Rによる経済・経営データ解析入門

著者名
譚 康融
価格
定価 3,300円(税率10%時の消費税相当額を含む)
ISBN
978-4-7985-0359-2
仕様
A5判 並製 276頁 C3033
発行年
2023年10月
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内容紹介

本書はフリーソフトウエアRについて、基本から解説した上で、高度なプログラミング技法やパッケージの利用法、さらには企業の効率的経営や資産運用への応用法を解説するものである。

まず操作手順の基本として、Rコンソールでコマンドを入力して簡単なプログラミングを行う方法や、エディターを用いた、長くてやや複雑なプログラムの作成などを詳細に述べたあと、複雑なプログラミングに利用される各種パッケージの使い方も分かりやすく解説している。本書により読者はRに関するプログラミングスキルを習得することができるであろう。

ついで第Ⅰ部では、企業経営効率の分析手法を解説し、主に回帰分析、ロジスティク回帰分析、データ包絡法(DEA:Data Envelopment Analysis)などの手法について、Rプログラミングを用いた実例を示す。さらにSCM手法(Synthetic Control Method)や、クラスター分析と判別分析、SVM(Support Vector Machine)手法など、近年、政策分析やAI学習、データマイニングなどの分野で用いられるようになった分析手法を取り上げ、経営・管理分野への応用例を示す。

さらに第Ⅱ部では、金融工学の基礎を確認し、金融市場や金融派生市場への評価、資産管理の計量的手法などを取り上げる。2次計画法を用いたポートフォリオの最適化やBS(Black-Scholes)公式を用いたオプションへの評価、一般極値分布(GEV:Generalized Extreme Value)を用いた株価や気温変化の解析、金融時系列データやネットワーク通信トラフィックデータにおける転換点(Change Point)の検出、確率微分方程式(Stochastic Differential Equation)の構造変化(Structural Change)の検出など、実例を示しながら金融工学の基本手法ならびにRを用いたプログラミングを実践する。

本書を通してRを用いた経済・経営データの数量解析の理論および応用問題を学ぶことにより、企業の効率的経営管理の実現や、絶えず変化している経営環境への適応を図ることができるであろう。

目次


 
第1章 フリーソフトウェアRの基礎
 
 1.1 コンソール画面での計算
  1.1.1 スクリプトでプログラムを書く
 1.2 ファイルの読み書き
 1.3 関数の利用
 1.4 高精度なグラフィックス機能
 1.5 パッケージのインストール
 1.6 プログラミングの処理文

第Ⅰ部 企業経営の数量的評価手法
 
第2章 回帰分析
 
 2.1 回帰分析の基本
 2.2 企業経営への回帰分析の適用
 2.3 ロジスティック回帰分析
 2.4 経営・財務指標
 
第3章 DEAアプローチ
 
 3.1 DEAの概略
 3.2 DEAの計算ソフト
 3.3 数値例
 
第4章 SFA手法
 
 4.1 SFAの概略
 4.2 パッケージの利用と数値例
 4.3 各都道府県の生産効率性評価
 
第5章 SCM手法による政策評価
 
 5.1 SCM手法の概要
 5.2 数値例
 
第6章 クラスター分析と判別分析
 
 6.1 クラスター分析
 6.2 判別分析
 6.3 企業経営への判別分析の応用
 6.4 Support Vector Machine
 6.5 One-Class SVMによる異常値の検知

第Ⅱ部 金融市場における計量分析
 
第7章 理財ツールおよびリスク管理
 
 7.1 ポートフォリオの最適化
 7.2 オプションとBlack-Scholes公式
 7.3 極値理論と応用例
  7.3.1 極値理論の応用
 
第8章 金融時系列転換点の検出
 
 8.1 マーケットの急激な変動
 8.2 転換点を検出する必要性
 8.3 CP検出の数理的手法
 8.4 数値シミュレーションおよび実証分析
  8.4.1 数値シミュレーション結果
   実証分析の結果
    GBPの場合/VaR-GBP/USDの場合/VaR-USD
 
第9章 ベイズ推定
 
    共役分布/将来のイベントの予測/適切な事前分布の選択尺度
 9.1 サンプリング手法について
    ギブスサンプラー (Gibbs Sampler) /MHアルゴリズム
  9.1.1 パッケージrstan
 
第10章 ベイジアン手法の応用
 
 10.1 モデルの記述
 10.2 数値シミュレーションの結果
 10.3 株価時系列データの転換点の検出
 10.4 SDEにおける構造変化の検出
  10.4.1 Jump-Diffusion SDEについて
  10.4.2 ジャンプ拡散 (Jump-Diffusion) SDEの具体例
  10.4.3 数値実験の結果
  10.4.4 ポートフォリオの構成に与える影響
 10.5 通信トラフィック転換点の検出
  10.5.1 DoS攻撃と通信トラフィック
  10.5.2 数値実験
  10.5.3 実測通信トラフィック解析及びその転換点の検出
  10.5.4 解析結果のまとめ
    回線Aについて
  10.5.5 曜日ごとの解析結果
    A回線の曜日ごとの基本統計量
  10.5.6 転換点の検出
 10.6 COVID-19の新規感染者数の例
  10.6.1 実証分析の結果
    ドイツのケース/イタリアのケース/オーストリアのケース
 10.7 ISによるレア・イベントの測定
  10.7.1 IS法によるレア・イベントの確率の測定
  10.7.2 重点サンプリング (Importance Function) の決め方
  10.7.3 数値例
 
第11章 MRSA手法による実証分析
 
 11.1 MRSA手法の概要
 11.2 実証分析の結果
  11.2.1 ドイツのCOVID-19の新規感染者数の状況
  11.2.2 MRSAの解析およびその結果
  11.2.3 COVID-19増加率について
 11.3 GARCHモデルへの適用
  11.3.1 GARCHモデルをDAX収益率への適用
  11.3.2 COVID-19の増加率をGARCHへ適用した結果
 11.4 ボラティリティを用いたMRSA解析の結果
 
参考文献
索引

著者紹介

譚康融(たん こうゆう)

1987年、復旦大学計算機科学学部情報科学科卒業。銀行勤務などを経て、現在、
久留米大学経済学部・大学院比較文化研究科教授。博士後期課程指導教員。 2000年、
九州大学大学院経済学研究科経済工学専攻博士課程修了。博士(経済学)九州大学。
コロンビア大学統計学部客員教授、オーストラリア国立大学数理科学院客員フェロー、
カリフォルニア大学サンタバーバラ校統計学部客員教授を兼任。
オペレーションズ・リサーチ、データマイニング、金融工学、企業評価、情報文化論
などの研究・教育に従事。

著書:
『電子商取引と情報経済』(共著、2001年、九州大学出版会)
『SASによる金融工学』(共著、2002年、オーム社)
"Theoretical Advances and Applications in Operations Research-Modeling
  Non-normal Phenomena"(共著、2011年、九州大学出版会)

学術図書刊行助成

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