学際研究 プロセスと理論

著者名
アレン・F. レプコ/光藤宏行・大沼夏子・阿部宏美・金子研太・石川勝彦 訳
価格
定価 5,060円(税率10%時の消費税相当額を含む)
ISBN
978-4-7985-0098-0
仕様
B5判 並製 524頁 C3030
発行年
2013年3月
ご注文
  • 紀伊國屋
  • amazon
  • 楽天ブックス
  • セブンネットショッピング

内容紹介

 現代の学問のキーワードの1つは,学際性(interdisciplinarity)である。国際性が諸国家のつながりであることを意味するように,学際性とは諸学問のつながりを意味する。ここでいう学問とは専門分野(discipline)であり,自然科学,社会科学,人文学における個別の分野を指す(本書第4章)。著者であるレプコは,古代ギリシアから現代に至る専門分野の成り立ち,さらに学際性の持つさまざまな背景を踏まえ,具体的な学際研究のプロセスについて,主に大学生・大学院生を読者として意識し,解説している。
 今日,重要で先端的な課題に取り組む分野の多くは学際的である。共同して取り組み解決すべき問題がある所にこそ,学際性の意義がある(第3章)。学際的プロジェクトには多くの専門分野の個性的で優秀な人材が集まるため,共有する目標がない限り,自己流・唯我独尊の単なる集まりとなってしまうこともありうる。それでは決して,学際的研究のゴールである「専門分野の知見を統合し,より包括的な理解に至る」ことには到達し得ない(第9章)。学際性によって,人間は新しい知や深い理解を得る。豊かな人生を送りたいと思うならば,統合的思考は必須であると著者は論じる(第2章)。
 レプコは,学際研究プロセスの重要な各段階を「ステップ」と名づけ,明快かつ適切に位置づけている。学部や大学院の授業で本書を活用する場合には,各章末尾の練習問題に取り組むことによって,学際性を身につけるとともに学生自身の研究に適用する手がかりが得られるだろう。第6章の文献検索などは,学際研究とはいえ伝統的専門分野を修得する場合との共通要素も多い。文系から理系にわたる幅広い専門分野の多様性にも注意が払われており,社会のさまざまな実践領域で学際研究を行う場合のガイドとしても利用が期待される。

目次

 訳者はしがき
 
 序文
 
 謝辞
 
 著者について
 
第I部 学際研究について
 
 第1章 学際研究の定義
 
  本章の概要
  学際研究の意味
    学際研究に関する2つの概念化
    学際研究の「学」の部分
      伝統的専門分野のカテゴリ
      美術・舞台芸術
      応用・職業的分野
      学際分野の出現
      構成体の発展
    学際研究の「際」の部分
      「際(inter)」と論争されているスペースの関係
      「際(inter)」と知見に対する行動との関係
      「際(inter)」と統合結果の関係
      接頭辞”inter”の側面の要約
    学際研究の「研究」の部分
      なぜ伝統的専門分野は「○○研究」と呼ばれないのか
      なぜ「研究」は学際研究の必要不可欠な部分なのか
      専門分野と学際研究との違い
      なぜ「研究」は複数形か
  学際研究の定義
    学際研究の定義に合意する理由
    学際研究の権威ある定義
    学際研究の統合的定義
  学際研究ではないことは何か
    学際研究は多専門研究ではない
      2つの比喩
      象の家の寓話
    学際研究は専門横断研究ではない
    多専門性・学際性・専門横断性の違いの要約
    学際研究の前提
    学際性という用語の背後で競合する推進力
  学際性という用語が今日いかに幅広く使われているか
    学際性の形式
    学際性は活動を記述するために用いられる
      知識を統合する活動
      差異を認め,向き合う活動
    学際性は研究プロセスを記述するために用いられる
    学際性は生み出される知識の種類を記述するために用いられる
    学際性は知識生産における変化を記述するために用いられる
  学際活動を記述するためによく用いられる比喩
    境界横断の比喩
    橋渡しの比喩
    マップ化の比喩
    バイリンガリズムの比喩
    比喩の再考
  本章の要約
  注
  練習問題
 
