第4版 家族社会学 基礎と応用

著者名
園井ゆり・浅利宙・倉重加代 編
価格
定価 2,200円(税率10%時の消費税相当額を含む)
ISBN
978-4-7985-0342-4
仕様
A5判 並製 224頁 C3036
発行年
2022年12月
その他
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内容紹介

今日、日本において戦後以降、主要な家族形態として存続してきた、夫婦と未婚の子からなる家族 20世紀近代家族 が変容してきている。本書は、この近代家族における家族機能上の諸問題と家族形態上の諸変化を多角的に分析し、その将来展望を示すという目的のもとに刊行されたものである。

2001年の初版刊行から「家族社会学」の講義用テキストとして好評を博し、改訂を加えながら版を重ねてきたが、第4版でもこれまでと同様、基礎編と応用編に分け、汎用性を考慮した構成となっている。基礎編では家族の社会学的定義、家族の変動、配偶者選択と結婚、夫婦関係、親子関係、高齢者の家族関係といった家族社会学の主要な学問領域における諸議論を中心に解説し、応用編では結婚の多様化、生殖補助医療、就業と家族、少子化と子育て支援、児童虐待と里親制度、中高年世代と家族、高齢者介護といった、家族が抱える現代的問題について検討を行った。その際には、家族集団における成員間の関係だけでなく、家族が直面するさまざまな問題に柔軟に対応するための社会的支援制度や、求められる社会環境の整備等、政策的なヴィジョンも提供できるように努め、多様化する家族形態の将来的展望を示した。

目次

 はしがき
 
   第1部 基礎編
 
第1章 家族とは何か
 
 1 家族とは
  家族の定義/家族の特徴/家族と世帯
 2 家族構成
  家族類型/家族の典型/家族の分類
 3 家族機能
  家族の機能/子どもの社会化
 
第2章 家族の変動
 
 1 家族変動論
  家族変動論の問題関心/国勢調査からみた家族の動向/家族変動に影響を与える諸要因/家族変動の
  諸側面
 2 近代日本と戦後から高度経済成長期にかけての家族変動
  法制度と家族イデオロギー/産業構造の変化と家族の動向
 3 低成長期以降(1970年代後半以降)の家族変動
 4 家族変動の行方:「家族の個人化」と現代の家族問題
  「家族の個人化」といいう動向認識/家族内コンフリクトへの関心とネットワークという視点
 
第3章 配偶者選択と結婚
 
 1 配偶者の選択
  配偶者選択の範囲/配偶者選択の方式/同類婚と異類婚
 2 結婚成立への過程
  デイトとコートシップ/私的了解と婚約
 3 結婚
  結婚の概念/社会制度としての結婚/結婚の機能
 
第4章 夫婦関係
 
 1 夫婦関係の内部構造
  役割関係/勢力関係/情緒関係
 2 家制度と夫婦関係
  明治民法で規範化された夫妻と役割関係/家制度と夫婦の勢力関係/家制度と夫婦の情緒関係
 3 近代家族と夫婦関係
  近代家族の萌芽/第2次大戦後の家族転換/夫婦の役割関係/夫婦の勢力関係/夫婦の情緒関係
 4 現代の夫婦関係
  共働き世帯と夫婦の役割関係/家族の性別役割分業規範と愛情規範/個人化意識の高まり
 5 離婚と再婚
  離婚に対する社会の考え方/日本の離婚の現状/現代の離婚の原因について/離婚後の親権/再婚
 6 夫婦関係の今後
 
第5章 親子関係
 
 1 親子関係の内部構造
  地位と役割/家族周期/社会化
 2 家族周期と親子関係
  新婚期/育児・教育期/円熟期/高齢期
 3 多様な親子関係
  ひとり親世帯/離婚と親権:共同親権/ステップファミリー/親子関係の多様性/今日的親子関係の
  一層の理解に向けて
 
第6章 高齢者と家族
 
 1 現代社会における高齢者
 2 高齢者の家族構成
  高齢者の世帯構造の動向と地域性/家族構成の背景や内実の多様化と直系家族制
 3 高齢者と家族の関係性
  子・孫との付き合い方に関する意識/子との関係性/親子間におけるある程度の自立志向がもつ意味
 4 老親扶養と家族関係
  老親扶養に対する家族社会学の問題関心/老親扶養をめぐる意識と現代的動向
 5 「老い」と高齢者と家族をめぐって
 
