明治以降最大のキリスト者,内村鑑三(1861―1930年)は,近代日本の多くの歴史的出来事(不敬事件,帝国主義批判,非戦論等)に関わっているが,本書では,その背景を形成するキリスト教思想に考察の射程を限定し,その核心と展開を解明する。札幌での入信以来終生維持される宇宙論的神の概念と米国アマスト大学で初めて獲得された贖罪信仰(十字架のキリスト),この二つの中心思想がどのように交わり,内村の壮年期のキリスト教思想を形成しているか,さらに,この思想がどのようにして晩年の再臨思想(終末論)へと発展していくかを,同時代のキリスト者,横井時雄,藤井武,海老名弾正,中田重治の思想と比較しつつ究明する。
第1章 キリスト教への入信と有神論的進化論 少年時代の精神史/札幌における唯一神教/有神論的進化論第2章 贖罪信仰と宇宙論的神の概念の結合 贖罪体験に向かって/『求安録』における「贖罪の哲理」/キリスト を中心とする宇宙観/藤井武「単純なる福音」の批判を通した贖罪論第3章 復活信仰と再臨思想 再臨思想の唱道/海老名と内村における復活論/中田と内村における 再臨思想第4章 贖罪,復活,再臨――『羅馬書の研究』を中心に 「神の義」と「信仰」――ロマ書第三章の贖罪論――/「神の子たち」 の生――ロマ書第八章の聖霊論――/贖罪と再臨――後期のキリスト 論へ向けて――
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