目次
凡 例
序 章
一 宋代文人と版本の普及
二 南宋出版文化における地域性
三 士大夫と中間層文人
四 王十朋と陸游
五 関連する先行研究の概要
六 本書の構成と目的
上篇 「状元」王十朋と南宋出版業
第一章 王十朋編『楚東唱酬集』について 南宋官僚文人の地方赴任と出版
一 はじめに
二 紹興二十四年、二十七年の科挙が象徴するもの
三 「楚東詩社」と張浚
四 楚東唱和活動とその内容
五 『楚東集』の刊行と王・張唱和
六 官僚文人の唱和としての楚東唱和活動
第二章 王十朋『会稽三賦』と史鋳注
一 南宋期における創作主体の移行
二 王十朋「会稽三賦」と周世則注
三 史鋳と『会稽三賦』
四 史鋳注の特徴
第三章 「王状元」と福建 王十朋と『王状元集百家注東坡先生詩』の注釈者たち
一 南宋刊本と冠辞
二 百名の注釈者について 王文誥の分類を手がかりに
三 王十朋と反秦檜勢力
四 王十朋と故郷・温州
五 泉州赴任期における王十朋と注釈者の交流
六 朱熹による王十朋評価とその継承
七 「王状元」の価値と王状元本の編集者
下篇 陸游の四川体験と『剣南詩稿』の刊刻
第四章 陸游と四川人士の交流 范成大の成都赴任と関連して
一 陸游と四川
二 陸游と張縯の交流
三 「放翁」の号と四川人士
四 范成大の成都赴任
五 陸游詩の憂国表現と四川人士
六 陸游と「元祐」
七 南宋における文学交流と地方出版の成熟
第五章 陸游の厳州赴任と『剣南詩稿』の刊刻
一 問題の所在 陸游『剣南詩稿』とその読者層
二 陸游の知厳州拝命と詩人陸游の名声
三 『剣南詩稿』初編本から厳州刊本へ
四 厳州刊本への反応からみた陸游評価
五 蔵書家・山陰陸氏と厳州の出版
第六章 南宋の陸游評価における入蜀をめぐって 宋代杜甫詩評を手がかりとして
一 問題の所在
二 陸游の同時代評価と杜甫
三 宋代杜甫詩評と四川
四 おわりに 実地踏破の重視による行旅の変容
終 章
一 集注本、詩話総集と中間層文人の諸相
二 中間層文人と江湖詩人
三 南宋文化の地域的偏差
初出一覧
あとがき
索 引