近世民事責任法の研究

著者名
金田平一郎 著/和仁かや 監修
価格
定価 6,820円(税率10%時の消費税相当額を含む)
ISBN
978-4-7985-0238-0
仕様
A5判 上製 386頁 C3032
発行年
2018年9月
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内容紹介

日本近世法制史学の礎を築いた故金田平一郎氏(九州帝国大学法文学部/法学部教授)の学位論文が、七十年の時を経て遂に上梓される。徳川幕府法上における民事責任の体系的研究の試みとして、当時の法制度が債権の担保に如何なる姿勢を示していたかを様々な角度から考察し、前近代日本における債権法制度、ひいては民事責任の全体像を緻密かつ明晰に描出する。

幕府法のみならず著者が通暁していた大坂法、そして九州地域との比較も視野に入れた集大成的な研究成果でありながら、未公刊かつ学界関係者の間でも長らく存在自体知られて来なかった大著に、遺族・教え子からの寄稿を加え、初期法制史学及び九州帝国大学法文学部の学問伝統を再現する。史料に対する該博な知見に基づき当時の法思考枠組に即して広く柔軟に抽出し、それらを改めて現行法制度の概念を慎重に用いて分析した、いわゆる「法科派」法制史学の真骨頂であり、また現行制度を考える上でも大きな示唆を与えうる、貴重な1冊。

目次

 口 絵
 凡 例
 
はしがき/金田平一郎(以下、第六編までが学位論文)
 
第一編 徳川時代の民事責任法
 
 序説
 第一章 責任の範囲
  財産責任/財物責任/身的責任/財産責任、財物責任及び身的責任の相互関係
 第二章 責任の実現
  責任執行の主体/責任執行の方法
 第三章 責任の発生
  質入契約/保証契約/給付契約/不法行為/法律上の責任
 第四章 責任と債務との区別
  責任なき債務/債務なき責任/債務主体、責任主体異別/債務内容、責任内容相違/
  債務限度、責任限度相異/附説
 結語
 
第二編 徳川時代の私的差押契約
 
第三編 徳川時代の他人の行為に対する責任制
 
第四編 徳川時代の『仲ヶ間事』制
 
第五編 「公事方御定書」上の損害賠償法
 
第六編 明治前半期の民事責任法
 
 解題/和仁かや
 
 寄稿「金田先生の思い出」/秀村選三(九州大学名誉教授)
 手記「父の生きた時代を追って  ささやかなルーツと世相の一端  」/金田久仁彦(金田平一郎氏長男)
 
 主要著作一覧
 あとがき/和仁かや
 索 引

著者紹介

<著者>
金田平一郎(かねだ へいいちろう)
1900(明治33)年 茨城県に生まれる。
東京帝国大学法学部法律学科 (独逸法選修) 卒業。
1928 (昭和3) 年より九州帝国大学法文学部法制史講座担当講師・助教授・教授。
1949 (同24) 年 九州大学医学部附属病院にて逝去。

<監修者>
和仁かや(わに かや)
東京大学法学部第3類 (政治コース) 卒業。
同大学院法学政治学研究科 (基礎法学専攻) 、神戸学院大学法学部講師・准教授を経て
2015 (平成27) 年より九州大学大学院法学研究院 (法史学講座) 准教授。

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