流域林業の到達点と展開方向

著者名
深尾清造 編
価格
定価 5,720円(税率10%時の消費税相当額を含む)
ISBN
978-4-87378-605-6
仕様
A5判 上製 368頁 C3061
発行年
1999年10月
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内容紹介

 1991年の森林法改正で登場した森林の流域管理システム政策。この森林・林業政策の基調を農民的家族経営の確立という視角から,モデル流域の一つである新興林業地の宮崎県耳川流域を実証的に研究した書である。主に若手研究社が足と目と耳でかせいだ成果であり,林家の生産構造,直系家族と「むら」の変容,森林組合及び第三セクターの事業展開と役割,特用林産物の経営構造,木材の流通・加工体制,森林のレクリエーション利用といった耳川流域の多角的な分析となっている。
 同時に,第2部は林業労働力と森林管理問題,第3部は山村における家族経営の存立基盤と林野土地問題に関するベテラン・中堅研究者の論文をまとめており,次世紀に向けて森林・林業政策の展開方向について総括的な問題提起を行っている。
 編者の九州大学の定年退官を記念して17人の各世代研究者が集って執筆した書である。
 

目次

  はじめに                             (深尾清造)
  第1部 宮崎県耳川流域における流域林業システム
 第1章 家族経営的林業の存在形態と展望               (興梠克久)
 第2章 林家の家族変動と森林管理問題                (佐藤宣子)
 第3章 木材の産地形成における森林組合の役割            (山本美穂)
 第4章 諸塚村における林業第三セクターの意義            (堀 靖人)
 第5章 新興林業地における国産材産地形成の動向と課題
      ――宮崎県耳川流域の分析――              (渡辺昭治)
 第6章 シイタケ生産農林家の経営構造
      ――宮崎県諸塚村を事例に――              (松原恵子)
 第7章 山村地域における観光資源の現状分析
      ――新しい森林文化の創造に向けて――         (村瀬房之助)
  第2部 林業労働力と森林管理問題
 
第8章 林業労働力の安定雇用実現への道程
      ――上球磨森林組合の取り組み――            (岡森昭則)
 第9章 伐出業における高性能林業機械化と労働組織の再編方向     (遠藤日雄)
 第10章 新規参入林業労働者の住宅問題に関する一考察         (小池正雄)
 第11章 林家の経営マインドの後退と森林資源政策           (堺 正紘)
  第3部 山村における家族経営の存立基盤・林野土地問題
 第12章 森林国有の意義と日本の国有林問題              (野口俊邦)
 第13章 生協運動と交流型産直の現状と課題
      ――水・食と農林をめぐって――             (上田 実)
 第14章 韓国におけるイタヤカエデ樹液の採取農林家の再生産構造    (姜 学模)
 第15章 むら・いえ・土地のトポロジー
      ――共同体(むら),家族・世帯(いえ)と小農的農地市場――  (加藤光一)
 第16章 農民層分解論と農民的林業に関する覚書            (山田良治)
 第17章 アグロフォレストリー                    (飯田 繁)

学術図書刊行助成

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