 第2章 学際性を推進するものをマップ化する
 
  本章の概要
  学際研究・教育の主要な推進力
    自然と社会に本来備わっている複雑さ
    単一の専門分野に制限されない課題や問題を探究したいという欲求
    社会的課題を解決する必要性
    革命的知見と生産的科学技術を生み出す必要性
  専門分野についての学際的批評
    特殊化はより広い文脈を見えなくする
    特殊化はトンネル視を生み出す傾向がある
    専門分野主義者は他の専門分野の視点を正当に評価できない場合がある
    価値のあるテーマは専門分野間の隙間にはまることがある
    創造的打開は学際的知識を必要とすることがある
    専門分野は複雑な課題に包括的に取り組むことができない場合がある
    専門分野は過去の時代の産物である
  専門分野の形成と学際性の起源
    総合大学と専門分野の起源
    啓蒙運動と科学革命が専門分野に与えた影響
    18世紀後半から19世紀前半における専門分野の強化
    19世紀後半と20世紀前半における知識の専門職化と現代の専門分野の登場
    学際研究と学際性の出現
      一般教育運動
      冷戦時代と学際性
      1960年代の大学改革と学際研究の出現
      学際研究が学問分野になる
  学際性の前提
    学界の外にある現実は,研究・教育に学際的アプローチを必要とする
    専門分野は学際性にとって基礎的である
    専門分野単独で複雑な問題に取り組むことは妥当ではない
    専門分野の視点は部分的であり偏っている
  学際性によって育まれる認知的能力
    他者視点取得技術を育て,応用する
    複雑な課題の知識構造を発展させる
    一致しない知見の間に共通基盤を創出し,発見する
    複数の専門分野の一致していない知見を統合する
    認知的進歩や,課題に関するより包括的な理解を生み出す
    学際教育がもたらすものについての再考
  学際研究者の特性と技能
    特性
    技能
    学際研究者の特性と技能に関する再考
  本章の要約
  注
  練習問題
 
第II部 専門分野の知見の利用
 
 第3章 研究プロセスの開始
 
  本章の概要
  学際研究プロセスとは何か
    意思決定のプロセス
    意思決定プロセス
    発見的な意思決定プロセス
    反復的な意思決定プロセス
    再帰的な意思決定プロセス
    学際研究プロセスの2つの補足的特徴
  学際研究プロセスの統合モデル
    マップの利点
    ステップに関する注意
        ステップ1:課題を定義し,研究上の疑問を述べる
    複数の専門的知見を必要とする複雑な課題を選び,疑問を提起する
    課題や疑問の範囲を定義する
    学際研究プロセスに反する3つの傾向を避ける
      専門的偏り
      専門的特殊用語
      個人的偏り
    課題を提起し,疑問を述べる際の3つのガイドラインに従う
      学際的課題・疑問の表明例
      読者への注釈
        ステップ2:学際的アプローチの利用を正当化する
    課題や疑問は複雑である
    課題に関する重要な知見や理論が,複数の専門分野から提出されている
      読者への注釈
    単一の専門分野では,課題に対して包括的に取り組み解決することはできない
    課題は,未解決の社会的な要請や問題である
      学際的アプローチを用いることを正当化する表明の例
  本章の要約
  注
  練習問題
 
 第4章 専門分野の紹介
 
  本章の概要
  知識構造と学界の組織編成
    専門分野
    専門性
    専門分野のカテゴリ
  専門的視点の概念
    専門的視点
    専門的視点という用語をめぐる誤解
    専門的視点の概念にまつわるその他の問題
    専門的視点の概念の明瞭化
    専門的視点の定義
    専門的視点の使用
  専門的視点の特徴的要素
    現象
      現象の分類
      読者への注釈
    認識論
      主要な認識論的アプローチでなされる真理の主張が持つ性質と限界
      さまざまな認識論
      さまざまな理論に関する認識論や学派
      読者への注釈
    仮定
      基礎的な仮定
      読者への注釈
    概念
    理論
      理論の種類
      学際活動に対する理論の重要性
      読者への注釈
    方法
      学際活動に対する専門的方法の重要性
      さまざまな方法
      認識論と方法の関連
      読者への注釈
  本章の要約
  注
  練習問題
 
 第5章 関連する専門分野の特定
 
  本章の概要
        ステップ3:関連する専門分野を特定する
  関連する可能性がある専門分野を特定する
    本格的な文献検索を行う前に関連する可能性がある専門分野の特定を行う
      専門分野に関する典型的な現象を特定する
      広義の専門的視点を使う
      標準的な開始方法の例
    視点の総合と分類アプローチ
    課題に関連する可能性がある専門分野を特定する方法のまとめ
  課題をマップ化し,その専門的部分を明らかにする
    研究マップ
    概念・原理マップ
    理論マップ
    システム思考とシステムマップ
      学生がシステム思考とシステムマップを使うことの利点
      課題ベースの学習と研究ベースの学習に対するシステム思考の類似性
      システム思考はどのように学際的学習を促進し,研究プロセスを促すか
  関連する可能性がある専門分野から,最も関連している専門分野へと絞り込む
    「最も関連している」の定義
    関連する可能性がある専門分野と最も関連している専門分野との違いを見分ける3つの質問
      これらの質問を,さまざまなテーマに関連する可能性がある専門分野に当てはめる
      読者への注釈
      ヒトクローンに関する課題に上述の質問を当てはめてみる
  本章の要約
  注
  練習問題
 
