ある助産婦の物語
- 定価 6,380円(税率10%時の消費税相当額を含む)
アメリカ開拓時代ニューイングランドの助産婦マーサ・バラード(1735–1812)が残した日記と、新聞・統計・裁判記録・書簡等の膨大な資料とを分析し、当時の医療や家庭生活・性風俗・地域経済・宗教的対立・政治的背景などを再現する。女性史的視点から、妊娠や出産、薬草栽培・機織り・家事といった記録に残りにくい女性たちの日常生活や、助産婦と男性医師の関係なども描き出す。抜粋された日記は簡潔で淡々とした日々の記録だが、ウルリッヒの丹念な調査と分析から、アメリカ初期の社会と、晩年まで天職をまっとうした強靭で心...

「第三帝国」以前の「第三の国」
- 定価 3,960円(税率10%時の消費税相当額を含む)
本書は、前近代的な宗教思想であった「第三の国」das dritte Reich が、近代的な社会思想として展開し、ナチスの「第三帝国」das Dritte Reich へと変容していく過程を明らかにする。12世紀イタリアで生じた歴史を三分割する思想が、ナチスの語彙とは異なる意味で用いられ、19世紀後半から第一次世界大戦期までのヨーロッパやロシア、それに日本に多大な影響を与えたことは、いまだ学術的に究明されていない。 「第三の国」の言説をめぐる以上のような研究状況の中で、トーマス・マンを考察の中心...

前近代イスラーム社会と〈同性愛〉
- 定価 5,280円(税率10%時の消費税相当額を含む)
本書は、およそ9-14世紀のイスラーム社会における〈同性愛〉という概念が芽生えていく過程を明らかにするものである。一般に、現代に至るまでイスラーム法では同性愛が禁じられているが、歴史的には男性同士の性愛が文学作品などに広く描かれている。本書は、このような状況を歴史学的に理解するため、様々な事例を文献に則って具体的に示すと同時に、「近代の産物」とされる「同性愛概念」に類似したものが、イスラーム社会において前近代において芽生えつつあったことを明らかにする。 序章から第1章まで、かなりの紙幅を割いて、...

日本社会と継承語教育
- 定価 3,960円(税率10%時の消費税相当額を含む)
本書のねらいは、継承語や母語・母文化が当事者やその家族、民族にとってのみならず、日本社会にとっても重要かつ必要な文化資源・言語資源であることを様々な事例をもとにひも解いていくことである。このため、本書では、継承語と継承語教育について、法制度・政策、文学・心理学、言語習得・学習動機、異文化コミュニケーション、継承語教育理論、教育実践、人権といった様々な領域から切り込んでいく。 序では、日本の法制度において多文化・多言語環境で育つ子どもに対する平等性・公平性をもった学習権保障が抜け落ちている点を指摘...
