家族崩壊と子どものスティグマ [新装版] 家族崩壊後の子どもの社会化研究

著者名
田中理絵
価格
定価 3,520円(税率10%時の消費税相当額を含む)
ISBN
978-4-87378-995-8
仕様
A5判 並製 204頁 C3037
発行年
2009年6月
その他
平成16年度 日本子ども社会学会研究奨励賞受賞
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内容紹介

家族崩壊を機に子どもが付与されるスティグマの性質・レッテル貼りの過程・その解消に関して,子どもがどのように理解し解決を試みるのか,いかなる援助を必要としていたのかについて,実証的データに基づき子どもの視点から解明しようとした研究の成果。

目次

序 章 本研究の課題と方法
  第1節 家族崩壊と子どもの社会化  研究の意義と目的  
  第2節 本研究の課題設定
  第3節 本研究の対象と方法
第1章 家族崩壊と子どもの社会化に関する研究の検討
  第1節 先行研究の検討
    (1) 社会病理としての家族崩壊に関する研究の特徴
    (2) 本研究の視点
  第2節 家族崩壊と子どもの社会化に関する研究方法
    (1) 問題の同時的モデルと継起的モデル
    (2) 「家族崩壊を経験した子ども」の社会化研究の方法
第2章 家族崩壊と児童養護
  第1節 児童養護施設の社会的役割
    (1) 児童養護の体系
    (2) 児童養護施設の社会的役割
    (3) 児童養護施設および入所児童の現状
  第2節 養護施設および入所児童に対する社会的イメージ
    (1) 養護施設児童の幼稚園入園拒否事件
           トラブル・メーカーとしての養護施設  
    (2) 養護施設における体罰事件
  第3節 本章の摘要
第3章 家族崩壊と子どものモラル・キャリア
  第1節 本章の目的と分析枠組み
    (1) 本章の目的
    (2) 分析枠組み
    (3) 分析方法と調査の概要
  第2節 予備的考察
    (1) 予備的考察の目的および方法
    (2) 分析
    (3) モラル・キャリア各段階の画定
  第3節 児童養護施設入所前のモラル・キャリア
    (1) 処遇の偶然的与件
    (2) 地位降格
    (3) 家族崩壊を経験した子どもへの憐憫と排除
  第4節 児童養護施設入所期間中のモラル・キャリア
    (1) 第一次的調整
    (2) 第二次的調整
  第5節 児童養護施設退所後のモラル・キャリア
    (1) 予期的社会化
    (2) 負荷としての家族
  第6節 本章の摘要
第4章 家族崩壊と子どものスティグマ
  第1節 本章の目的と分析枠組み
    (1) 本章の目的
    (2) 理論的枠組み
    (3) 分析方法と調査の概要
  第2節 スティグマとしての家族崩壊と児童養護施設入所経験
    (1) 家族崩壊後の子どものスティグマ
    (2) 自己の帰属するカテゴリー
  第3節 自己呈示における情報操作
    (1) 隠蔽
    (2) 部分的隠蔽
    (3) 公表
  第4節 スティグマの軽減・解消過程
    (1) 家族崩壊後の子どものスティグマの特質
    (2) スティグマの軽減・解消段階
           万能薬(panacea)としての「普通」  
  第5節 本章の摘要
第5章 家族崩壊と子どものパースペクティブ
  第1節 本章の目的
  第2節 家族崩壊を経験した子どものパースペクティブ
    (1) 2つのパースペクティブ
    (2) ダブル・バインド
  第3節 ダブル・ライフの問題
終 章 要約と今後の課題
  主要参考文献
  参考資料
  索引

著者紹介

田中理絵(たなか りえ)
1973年 東京都生まれ
2000年 九州大学大学院教育学研究科博士課程修了(教育社会学専攻)
1998-2001年 日本学術振興会特別研究員
現在 山口大学教育学部准教授(教育社会学)

学術図書刊行助成

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