 第6章 文献検索
 
  本章の概要
        ステップ4:文献検索を行う
  文献検索の定義
  文献検索をする理由
  学際研究者が直面する特殊な困難
    網羅すべき範囲が広い
    学際研究者は専門分野の研究者の言葉に誘惑される危険性がある
    学際研究者はその独特の視点の文脈の中に,関連する各専門分野の知見や理論を置かなければならない
    図書館やデータベースの分類法が学際研究者にとって不利である
  学際的文献検索のやり方
    初期検索
      図書館での書籍の整理分類
    直接検索
      検索方策
      文献検索を開始するときによくある失敗
    本格的な文献検索
      読者への注釈
      本格的な文献検索の2つの困難
      先行の研究者によって明らかになったつながりを足がかりとする
      専門研究者に相談する
      知識に関するその他の資料
  本章の要約
  注
  練習問題
 
 第7章 関連する専門分野の適合性の向上
 
  本章の概要
        ステップ5:関連する各専門分野の適合性を高める
  各専門分野を十分に理解する
    各専門分野からどれだけの知識を得る必要があるか?
      学部生の例
      単独で活動している学際研究者の例
      適合性の度合いを変化させる必要がある場合の例
      読者への注釈
      関連する専門分野における適合性を高めるには借用が必要
    各専門分野からどのような種類の知識を得る必要があるか?
      どの専門的要素が課題に適用できるのか?
      課題の特徴とは何か?
      研究プロジェクトの目標は何か?
  理論における適合性を高める
    理論を理解する理由
    概念と理論の関連性
    進め方
      まず,1つの専門分野内の理論を特定する
      次に,関連するその他の専門分野内の理論を特定する
      演繹法を使って理論を選択すべき場合
  専門的方法における適合性を高める
    専門的方法を定義する
    自然科学・社会科学・人文学で使われる方法
      自然科学
      社会科学
      人文学
    方法に関する学際研究の立場
      専門分野の適合性は専門的研究方法を含む必要がある
      専門分野の適合性は,量的方法対質的方法の議論に関する学際研究の立場を知ることを含む
      質的研究に関する2つの誤解
      質的研究方法を使う理論的意味合い
    専門分野が好む方法と理論との関連性
    方法の選択法
      科学において基礎研究を実施する場合
      人文学において基礎研究を実施する場合
    基礎研究で用いられる専門的方法と学際研究プロセスとの関係
    研究の方法論における三角測量の概念
    基礎研究を実施する際に使う専門的方法の決定
  専門分野の適合性のテクストによる証拠を提示する
  本章の要約
  注
  練習問題
 
 第8章 課題の分析と知見の評価
 
  本章の概要
        ステップ6:課題を分析し,各知見または理論を評価する
  各専門分野の視点から見た課題を分析する
    各専門的視点から捉えた課題を分析する方法
      専門的視点から捉えた課題を分析する例
      専門的視点から捉えた課題の分析の再考
  個人的偏りという問題
  知見の評価
    一般的な専門的視点
    知見を生み出すのに使う理論
      理論の記述・その仮定の発見・その説明力の長所と限界の特定
  課題に対する各理論の適切さを評価するために「5W」の問いかけをする
    知見の証拠として使われるデータ
      裏づけとなる証拠が専門の視点をどのように反映しているかを表す例
      以上の例についての再考
    用いられた方法
    知見に含まれる現象
    先行研究を評価するためのチェックリスト
  本章の要約
  注
  練習問題
 
