アフリカの老人 老いの制度と力をめぐる民族誌
内容紹介
アフリカでは人はいかに老いていくのか。アフリカをこよなく愛する文化人類学者たちが、
エチオピア、ケニア、マダガスカル、コモロ諸島、南アフリカの老人たちの多様な姿を長年にわたるフィールドワークにより描き出す比較民族誌。地球規模の高齢化が叫ばれるなかで、老いることの価値と目標を問い直す。各フィールドで撮影された老人たちや儀礼の写真を多数収録。
目次
著者紹介
執筆者紹介(①現職 ②最終学歴 ③主著 ④研究テーマ)
阿部年晴(あべ としはる)…第1章
① 埼玉大学名誉教授
② 東京大学大学院社会学系研究科人類学専攻課程博士課程単位取得退学
③『アフリカの創世神話 新装版』[紀伊國屋書店, 2013]
『アフリカ人の生活と伝統』[三省堂, 1982]
④ ケニア・ルオ人の世界観、アフリカの伝統的世界観、基層社会論、神話論
慶田勝彦(けいだ かつひこ)…第2章・コラム1
① 熊本大学文学部教授
② 九州大学大学院教育学研究科博士課程中退
③「エヴァンズ=プリチャードの遺産と隠された半分の真実 アザンデにおけるベンゲ型言説と司法的手続き 」『文化人類学』80巻2号[2015]
「キベラ・レッスン ケニアにおける土着性とヌビのアイデンティティ」太田好信 編『政治的アイデンティティの人類学 21世紀の権力変容と民主化に向けて』[昭和堂, 2012]
④ ケニア海岸地方ギリアマ社会における影(キヴリ)の思想に関する研究
深澤秀夫(ふかざわ ひでお)…第3章
① 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所教授
② 一橋大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学
③『ルイ・カタ著『マダガスカル旅行記1889年〜1890年』1895年 所収画像・解説』[東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所, 2015]
飯田卓・森山工・深澤秀夫編『マダガスカルを知るための62章』[明石書店, 2013]
④ マダガスカルを中心とするインド洋西域島嶼世界における人・モノ・観念の相互関係と共振性の社会人類学的研究
田川 玄(たがわ げん)…序章・第4章
① 広島市立大学国際学部准教授
② 一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了
③『人と動物、駆け引きの民族誌』[共著, 奥野克巳 編, はる書房, 2011]
『せめぎあう宗教と国家 エチオピア 神々の相克と共生 』[共著, 石原美奈子 編, 風響社, 2014]
④ 世代と年齢の人類学
中村香子(なかむら きょうこ)…第5章
① 京都大学アフリカ地域研究資料センター研究員
② 京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程修了、博士(地域研究)
③ “Adornments of the Samburu in Northern Kenya: A Comprehensive List”[Center for African Area Studies, Kyoto University, 2005]
『ケニア・サンブル社会における年齢体系の変容動態に関する研究』[松香堂書店, 2011]
④ 東アフリカ牧畜社会と年齢体系、観光と民族文化、アフリカ女性のライフコース
亀井哲也(かめい てつや)…コラム2
① 中京大学現代社会学部教授
② 埼玉大学大学院文化科学研究科修了
③ Ndebele Decorative Cultures and their Ethnic Identity, in Kenji Yoshida & John Mack (eds.), Preserving the Cultural Heritage of Africa: Crisis or Renaissance?[James Currey, 2008]
「伝統と近代のずれ:ンズンザ・ンデベレの領域」『リトルワールド研究報告』第19号[2003]
④ 民族意識と博物館
花渕馨也(はなぶち けいや)…第6章
① 北海道医療大学看護福祉学部教授
② 一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了
③『精霊の子供』[春風社, 2005]
『コモロ諸島の民話Ⅰ&Ⅱ』[小田淳一・花渕馨也・Salim Hatubou・Abodou Bacar Said 編訳, 東京外国語大学・アジア・アフリカ言語文化研究所, 2015]
④ フランスのコモロ系移民と故郷とのトランスナショナルな紐帯
椎野若菜(しいの わかな)…第7章
① 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所准教授
② 東京都立大学大学院社会科学研究科社会人類学専攻単位取得退学、博士(社会人類学)
③『結婚と死をめぐる寡婦の民族誌 ケニア・ルオ社会における女が男を選ぶとき』[世界思想社, 2008]
『シングルのつなぐ縁 シングルの人類学1』[椎野若菜 編, 人文書院, 2014]
④ 家族・親族、ジェンダー、セクシュアリティ、居住
野口真理子(のぐち まりこ)…コラム3
① 日本アフリカ学会会員
② 京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程修了、博士(地域研究)
③「アフリカ農村社会における高齢者の暮らし エチオピア西南部における高齢者の活動量と生活自立度の評価から 」『ZAIRAICHI:アフリカにおける社会的な性差を基盤にした知識や技法を理解するためのあらたなアプローチ』No. 1[2013]
“Aging among the Aari in rural southwestern Ethiopia: Livelihood and daily interactions of the ‘Galta’”, in [Kaneko, Morie and Shigeta, Masayoshi eds., 2013 African Study Monographs Supplementary Issue, No. 46, 2013]
④ アフリカにおける老いとケア
増田 研(ますだ けん)…第8章
① 長崎大学多文化社会学部、熱帯医学・グローバルヘルス研究科 准教授
② 東京都立大学大学院社会科学研究科社会人類学専攻博士課程単位取得退学、博士(社会人類学)
③『フィールドの見方(FENICS 100万人のフィールドワーカー 第2巻)』[増田研・梶丸岳・椎野若菜 編, 古今書院, 2015]
④ 国際保健における人類学的アプローチ、アフリカ社会の人口高齢化