   第2部 応用編
 
第7章 結婚の多様化
 
 1 未婚化・晩婚化
  未婚化・晩婚化の現状/結婚相手に求める条件のミスマッチ/男女交際の変化と結婚難
 2 多様化する結婚
  事実婚/同性婚、同性パートナーシップ制度/PACS
 3 結婚後の姓をめぐって
  夫婦同姓の歴史/選択的夫婦別姓をめぐる議論/同姓、別姓への評価
 4 新しい親密圏
 
第8章 生殖補助医療と家族
 
 1 生殖補助医療とは
 2 生殖補助医療をめぐる問題
  身体的負担/経済的な負担/技術の不確実性と精神的負担/第三者からの提供による親子関係の複雑さ/
  卵子や身体の商品化/他者の身体を利用することの是非/男性不妊をめぐる状況
 3 日本における生殖補助医療をめぐる状況
  生殖補助医療をめぐる状況:1990年代まで/政府による生殖補助医療についての検討経過/生殖補助
  医療法の概要と課題/母親に関する規定/出自を知る権利
 4 ライフプランと不妊治療
  不妊治療と仕事の両立/自由意思による選択・決定のために
 
第9章 就業と家族
 
 1 近代家族と就業
  日本的経営における就業/女性の労働力率
 2 日本的経営の揺らぎと就業
  雇用の多様化/2009年問題と2018年問題
 3 非正規雇用の増大がもたらすもの
  サービス産業化の影響/正規雇用と非正規雇用の格差
 4 非正規雇用女性が直面する課題
  非正規化する女性/なぜ非正規で働くのか/非正規雇用とDV
 5 必要とされる支援
  女性の就業促進/公的な就業・子育て支援
 
第10章 少子化と子育て支援
 
 1 少子高齢化の現状
  合計特殊出生率の低下/戦後初めの「少子化対策」/少子化以降の少子化対策
 2 完結出生児数減少の要因
  理想子ども数と完結出生児数のギャップ/子育てコストの上昇/豊かな社会で進む少子化
 3 どのような子育て支援が必要か
  ふたり親家庭への支援/ひとり親家庭への支援/ステップファミリーへの支援
 
第11章 児童虐待と里親制度
 
 1 児童虐待とその背景
  児童虐待問題の現状/児童虐待問題の背景/家族社会学における児童虐待問題の位置づけ
 2 里親制度の展開と意義
  社会的養護制度/家庭養護制度/里親制度の展開/里親制度の意義
 3 児童福祉の将来展望
  児童虐待防止の取り組み/児童福祉の発展に向けて
 
第12章 中高年世代と家族
 
 1 中高年世代と家族変動
  中高年とは/人口ピラミッドからみる中高年世代/今を生きる中高年世代の特徴
 2 ロスジェネ世代が抱える問題
  ロスジェネ世代の特性/超高齢社会とロスジェネ世代/ひきこもりの実態と8050問題
 3 中高年者の社会的孤立の問題に挑む
  地域包括支援センターの相談事例から学ぶ/相談事例への対応:見守りから介入へ/中高年世代と
  家族の将来と支援の仕組み
 
第13章 高齢者介護の諸問題
 
 1 高齢者介護の動向と家族の抱える諸問題
  高齢者介護の動向/介護の担い手と家族の抱える諸問題
 2 高齢者介護に対する家族社会学の問題関心
  身辺介護の担い手をめぐる問題/家族問題と社会的支援に対する関心
 3 高齢者介護に対する社会的支援の動向
  家族政策と福祉レジーム/高齢者介護の脱家族化と再家族化
 4 高齢期における配偶者喪失と家族
  配偶者喪失の影響/社会集団との接点/「家族に関する語り」をめぐる相互作用/死別経験を通した
  家族関係の再構築と自我の再形成過程
 
 事項索引
 人名索引

著者紹介

園井ゆり(そのい ゆり) はしがき、第1章、第3章、第11章
広島大学准教授
 
浅利 宙(あさり ひろし) 第2章、第6章、第13章
広島大学教授
 
倉重加代(くらしげ かよ) 第4章、第5章、第8章
鹿児島女子短期大学教授
 
森 康司(もり こうじ) 第7章、第9章、第10章
久留米大学非常勤講師
 
青山泰子(あおやま やすこ) 第12章
自治医科大学准教授

その他

 訂正(2022年12月20日第4版発行分)
 
 162頁 表11.1 1列7行目
 
  誤:②委託/入所時の平均年(歳)
  正:②委託/入所時の平均年齢(歳)
 
 208頁(事項索引) サ行 3行目
 
  誤:3歳児神話 67, 151
  正:3歳児神話 67, 150
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