第III部 知見の統合
 
 第9章 統合の理解
 
  本章の概要
  統合とは
    統合または総合の定義
  統合に関わる論争
    一般主義者の批判
      専門分野の断片化
      認識論的障壁
      一致しない視点とイデオロギー
      ありうる結果の多様性
      理論の競合と他の統合の仕方への偏好
    統合主義者の場合
      認知心理学による,統合を支持する理論
      統合を達成するための技術を扱う学際研究プロセスの新しいモデルの展開
  幅広い範囲の複雑な課題に関する草分け的な統合的著作の出版
  学際的で専門横断的な主要組織による,統合が果たす中心的な役割の主張
  統合の利点
  最も包括的な理解を選択するための,簡単に実施できるテスト
    完全な統合というゴール
  統合を行うために必要な条件
    単一専門性を乗り越える
      他者視点取得
      一致しない見解の比較検討を行う
      全体的思考
    深さ・幅・統合による三角測量を行う
      専門分野の深さ
      専門分野の幅
      学際的統合
    精神の7つの特性を養う
  本書で用いる統合のモデル
    モデルが統合するもの
    モデルによる統合の方法
      文脈づけ
      概念化
      課題解決
      広範モデルがどのように統合を行うかについての要約
    統合の結果はどのようなものか
      統合は認識論的差異を調整する
      統合は新しく,より包括的である
      統合は部分の和より「大きい」
      統合の結果が持つ特徴の要約
    広範モデルに関する議論で浮かび上がる3つの基本的疑問
  本章の要約
  注
  練習問題
 
 第10章 知見間の不一致の特定
 
  本章の概要
        ステップ7:知見または理論の不一致とその源を特定する
  知見の不一致を特定することの重要性
    知見が一致しない場所
      同一分野の研究者による知見の不一致
      異なる分野の研究者による知見の不一致
    なぜ知見は一致しないのか
      知見に埋め込まれた概念
      仮定
      専門的知見をまとめる
  知見およびその不一致の源としての理論
    知見・概念・仮定の源としての理論
      知見の源としての理論
      概念の源としての理論
      仮定の源としての理論
      理論に関する情報をまとめる
    同一分野の理論は知見の不一致の源となりうる
    同一分野の理論は仮定の不一致の源となりうる
    異なる分野の理論は知見の不一致の源となりうる
  不一致とその源を伝達することに関する読者への注釈
  本章の要約
  練習問題
 
 第11章 概念間の共通基盤の創出
 
  本章の概要
        ステップ8:概念や理論の間で共通基盤を作り出す
  協同的コミュニケーションと学際的統合の基礎としての共通基盤の理論
    学際的共通基盤の定義
    共通基盤は協同的コミュニケーションのために必要である
    共通基盤は型にとらわれない思考を必要とする
    言語の使用を通じて共通基盤は獲得される
      読者への注釈
    概念や理論が一致しないときは共通基盤が作られなくてはならない
    概念や理論を直接的に変更するか,または仮定に変更を加えることで共通基盤を作り出す
    統合のための概念・理論の準備には共通基盤の創出が不可欠である
    共通基盤の創出は直観の使用を必要とする
      共通基盤を獲得するために直観がどのように役立つかの実例
    狭い学際性または幅広い学際性の文脈において共通基盤の創出は異なった形で遂行される
    共通基盤を作り出すことは学際研究者の責任である
  概念と仮定に変更を加える
    進め方
      共通基盤を探すとき
      研究をどのくらい包括的なものにするかを決める
      共通基盤を何から作り出すかを決める
      概念と仮定を検討する最良の実践方法
    概念と仮定を変更するためのテクニック
      1.再定義法
      2.拡張法
      3.変換法
      4.体制化法
      これらのテクニックの価値
    想定された価値や権利が一致しない場合に共通基盤を作り出す
      これら5種類の妥当性を擁護する議論
      知見が倫理に関して一致しないかどうかをどうやって知るか
    価値と倫理的立場が一致しないときに共通基盤を作り出す
  本章の要約
  注
  練習問題
 
 第12章 理論間の共通基盤の創出
 
  本章の概要
  専門的理論
    専門的理論の定義
    理論の検討が必要な場合
  理論とモデル・変数・因果プロセスの関係
    モデル
    変数と関係
    独立変数と従属変数
    なぜ包括的な理論は他の関連する理論の変数を含むのか
    理論は,包括的理論の構築に影響を与えるマクロまたはマイクロレベルもしくはその両方の変数を含んでいてもよい
  変数と因果性
    理論の違いが最小限でしかなく,代わりにプロセスに焦点を絞る場合
  一連の理論を変更する
    状況A:1つ以上の理論が他の理論よりも広い適用可能性を持つ
      各理論が扱う変数と因果関係をすべて特定する
      少数の大まかな見出しでカテゴリ化することで,可能な限り変数を減らす
      各理論にいくつのカテゴリが含まれるかを決める
      すべてのカテゴリを含む理論がない場合,最も拡張に適した理論を決める
      適用可能範囲を拡張することで理論を変更する
  理論を批評する
    状況B:一連の理論の中に他の専門分野から要素を借りてきているものがない
      理論に埋め込まれた概念を変更する
      理論の背景となる仮定を変更する
      概念と仮定を変更する
  本章の要約
  注
  練習問題
 
