本書はサンティアゴ巡礼時代の北部スペインの彫刻を,12世紀を中心に図像学,様式の面から分析・研究し,成果をまとめたものである。 序章において聖ヤコブ信仰成立の時代背景を解明し,本論ではアラゴン,ナバーラ地方の実地調査から得られた詳細なデータを提供する。わけてもウエスカの「聖シルウェステル伝」図像の同定はイベリア半島初見であり,著者の直感の冴えを認識させる。また,巻末資料,邦訳『巡礼案内記』は研究論文としても充分読み応えのある労作である。 長期間にわたり作品群に接してきた著者ならではの視点や考察が,中世スペインのキリスト教美術に新たな光を投げかける本書は,美術史,文化史分野における必見の書であろう。
序 章 巡礼の時代と美術 聖ヤコブ信仰の成立/『コンポステーラの歴史』と『カリクスティヌス 写本』/巡礼の美術研究史/サンティアゴ大聖堂の献堂/工房論第1章 サン・ファン・デ・ラ・ペーニャ修道院 サン・ファン・デ・ラ・ペーニャ修道院の歴史/聖ヤコブ巡礼とサン・ ファン・デ・ラ・ペーニャ修道院/サン・ファン・デ・ラ・ペーニャ修 道院回廊柱頭の美術史的位置づけ第2章 エヘーア・デ・ロス・カバジェーロス,サン・サルバドール教会 エヘーア・デ・ロス・カバジェーロスの歴史/研究史/様式分析・図像 解釈/結 論第3章 ルナのサン・ヒル教会 研究史/扉口,内陣及び身廊柱頭/編年試論第4章 ウエスカ,サン・ペドロ・エル・ビエーホ教会回廊柱頭 サン・ペドロ・エル・ビエーホ教会の歴史/様式的研究/図像分析第5章 結 論資 料 『巡礼案内記』
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