内容紹介
音楽は聴覚芸術であるが,西洋においてそれが芸術として発展してきたのは,音を的確に視覚化しえたということに要因がある。本書は,この聴覚と視覚の関係に焦点を絞り,20世紀以降の音楽(現代音楽)を音の視覚化の面から論述している,かつて視覚化は楽譜という紙媒体のみでなされてきたが,トーキー映画が出現して以来,音の視覚化はフィルムやビデオ,パソコン画面などにおいても実現されるようになってきた。特にこれらの媒体は「時間」を内包しており,音楽との関係が表現上に非常に密である。そこで,音を重要視した映像アートについても,音楽との関わりに焦点をあてて論述し,さらにそれらを通して,マルチメディア環境を活かした表現の方法についても解説している。