 第13章 より包括的な理解と理論の構築
 
  本章の概要
        ステップ9:より包括的な理解を構築する
  より包括的な理解とより包括的な理論の定義
    定義を解きほぐす
    関与するプロセス
  変更された概念から,より包括的な理解を構築する
    人文学から
    社会科学から
  変更された理論から,より包括的な理論を構築する
    因果的・命題的統合を達成するための6つの方策
      連続的・縦並び的因果統合
      水平的・並列的因果統合
      多重因果的統合
      レベル横断・多レベル因果統合
      空間的・分析的因果統合
  本章の要約
  注
  練習問題
 
 第14章 理解の再考・テスト・伝達
 
  本章の概要
        ステップ10:理解を再考してテストし,伝達する
  より包括的な理解または理論について再考する
    全般的な意味においてプロジェクトから実際に学習したことに関する再考
    省略または短縮されたステップに関する再考
    自分自身の偏りに関する再考
      自分自身の偏りを問う
      自分の研究の偏りについてチェックする
      理論的アプローチへの自分の固執について再考する
    関連する専門分野・理論・方法に関する自分の限られた理解について再考すること
  学際研究の質をテストする
    学際性のために要求される学習結果
    認知と指導に関する研究に基づく,学際的学習に帰属する認知的能力
    他者視点取得技術を発達させ適用する
    学際的探究にふさわしい課題の知識構造を発展させる
    一致しない専門分野の知見の間に共通基盤を作り出す
    一致しない知見を統合する
    課題の認知的進歩と学際的理解を生み出す
      認知的進歩の概念の背後にある4つの核となる前提
  より包括的な理解をテストまたは評価すること
    ニューウェルのテスト
    トレスらのテスト
    ショスタクのテスト
    ボイクス・マンシラらのテスト
    上述のテストを統合する
  統合の結果を伝達すること
    比喩
    モデル
      モデルの例
    物語
      物語の例
      読者への注釈
    新しい結果に到達するための新しいプロセス
      新しいプロセスの例
    新しい成果物
    既存の政策への批評や新しく提案された政策
      批評の例
    新しい問題もしくは科学的探究への道
    専門分野へ伝達し戻すことの価値
  本章の要約
  注
  練習問題

 結論
 
 付録
 
 重要用語集
 
 引用文献
 
 著者索引
 
 事項索引

著者紹介

光藤宏行(みつどう ひろゆき)
九州大学大学院人間環境学研究院 人間科学部門 准教授
専門分野:知覚心理学
 
大沼夏子(おおぬま なつこ)
九州大学大学院人間環境学研究院 人間科学部門 学術協力研究員
専門分野:認知心理学
 
阿部宏美(あべ ひろみ)
九州大学大学院人間環境学府 行動システム専攻健康行動学コース 修士課程
専門分野:行動科学
 
金子研太(かねこ けんた)
九州大学大学院人間環境学府 教育システム専攻教育学コース 博士後期課程
専門分野:教育法制・高等教育論
 
石川勝彦(いしかわ かつひこ)
九州大学大学院人間環境学府 行動システム専攻心理学コース 博士後期課程
専門分野:発達心理学

学術図書刊行助成

お勧めBOOKS

若者言葉の研究

若者言葉の研究

生きている言語は常に変化し続けています。現代日本語も「生きている言語」であり、「…

詳細へ

犯罪の証明なき有罪判決

犯罪の証明なき有罪判決

冤罪はなぜ起こるのか。刑事訴訟法は明文で、「犯罪の証明があった」ときにのみ、有罪…

詳細へ

賦霊の自然哲学

賦霊の自然哲学

物理学者フェヒナー、進化生物学者ヘッケル、そして発生生物学者ドリーシュ。本書はこ…

詳細へ

帝国陸海軍の戦後史

帝国陸海軍の戦後史

近代日本のなかで主要な政治勢力の一翼を担った帝国陸海軍は、太平洋戦争の敗戦ととも…

詳細へ

構造振動学の基礎

構造振動学の基礎

本書の目的は,建物・橋梁・車両・船舶・航空機・ロケットなど軽量構造物の振動現象を…

詳細へ

九州大学出版会

〒819-0385
福岡県福岡市西区元岡744
九州大学パブリック4号館302号室
電話:092-836-8256
FAX:092-836-8236
E-mail : info@kup.or.jp

このページの上部へ