〈領域化〉する空間多文化フランスを記述する

著者名
滝波章弘
価格
定価 5,400 円 (税別)
ISBN
978-4-7985-0119-2
仕様
A5判 上製 336頁 C3036
発行年
2014年3月
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内容紹介

空間を境界づけ,場所を特徴づけるという意味での〈領域化〉と,多彩な風土や多様な人々という意味での「多文化」との関係を,パリの場末界隈や郊外団地,南仏プロヴァンス地方の農村やラングドック地方の港町,そしてフランス・オートサヴォワからスイス・ジュネーヴにかけてのジュヌヴォワの国境間地域を対象に,対話や出来事を重視するフィールドワーク,および図像分析や計量分析を組み込んだテクスト分析で明らかにする。そして,あまり知られていないフランスとその周辺地域の様相を関係的,動態的,多角的な視点で捉える。

目次

序章
 
 I 多文化と観光・余暇
   □ 崩れる「六角形」  □ 観光・余暇の研究  □ 空間的不連続
 
 II 領域性から〈領域化〉へ
   □1980年代の領域性概念  □ 2000年代の領域性概念
 
 III 領域に関わる視点
   □ 領域アイデンティティ  □ 越境行為と領域側の反応
   □ 領域内での雰囲気  □ 領域の地理的呼称
 
 IV 地域を記述する意義
   □ 地域の描き方  □ パリ,ミディ,ジュヌヴォワ
 
 第一章 パリの場末と郊外の差
 
 I 日常に現われる〈領域化〉
   □ メニルモントン広場で  □ ペリフェリックは境界か?
 
 II ギド・ブルー&ギド・ルタール
   □ 周縁性への志向  □ 場末と郊外の空間表象
 
 III 諸ガイドが描く場末と郊外
   □ ベルヴィルの映像  □ エスニックガイド
   □ イヴリィの社会地誌  □ ビューポイント  □ ケバブ
 
 IV オーセンティシティ
   □ 他者性の限界としての場末  □ 変わるギド・ブルーの姿勢
 
第二章 オルネ3000団地とサッカー
 
 I 「ブラック=ブラン=ブゥール」
   □「ラカイユが世界一を!」  □ オルネ=スゥ=ボワ
   □ ルモンド紙の目  □ 地元ブゥールの目
 
 II 93県のシテ"3keus"
   □ 壁やシャッターの落書き  □ セフュが伝えるもの
   □ 子供達の見るシテ
 
 III ガリオン/朝市/カップ
   □ ボンディ・ブログの訪問  □ 催し物に参加して
   □ リリアン・テュラム
 
 IV フット/ベトン/コセック
   □ シテ出身選手  □ ベトンの路上フット
   □ クラブと地理的スケール
 
 V 郊外の〈領域化〉の力学
   □ 喜びの熱気,消される熱気  □ サッカーの意義
 
 第三章 セヨン,南仏の丘の上の村
 
 I プロヴァンスの地形と居住
   □ 丘を上り下りする村  □ なぜ丘上立地は続く?
 
 II 村はよみがえった!
   □ セヨンの丘上集落  □ 1960年代の社会変化
   □ 20世紀初めの水平移動
 
 III セヨンとミストラル
   □ 丘上と盆地の局地気候  □ 場所の対比
   □ 地方風ミストラルの作用  □ 集落と家屋の形
 
 IV 〈領域化〉する丘上集落
   □ 近代化と「澄んだ空気」  □ 村人が語るセヨン
   □ 外国人とセカンドハウス
 
第四章 地中海の港町セットと色彩

 
 I ラングドックの「真珠」
   □ 陸繫島,砂州,港  □ セットは色の町か?
 
 II イタリア風の色彩と街並み
   □ ファサードの色  □ 観光地区の色分布
   □ カルチエ=オーの色彩分布  □ 黄色いゲストハウス
 
 III カラフルな景観は創られた
   □「南=色」のイメージ  □ 1980年代後半の色彩計画
 
 IV 市と観光局の〈領域化〉戦略
   □ 島,色彩,イタリア...  □ 市の公式ロゴ
   □ 観光パンフレットの配色  □ 流布するカラフル
 
 V カラフルから「青」へ
   □ 多面的なカラフルさ  □ イメージの膨張を止める
 
第五章 国境が結ぶジュヌヴォワ地域
 
 I 同じ地形,同じ言語
   □ 二つの「孤島」と一つの地域  □ 国境線画定の経緯
 
 II 通貨レートの影響
   □ 隣国への買物  □ フロンタリエの流動
 
 III 国境の両側の非対称性
   □「別荘」は隣国に  □ 越境する観光・余暇
   □ 非対称な国境景観
 
 IV 人々の領域アイデンティティ
   □〈領域化〉した意識と行動  □ アンヌマス都市圏
   □ 国境に接するボセ村  □ 国境にモスク?
 
 V 境界線を越えるとき...
   □ ジュネーヴ人のサレーヴ山!  □ カラ村を走る国境線
   □ ローヌ川左岸の旧市街
 
第六章 ジュネーヴ湖岸のホテル

 
 I 商品としての「雰囲気」
   □ 雰囲気を創ること  □ 新しい空間経験
 
 II ジュネーヴのホテル
   □ ホテルを調べる  □ ホテルを分ける
 
 III 総支配人側の方針と姿勢
   □"ボーリヴァージュ"  □"ノガ・ヒルトン"  □"シゴーニュ"
 
 IV 場所の雰囲気と〈領域化〉
   □ 「ゲニウス・ロキ」  □ 賑わう「小さな町」
   □ 暖炉のある「家」  □ 雰囲気の巧妙な空間制御
 
終章
 
   □ 切り口としての〈領域化〉  □ パリ郊外からジュネーヴ国境まで
   □ 多文化と〈領域化〉
 
 仏語圏地名リスト
 
 あとがき

著者紹介

滝波章弘(たきなみ あきひろ)
慶應義塾大学文学部を卒業,京都大学文学研究科で博士取得。高知大学人文学部助教授を経て,現在は首都大学東京都市環境学部准教授。アリアンス・フランセーズ・パリ校で仏語,ジュネーヴ大学で専門を学び,パリ第12大学ほかで研修。関心は,欧州などの仏語圏と現代日本の諸地域の地域文化や風景風土や空間表象。

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