自然科学

斜張橋の長大化が世界的趨勢として行われている。本書は中央支間900ｍという現在着工されている最大級の橋を上回る長大斜張橋の開発を試みたもので，斜張橋の最新の設計技術を知る上で参考になる。

最近の日本クモ学のめざましい発展に呼応して，斯界の重鎮がクモの学名の語源と和名を縦横に解説した好著。学名と和名の語源の他に，日本産クモ類の分類の現状を知ることができる格調高い学術書である。

高血圧の予防や治療について，健康処方という新しい視点から，医学はもとより運動，栄養，生活面からその理論と実際を解りやすく解説する。とくに実践例では，軽度の高血圧者に対して運動（テニス）を中心に指導したものを紹介する。

本書は，現代日本農業の構造展開を規制する重要な要因として顕在化してきた地代の存在構造を，主要農業地帯の農業展開とかかわらせて実証的に分析し，さらに当面する地代政策の課題を総合的に掘り下げた，農業経済研究者や農政担当者の必読の書である。

本書は，ロンドン中央理工科大学での海洋生態学の一般的分野についての講義録として1968年に初版が刊行されて以来，改訂を重ねながら20年を越える長寿を保っているものである。我が国においても，海洋学，生物学，水産学を学ぶ学生達にとって海洋生態学に関する適切な入門書となるであろう。

土木学会西部支部設立50周年記念出版。第1部では九州・沖縄の主要な土木施設150余件を紹介し，第2部では治水・港湾・道路から都市計画などの分野の技術的進歩の足跡を経験豊かな執筆者が概観する。

本書は，大学教養課程において，初等力学を一応学習した人が，演習を通して，問題を解く力を養うことを目的として編まれたものであり，力学の真髄を学べるように工夫されている。

学名の「文法」を縦横に解説すると共に，動植物の学名を豊富に例示して，その語源と構成法を明らかにした力作。知識派のあなたに贈る貴重な一冊です。

世界の趨勢として普及しつつある限界状態設計法をわが国の基礎の設計に取り入れていくために，広く海外規準を紹介する。

九州は，古くからスギのさし木造林が盛んで，各地に多くのさし木品種がある。著者は，30余年にわたる綿密な調査・研究によって，これら品種の同定，整理を行い，林業上の遺伝的諸特性を明らかにした。また，ヒノキのさし木在来品種「ナンゴウヒ」をはじめ，ヒノキの林業品種についても詳述した。

九州大学出版会 Kyushu University Press