
ISBN
978-4-7985-0032-4
仕様
A5判 並製 312頁 C3053
発行年
2010年10月
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内容紹介

本書の目的は,建物・橋梁・車両・船舶・航空機・ロケットなど軽量構造物の振動現象を解析するための基礎理論を説明することである。

本書では,軽量構造物の振動現象を解析する数値解析法の基礎として,運動方程式の導き方と解き方について詳しく説明している。説明は,バネとマスからなる単純な1自由度の振動系から,順次,2自由度系,3自由度系,多自由度系(構造物)へと展開している。特に,線形代数の固有値問題と振動の固有値問題との関係を丁寧に説明した。

また,軽量構造物の主要な構成要素である梁,平板,円筒殻について,偏微分方程式を用いた解析的な方法についても,自由振動の運動方程式の導き方と解き方を詳細に説明している。

本書の特徴は次のとおりである。
(1) ロケットの振動を例に示すことによって,構造振動学の理論を具体的に説明した。
(2) 式の展開では,途中を省略せずにできる限り詳しく示した。特に梁・平板・円筒殻の運動方程式がいずれも共通の手順によって誘導できることを詳しく説明した。
(3) 拘束がある構造物の運動方程式 MX..+KX=0 に対して,線形代数学の固有値問題 A-λIX=0 に変換して解く方法を詳しく丁寧に説明した。
(4) 拘束がない構造物(航空宇宙機・人工衛星等)の剛体モードの求め方,および固有振動数・固有振動モードの求め方を詳しく説明した。
(5) 有限要素法の基礎であるマトリックス法を用いて,梁状構造物の全体の剛性行列・質量行列の組立て方,および固有振動数・固有振動モードの求め方を詳しく説明した。

目次

 まえがき
 
1章 序論
 1.1 構造物の振動現象
 1.2 振動特性
 1.3 振動応答
 1.4 各章の内容および関係
 参考文献
 
     基礎編
 
2章 1自由度系の振動特性
 2.1 調和振動
 2.2 バネ―マス系の振動
  2.2.1 振動系の自由度
  2.2.2 1自由度系の自由振動
  2.2.3 1自由度系の振動の運動方程式
  2.2.4 減衰のない場合
  2.2.5 減衰のある場合
  2.2.6 減衰のある運動方程式の別表示
  2.2.7 対数減衰率
  参考文献
 
3章 多自由度系の振動特性
 3.1 2自由度系の振動特性
  3.1.1 運動方程式の誘導
  3.1.2 運動方程式の解法
  3.1.3 線形代数学による解釈
 3.2 3自由度系の振動特性
  3.2.1 拘束がある場合の振動特性
  3.2.2 拘束がない場合の振動特性
  3.2.3 境界条件の指定
 3.3 n自由度系の振動特性
  3.3.1 運動方程式の誘導
  3.3.2 運動方程式の解法
  3.3.3 固有振動モードの直交性
  3.3.4 運動方程式の分解
 参考文献
 
4章 行列の固有値問題
 4.1 表現行列
  4.1.1 線形変換の表現行列
  4.1.2 表現行列の間の変換
 4.2 行列の固有値問題
  4.2.1 線形変換の固有値問題
  4.2.2 行列の固有値問題
  4.2.3 行列の固有値および固有ベクトル
 参考文献
 
5章 振動の固有値問題
 5.1 質量行列を単位行列に変換する方法
 5.2 剛性行列を単位行列に変換する方法
  5.2.1 拘束がある場合
  5.2.2 拘束がない場合
   5.2.2.1 剛体モード
   5.2.2.2 拘束がないKの修正コレスキー分解
 5.3 2次形式
  5.3.1 運動エネルギー,歪エネルギーの2次形式表示
  5.3.2 運動方程式の誘導
 参考文献
 
