広がる東アジアの産業連携 グレーター・チャイナのダイナミズムと連携の力

シリーズ名
東アジア地域連携シリーズ1
著者名
国吉澄夫・張 季風 編
価格
定価 1,980円(税率10%時の消費税相当額を含む)
ISBN
978-4-7985-0018-8
仕様
四六判 並製 234頁 C1334
発行年
2010年4月
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内容紹介

中国経済の台頭と共に東アジアで加速している経済グローバル化と,国境を越える供給連鎖(サプライ・チェーン)が強大な渦を作っている。しかし,過熱する経済の一方で,それを支える産業・企業のマネジメントの価値観は共有されているのか?
本書では「産業連携」の視点から,ビジネスの実践との接点を持った専門家が,サプライチェーンを支える価値観の掘り起こし,アジアの新しいビジネスモデルの模索,それを実行するビジネス人材は如何にあるべきか,等の議論を展開する。

目次

まえがき  国吉澄夫
 
第1章 中国の経済成長と日本企業の対中国事業の変化  国吉澄夫
       CSRの視点から  
 はじめに
 1.産業連携の視点からみた,改革開放後の日中産業協力
 2.産業連携とCSR  日本企業の中国でのCSR  
 3.CSRは連携の共通価値観となれるか  近江商人の「三方よし」と現代  
 
第2章 中国における自動車産業の産業集積と中日間の連携  張 季風
 はじめに
 1.産業集積論の一般的な系譜
 2.中国自動車産業の産業集積の背景
 3.中国の自動車産業集積の現状
 4.中国と日本の連携
 5.中日協力によるエネルギー・環境問題の解決に向けて
 
第3章 東アジアの産業連携による新しい事業と企業統治の創出  浦上 清
       「アジアの世紀」のビジネスモデル・イノベーション  
 はじめに
 1.欧米産業のアジア移転
 2.東アジアにおけるビジネスモデルの形成
 3.これまでの東アジアの産業連携  中国ビジネスを中心に  
 4.「アジアの世紀」の産業連携  グレーター・チャイナ地域と日本  
 5.産業連携と共通価値・コア価値の模索
 6.おわりに代えて  東アジアの産業連携の意義と課題  
 
第4章 グローバル市場における垂直統合型経営と水平分業型経営  永池克明
 1.垂直統合型ビジネスモデルから水平分業型ビジネスモデルへの軸足の移動
 2.本格的なグローバル時代の幕開け
 3.BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)とは何か
 4.アウトソーシングと国際戦略提携
 5.日本企業のジレンマと今後の対応策
 6.グローバル時代のビジネスに対応できる人材とその育成
 
第5章 韓国のグローバル人材育成と日韓の産学連携  銭 相杓
 はじめに
 1.韓国のグローバル人材育成
 2.注文式教育
 3.優秀なグローバル人材育成に対する提案
 4.結論
 
第6章 企業文化の分かる人材を育てよう  李 春光
       産業連携と異文化コミュニケーション  
 はじめに
 1.中日企業間のビジネス紛争
 2.中日企業文化の差異
 3.おわりに
 
参考資料 徹底討論 九州・アジア 新潮流
       「九州に問われる国際型人材の育成」
       (中国社会科学院 張季風,韓国永進専門大学 銭相杓両氏の対談)
 
あとがき  国吉澄夫・張 季風
 
[コラム1] 日中にまたがる地域連携・地域交流「トキ交流~大分県九重町と中国陝西省との環境交流」
[コラム2] 自主創新「独自技術規格から標準化を目指す中国」
[コラム3] 留学生30万人計画「中国人留学生の就職」

著者紹介

国吉澄夫(くによし すみお) 九州大学アジア総合政策センター教授
1971年京都大学法学部卒業。同年,(株)東芝入社。東芝ロンドン事務所駐在などを経て,1979年から中国業務に従事。プラント・技術移転・合弁会社立ち上げなど実務を経験。1994年江蘇省無錫市でのIC工場現地法人設立,副社長として赴任。1996年から本社中国部長/室長として全社中国事業を統括・地域戦略立案。2005年10月より,現職。専門分野は中国ビジネス(投資戦略),中国産業論(電子産業)。

張 季風(Zhang Jifeng) 中国社会科学院日本研究所経済研究室主任・教授
1982年東北師範大学卒業後1982~1989年長春気象測器研究所勤務。1992年東北師範大学大学院日本研究所修士号取得,1994年東北大学経済学研究科博士課程後期修了,1999年経済学博士取得。同年中国社会科学院日本研究所入所。全国日本経済学会常務理事。専門は日本マクロ経済分析,中日経済関係。九州大学アジア総合政策センターとは「日中韓シンポジウム」を4回共同開催する等,交流も深い。

浦上 清(うらかみ きよし) 浦上アジア経営研究所代表
1970年一橋大学法学部卒業。同年,(株)日立製作所入社。1975~1976年,ロンドン大学(The London School of Economics and Political Science)留学。1989年から1994年まで日立アメリカ社副社長。1995年11月から2002年3月まで日立アジア(香港)有限公司董事総経理。2004年4月から現職。静岡県立大学大学院経営情報学研究科非常勤講師,NPO法人アジアITビジネス研究会理事長(2005~2009年度),一橋大学大学院法学研究科客員教授(2006~2008年度)。

永池克明(ながいけ かつあき) 久留米大学商学部兼大学院ビジネス研究科教授
1967年山口大学経済学部卒業。2005年中央大学大学院総合政策研究科博士後期課程修了,博士(総合政策)。1967年(株)東芝入社。経営企画畑を中心に36年間勤務。その間,(社)日本経済研究センター,ドイツ・キール大学世界経済研究所留学。東芝アメリカ(IEBS)社副社長,本社経営企画担当部長,国際本部アジア総括・企画/支援部長,経営トップ特別補佐等を歴任。2003年4月九州大学ビジネス・スクール教授。2007年4月から現職。ICABE九州・中国ビジネス研究会座長。

銭 相杓(Jeon Sangpyo) 韓国永進専門大学コンピューター応用機械系列副教授
1999年大阪府立大学機械工学博士号取得,同年4月より韓国永進専門大学で教鞭をとる。2005年海外研究教授として2年間ロンドンに滞在。2007年12月から永進専門大学日本交流協力研究所長,現在に至る。専門は材料力学。永進専門大学では,独自の「注文式教育」を実施,サムスン,LG,ハイニックス等韓国大手企業の教育支援を実行している。また,「日本式注文教育」も実施,日本の19の企業との協定を成立させている。

李 春光(Li Chungguang) 中国大使館経済部 一等書記官
1989年河南大学日本語学科を卒業後,日本留学,1977年福島大学大学院で地方行政学修士号取得,2004年には中国社会科学院の大学院で哲学博士の学位を獲得。1977~2005年,中国社会科学院日本研究所政治研究センター研究員,同研究所の研究員,弁公室副主任などを務め,2003年9月から東京大学東洋文化研究所比較法研究センター客員研究員,日本学術振興会外国人特別研究員(2007年3月まで)。2007年,中国社会科学院所属で,中華人民共和国駐日本大使館経済処一等書記官として赴任(出向),現在に至る。中国日本学会対外連絡部主任。専門は行政法学,地方財政政策など。

その他

東アジア地域連携シリーズ(全5巻)
広がる東アジアの産業連携 メディア文化と相互イメージ形成 東アジアの越境環境問題
東アジアにおける食を考える 老いる東アジアへの取り組み
学術図書刊行助成

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