アートプロジェクトの可能性
- 定価 7,480円(税率10%時の消費税相当額を含む)
全国津々浦々で展開するアートと地域のコラボレーション。今やコミュニティ再生や町おこしの切り札となったアートプロジェクトだが、この潮流はどこから来て、どこへ向かうのだろうか?本書は、アートプロジェクトの成立と変遷を現代芸術・文化政策・市民社会の観点から跡づけ、さらに表現活動を通して人々をつなぐ仕組みと方法を、教育・まちづくり・福祉に関する事例をもとに実証的に解き明かそうとするものである。そして、芸術創造と公共政策の重なり合う場に生まれる活動の意義を俯瞰的に論考する。芸術家として、大学教員としてアー...
香港カトリック教会堂の建設
- 定価 8,580円(税率10%時の消費税相当額を含む)
世俗化した近現代における「宗教」、「信仰」、「宗教建築」、そして「信徒」とは何か。この大きな問いに、本書は香港というひとつの事例の全容を提示しつつ、世界史的に位置づける。意外にも香港には、カトリック信者が多い。香港の信者数は、日本全体の信者総数よりも多い。この背景には、カトリック教会が社会的に担ってきた役割の大きさがある。イギリスは19世紀に香港を植民地とした後、カトリック教会に教育・福祉サービスを担わせた。この見返りというかたちで、多くのカトリック教会堂が政府助成を受けて建設されるようになった...
大学と社会を結ぶ科学コミュニケーション
- 定価 4,180円(税率10%時の消費税相当額を含む)
わが国の科学技術イノベーション政策の根幹を規定した「第4期科学技術基本計画」(2011年8月19日閣議決定)には、「社会と科学技術イノベーションとの関係深化」という一節が設けられている。そこには、国民と政府、研究機関、研究者との間で認識を共有することができるよう、双方向のコミュニケーション活動を積極的に推進していくことが重要であると記載されている。このような国民と科学研究の担い手をつなぐ双方向のコミュニケーション活動は、一般的に「科学コミュニケーション活動」と呼ばれている。そのような活動を活発化...
小・中・高等学校でのプログラミング教育実践
- 定価 2,420円(税率10%時の消費税相当額を含む)
インターネットを介した仮想空間と生活における現実空間が融合した新たな社会 (Society5.0) が始まろうとしています。それに伴って新しい社会に合わせた情報教育が社会的に必要となり、2020年度から学校教育においてプログラミング教育が必修化されます。これまで主に中学校の技術・家庭科 (技術分野) と高等学校の情報科で行われていたプログラミング教育ですが、これからは小学校から高等学校まで一貫した教育が行われます。本書は、小・中・高等学校を通したプログラミング教育実践を扱う最初の書籍であり、学校...
出来事の民族誌[新装版]
- 定価 5,060円(税率10%時の消費税相当額を含む)
フィリピン・ルソン島西部、噴火前のピナトゥボ山南西麓一帯に住むアエタ族(ネグリート族)の経済・社会生活の動態的な編成をめぐる民族誌。出来事をめぐって浮きぼりにされるアエタ社会固有の存在様式を明らかにする。本書は、文化人類学者・清水展氏が若き日にまとめたフィールドワークの成果であり、噴火により失われる前の先住民の文化や社会を今日に伝える貴重な資料である。第22回澁澤賞受賞。 (さらに…)
鉱物資源問題と日本
- 定価 3,080円(税率10%時の消費税相当額を含む)
世界は鉱物資源問題(枯渇問題・環境汚染問題・利害対立問題)をどう解決していくのか、その中で日本が果たすべき役割は何か。また、ほとんどの鉱物資源を輸入に依存する日本は、それらをどのように確保していけばよいのか。本書は日本に対し、問題解決のための6つの事業の実施を提案するものである。 ・南太平洋諸国の排他的経済水域で深海底鉱物資源の商業的生産を行う ・ボーキサイトやラテライトから鉄を回収する技術を開発し、その技術を 熱帯・亜熱帯の開発途上国に移転する ・環境ODAの実施を通じて日本企業の海外投資を...
ヘスペルス あるいは四十五の犬の郵便日[新装版]
- 定価 10,340円(税率10%時の消費税相当額を含む)
『ヘスペルス』(1795年)はドイツの小説家ジャン・パウルの出世作である。「ヘスペルス」とは「慰謝」の「宵の明星」の意であるが、ジャン・パウルの筆名をドイツ人だからと言って、本名の「ヨーハン・パウル」に変えられないように、「希望」の「明けの明星」、「美」の「金星」も暗示していて、「ヘスペルス」と訳すしかない。 本作は最もジャン・パウルらしさの見られる語り手の奔放な脱線と物語の感傷性の併存する奇妙な混淆物である。 物語は『見えないロッジ』や『巨人』がそうであるように、フランス革命の影響を受けたドイ...
非占有動産担保の競合
- 定価 3,960円(税率10%時の消費税相当額を含む)
現在の取引社会では、動産先取特権、譲渡担保、所有権留保といった非占有動産担保が多用されているが、これらの非占有動産担保が同一の動産上に複数競合した場合には、各担保権者の優劣を決定することが求められる。本書は、非占有動産担保の競合のうち、これまでに最高裁が判示している3つの競合類型(複数の譲渡担保の競合、譲渡担保と動産先取特権の競合、所有権留保と譲渡担保の競合)における法律関係につき、ドイツ法との比較法的考察を通して解明することを試みるものである。著者が平成28年度に提出した博士学位請求論文に加筆...
コミュニティ臨床論
- 定価 4,180円(税率10%時の消費税相当額を含む)
今日、家族の問題解決力は著しく衰退し、地域(コミュニティ)の存続が困難になってきている。本書では、そのような現状への有効な方法としてのコミュニティづくりのモデルが提示される。まず基礎理論として、生成的コミュニティ論が示される。それは、従来の社会資源導入法に見られる実在的なコミュニティの定義を批判的に吟味したうえで、ハイデガーのケアの概念を基礎にして、ベイトソンの情報還流モデルと廣松渉の四肢構造論を結合させ、ケア実践を通して人とものが「~として」相互に生成される力学を理論化する枠組み...
保育実践へのエコロジカル・アプローチ
- 定価 4,950円(税率10%時の消費税相当額を含む)
日々の保育のなかで子どもたちが出会っている「環境」を理解するにはどのようなアプローチが必要なのか。本書は、筆者自身が保育者として経験した事例を、エドワード・リードの生態学的経験科学の立場から記述・考察することで、理論と実践を往還する新たな保育環境論を構築する。その軸となるのが、「出会われていない環境」の概念である。保育者と子どもを取り巻く環境は、未だ出会われざる側面を隠しつつそこにある。「ありふれたもの」がもつ豊かな保育の可能性を掘り起こす、「エコロジカル・アプローチ」提唱の書。 (さらに&he...