6章 1自由度系の振動応答
 6.1 周期外力に対する振動応答
  6.1.1 強制振動
  6.1.2 共振
 6.2 周期変位入力に対する振動応答
  6.2.1 相対変位の振動
  6.2.2 絶対変位の振動
  6.2.3 振動の絶縁
 6.3 衝撃力に対する振動応答
  6.3.1 単位衝撃に対する振動応答
  6.3.2 単位ステップ力に対する振動応答
  6.3.3 一般的な衝撃に対する振動応答
 参考文献
 
7章 多自由度系の振動応答
 7.1 多自由度系の振動応答
  7.1.1 運動方程式
  7.1.2 運動方程式の座標変換
  7.1.3 振動応答の求め方
 7.2 モード法による振動応答の求め方
  7.2.1 運動方程式の座標変換
  7.2.2 モード法の利点
 参考文献
 
     応用編
 
8章 梁の振動特性
 8.1 一様梁の縦振動
  8.1.1 運動方程式の誘導
   8.1.1.1 歪
   8.1.1.2 応力
   8.1.1.3 微小要素の力の釣り合い
   8.1.1.4 運動方程式
  8.1.2 運動方程式の解法
   8.1.2.1 初期条件
   8.1.2.2 境界条件
   8.1.2.3 変数分離法
 8.2 一様円柱の捩り振動
  8.2.1 運動方程式の誘導
   8.2.1.1 せん断歪
   8.2.1.2 せん断応力
   8.2.1.3 微小円柱要素のトルクの釣り合い
   8.2.1.4 運動方程式
  8.2.2 運動方程式の解法
   8.2.2.1 初期条件
   8.2.2.2 境界条件
   8.2.2.3 変数分離法
   8.2.2.4 解法の簡略化
 8.3 一様梁の曲げ振動
  8.3.1 運動方程式の誘導
   8.3.1.1 歪
   8.3.1.2 応力
   8.3.1.3 微小要素の力,曲げモーメントの釣り合い
   8.3.1.4 運動方程式
  8.3.2 運動方程式の解法
   8.3.2.1 境界条件
   8.3.2.2 初期条件
 8.4 せん断梁理論による曲げ振動
  8.4.1 運動方程式の誘導
  8.4.2 せん断梁理論と初等梁理論の比較
  8.4.3 せん断係数の算出
   8.4.3.1 せん断力から求める方法
   8.4.3.2 せん断歪エネルギーから求める方法
 参考文献
 
9章 マトリックス法による梁状構造の振動応答の求め方
 9.1 縦振動の運動方程式
  9.1.1 伸縮変形の剛性行列の誘導
  9.1.2 伸縮振動の質量行列の誘導
 9.2 捩り振動の運動方程式
  9.2.1 捩り変形の剛性行列の誘導
  9.2.2 捩り振動の質量行列の誘導
 9.3 曲げ振動の運動方程式
  9.3.1 曲げ変形の剛性行列の誘導
  9.3.2 曲げ振動の質量行列の誘導
  9.3.3 梁構造全体の運動方程式
 9.4 部分構造法
  9.4.1 Craig-Bampton法
  9.4.2 部分構造の結合
 9.5 振動応答の求め方
 参考文献
 
10章 矩形板の振動特性
 10.1 運動方程式の誘導
 10.2 運動方程式の解法
  10.2.1 周辺単純支持の場合
  10.2.2 その他の境界条件の場合
 10.3 矩形板の固有振動数
 参考文献
 
11章 円筒殻の振動特性
 11.1 運動方程式の誘導
 11.2 軸対称振動の特性
 11.3 非軸対称振動の特性
 参考文献
 
問題の解答(一部)
索引

著者紹介

幸節雄二(こうせつ ゆうじ)
九州大学大学院工学研究院航空宇宙工学部門教授

1974年 名古屋工業大学修了
同 年 三菱重工(株)入社
N-I,N-II,H-I,H-IIロケット等の開発に従事
1999年 博士(工学) 東京工業大学
2000年 宇宙開発事業団(宇宙航空研究開発機構に統合)入社
H-IIAロケット等の設計評価に従事
2006年より現職

その他

 更新情報
正誤表(2010年10月25日初版発行分)
学術図書刊行助成

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