生命・情報・機械

シリーズ名
熊本大学生命倫理研究会論集6
著者名
高橋隆雄 編
価格
定価 3,080円(税率10%時の消費税相当額を含む)
ISBN
978-4-87378-867-8
仕様
A5判 上製 250頁 C3012
発行年
2005年6月
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内容紹介

生命倫理研究とは,現実の諸問題の本質を解明するとともに,問題解決に向けての具体的指針を模索するものである。それには倫理学をその任に堪えうるように鍛え上げることと多くの分野にわたる共同作業が不可欠である。本論集は日常的な共同研究を基礎にして,徹底した討議をへて成った論文集である。
「情報」を中心テーマとする本書では,医療情報や遺伝子情報をめぐる倫理的諸問題はもとより,情報環境と人間,機械と生命との根本的関係や人間の尊厳のあり方の考察を通じて,生命と情報に関する本質的な問題が論じられている。「遺伝子」,「ケア」,「ヒト胚と人間の尊厳」,「よき死」,「環境」を主題としてきたこのシリーズも本巻でひとまず完結する。

目次

第1章 遺伝子情報と環境要因………………………………山村研一
 
     ――FAP発症過程に見る――  
  言葉の定義/表現型に対する現在の遺伝学的考え方/ゲノムサイズと
  遺伝子数/家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)
第2章 情報環境と人間………………………………………中山 將
  情報の成立/情報と知/環境としての情報/情報の特異性
第3章 デジタルとバイオ……………………………………高橋隆雄
 
     ――機械・生命・尊厳――  
  デジタルテクノロジーとバイオテクノロジー/生命の世界と機械の世
  界/遺伝子の時代の「尊厳」概念
第4章 機械と人間の組みあわせについて…………………船木 亨
  わたしは機械であるか/機械と真理/人間は機械であるか/機械と生
  物/人間工学/疲労の現象学/巨大なもの
第5章 生命と情報をめぐる思想史序説……………………八幡英幸
      ――カントの有機体論を中心に――  
  カントの有機体論/生命と情報思想史的考察へ
第6章 遺伝情報におけるプライバシーと守秘義務………松田一郎
  プライバシーと守秘義務/遺伝情報とその特性/遺伝情報における所
  有権の成立と特許/遺伝差別の防止
第7章 医薬情報とビジネス…………………………………田中朋弘
  ソリブジン事件/インサイダー取引の倫理性/医薬情報とビジネス
付 論 バイオテクノロジー…………………………………加藤佐和
      ――小史と現状・課題――  
  バイオテクノロジーとは/バイオテクノロジー小史/バイオテクノロ
  ジーの現状と課題

学術図書刊行助成

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